そろばんはいつから?どんな子どもにおすすめ?そろばんの歴史や効果のアレコレ

そろばんの歴史や効果のあれこれきっと親御さんなら、興味深い習い事の1つであろうそろばん。

そろばんを習うと計算が早くなる、アタマが良くなるなどと言われていますが、実際はその子の性格により向き・不向きがありそうですね。

では、そろばんはどんな子にお勧めなのでしょうか?

今回はそろばんのルーツからそろばんの効果まで、そろばんアレコレを探っていきます。

そろばんの歴史

実は数学大国である日本。

日本古来の数学は、奈良時代に中国から伝わってきたと言われており、その後、江戸時代に和算(わざん)と呼ばれる独特な計算方法として発展を遂げ、今日まで受け継がれてきました。

そろばんの起源はメソポタミア文明

そろばんもそんな和算のひとつです。対応するのは洋算のひっ算となります。

そろばんの起源は、今から4,000~5000年前のメソポタミア文明と言われ、人々は土の上に線を引き、そこに石を置いて計算していたそうです(「土砂そろばん」)。

それが、2,500年前くらいのエジプト、ギリシャ、ローマでは、平版の上に線を引き、小石や動物の骨、硬貨などを置いて計算する「線そろばん」に発展しました。

ヨーロッパではこの計算方法が17世紀まで続き、イギリスキルトのチェック柄はこの線そろばんを表したものだそうです。

そろばんはシルクロードを渡り中国から日本へ

また同じ頃、2,300~1,500年前頃までローマで使われていたのが青銅製の「溝そろばん」です。

これは溝の中に玉が埋め込まれており、現在の日本のそろばんに似た形をしています。

これがシルクロードを通って中国に伝わり、16世紀頃、日本に入ってきたと考えられています。

またそろばんに欠かせないのは九九の考え方ですが、これはもっと早い時代、平安時代に中国から日本に伝わってきたと書物に残されています。

将棋をする男の子

日本でのそろばん

日本でのそろばんは江戸時代の商業の発展を背景に、商人や数学者を中心に盛んに研究されました。

そろばんを用いたかけ算やわり算、平方根のやり方が書物としてまとめられ、微分・積分分野でニュートンにも並ぶ大数学者・関孝和が出たのもこの江戸時代です。

その後明治時代になり、教育方針が洋算主流となって、そろばんは数学の表舞台からは姿を消しましたが、現代になり、再びアジア諸国や世界の数学者からその存在を見直されています。

幼児期から始める早期教育

そろばんの効果

そろばんを使うと、一番鍛えられるのは暗算力です。

洋算(ひっ算)では、複数桁同士の暗算などはまず無理ですが、そろばんであれば頭の中の玉のイメージを使い、始めて数年の子供でも3桁×3桁くらいは難なくできてしまいます。

そろばんは脳に良い

またそろばんによる暗算は右脳の力を引き出すことが研究で分かっているそうです。

数字を目で見ながらする「そろばん計算」では左脳を、玉をイメージして計算する「そろばん暗算」では右脳を鍛えるという、左右の脳のバランス良いトレーニングになるのがそろばんです。

そろばんはいつから?どんな子に向いているの?

そろばんはいつから?どんな子に向いてる?

小学校低学年の子

そろばんにも検定があり、頑張れば1級また1級と昇級していきます。

そろばん用の教本があり、勿論毎日練習しないと上手にはなれませんので本人の努力が必要となりますが、始めて最初のうちは比較的昇級しやすく、こういった試験や検定というものに慣れていない低学年の子でも、年齢が浅い内に成功体験を積み重ねる事ができます。

これは、ゆくゆくは乗り越えなくてはいけない「受験」というハードルを前にしての、とても良い経験となるでしょう。

女の子

そろばんは女の子の方が向いていると思います。

計算している間(1問につき約20分)は集中して下を向き、小さな玉をはじくという細かい作業をしなくてはいけません。

ですので、どうしても体力が有り余っていて、活動的な男の子には向いていないと言わざるを得ませんし(大人しい男の子なら良いかと思います)、教室も女の子の割合の方が多めです。

お友達関係を考えても、女の子の方が向いていると言えるでしょう。

几帳面な性格の子

そろばんは、パチパチと玉を1つずつ弾きます。

文字通り、玉を積み重ねて、移動して、また積み重ねてという繰り返しなので、こういう地道な作業が好きな子に向いています。

ものごとをコツコツやる性格の子、整理整頓が好きな子、几帳面な性格の子に合っているでしょう。

ピアノや音楽を習っている子

そろばんは右脳も左脳も使います。

もしピアノやダンスなど何か音楽系の習い事を既にしている場合は、右脳が普段から良い刺激を受けています。

ですので、同じ右脳を使うそろばんは受け入れ易いと思います。

使うそろばんも「玉が黄色いそろばん」など、視覚で認識し易い物を選ぶと、上達も早いですよ。

そろばんの世界は深くて面白い

いかがでしたでしょうか。

和算は日本独特の優れた計算方法ですし、現代でも「つるかめ算」や「仕事算」などとして、難関中学などで入試問題に出され、受け継がれてきています。

そろばんは、2級からは履歴書にも書くことが出来る立派なスキルです。ぜひ検討してみて下さいね。