中学受験における理科と社会の勉強法!合格のための正しい受験戦略

理科・社会の用語の暗記について

時事問題の対策

中学受験における理科・社会では「用語を適切に表記することができるか」ということもまたポイントとなってきます。

読み方は分かるけど漢字では書けない、ではダメです。ということで、社会・理科でも、いわば漢字の学習の要素が発生することになります。

用語は書いて覚える

例えばドリル的なものを利用して記憶の定着を図る際には、必ず解答を手で書かせる癖をつけるようにしてください。

口頭で問題を出して口頭で解答する、という作業が完全に無駄であるとは言いませんが、勉強の中心はあくまでも実際に手で答えを書かせる作業であるべきです。

「書くこと」を手間に感じている段階では、まだまだ受験態勢に入っているとは言えません。

鍛錬が必要な部分ではありますが、口を酸っぱくして指摘し続けるべき箇所ではあります。

漢字は正確に覚える

同時に、例えば「平等院鳳凰堂」のように漢字が非常に複雑な場合もありますので、大きな字で普段から練習しておくことが重要となります。

大きな字で書いて、しっかりと目で確認する。

ノートはどんどん消費してしまいますが、お子さんの習熟を得ることができるのであればそれに優先するものは何もないはずです。

これは「資源の無駄」とは言いません。

説明問題について

理科・社会では生徒に実際に説明させる類の問題が多く出題されます。

現在の流行りの発電所関係のものを例に挙げてみましょう。

水力等の発電比率が年々変化しているというようなデータを与えられ、その資料から読み取れることを分析させるような場合には、当然ですが資料に慣れている必要があります。

このような素養は一朝一夕に獲得されるものではなく、時間をかけて力を蓄えておく必要があります。

説明問題の力のつけ方

ではどのようにして力をつけていくのか。

お子さんと実際に会話をすること、これが一番有効な手立てでしょう。

いわゆるソクラティックメソッドを活用することが重要となります。

ソクラティックメソッドを活用するとは、「一つの資料に対して一つの解答」というのではなく、一つの資料から読み取ることができる内容を、逐一関連付けながら順次お子さんに問いてゆき、最終的にそれらを関連付けるようにすることです。

ソクラティックメソッドによる問答がおおよそ完了すると、問題に対する解答をしっかりと記述させる作業へ進むことになります。

資料を読み解く力+それを自分自身の言葉で表現する力、の獲得を目的としています。

一つの問題に関してかなりの時間がかかるようにも思われるかもしれませんが、実際にこれをやってみると非常に楽しいです。

そして、こなしていくうちに要する時間はどんどん短縮されますし、資料問題の根源にある「あるポイント」にも次第に気付くことができます。

資料の説明を熟読することで身につく力

一見パターン化が難しいと思われるような説明問題ですが、実は大抵の問題は、自宅などで学習したことがある問題のバリエーションの一つでしかないということです。

中学受験では確かに「捻った」問題が出題されるのは事実ですが、他方で「完全に初見の内容」が出題されることもありません。

出題のされ方が違うだけで、求めている解答はごく平凡なものであることの方が多いのが現状です。

自宅においてソクラティックメソッドを活用しながら資料問題などの分析を繰り返していくうちに、次第に問答がパターン化されていくはずです。

その段階になれば、お子さんの習熟はかなりの段階に至っていると評価することができるでしょう。

時事問題について

受験問題にもどんどん趣向が凝らされるようになってきた現在、社会における「時事問題」についてはかなりの注意が必要です。

ただ、ここで知っておいて欲しいことは、受験期直前の時事ネタは出題される可能性が極めて低いということです。

夏から秋ごろの時事問題を押さえておく

中学受験の問題は、基本的に夏から秋には担当の先生方の中で会議の末作成されることがほとんどです。

その後、具体的な草案を作る作業や印刷会社での作業等、結構な時間がかかりますので、直前期のものが出題されることは現実的に考えられにくいものです。

もちろん、念のためにチェックはしておくべきでしょうが、結局範囲が極めて不明確である以上、これらに苦心するのはかなり非効率的な作業となります。

したがって、特に夏から秋ごろに世間を騒がせたような時事問題について押さえておくことと、塾等で特に指摘されたような内容を把握するだけで充分となります。

時事問題に時間を割かない

また時事問題が10%以上出題されることなどほとんどありません。

時事ネタに対応するためにお子さんに新聞を読ませるというご家庭もあるようですが、「読解力をつけるため」「高度な文章に慣れさせるため」という目的であるならばさておき、社会の時事問題に対応することを目的として新聞を読ませることはナンセンスです。

そのような時間を作るくらいであれば、参考書に目を通す時間を作ってあげて下さい。

中学受験の経験から言えること

中学受験の経験受験生であった私の体験談をご紹介します。

東大寺や灘などに合格でき、受験結果は大成功でしたし、理科・社会の勉強もしっかりとしていたのですが、それは間違いなく母親のお陰でした。

今思えばそこまで勉強が得意ではない母親でしたが、一生懸命問題の解説をしてくれていましたし、例えばプラネタリウムによく連れて行ってくれたということも記憶に残っています。

受験期には必死に勉強していたという記憶しかないのですが、その時間をクリアすることができたのは、そもそも理科・社会に対して肯定的なイメージ、理科・社会が好きだったという前提があったからこそでしょう。

そして、理科・社会が好きになれたのは、実際に寺に連れて行ってくれたり、川遊びなどに付き合ってくれた母親のお陰だったと言わざるをえません。

中学受験成功のために大切なこと

別に母親への感謝をここで述べたいわけではなく、お子さんの成功に関して、

  • 子どもに興味をもたせることができるか
  • 子どもが学習内容を好きになることができるか

が本当に大切であるということを忘れないで頂きたいのです。

特に社会について顕著に言えることなのですが、やはり暗記する作業がかなり多くなるのは事実でしょう。

そして、シンプルにドリルを繰り返し演習し、何度も何度も反復して座学をする時間を作るのは当然で、悪い言い方をすれば「軍隊的な受験」の色合いが非常に濃いものとなってしまいます。

受験「勉強」です。「受験」勉強ではありません。

勉強の質、勉強への姿勢が適切なものであり続けるようにしてやるのも大切なことです。

中学受験指導の経験から見えたこと

面白いことに、全科目の点数は低いのに、理科と社会の、しかも局地的な分野について、尋常ではなく点数が良い生徒というものが存在します。

特に男の子で、勉強が不熱心な子。にもかかわらず、単発的に理科と社会で高得点をたたき出して上のクラスに食い込んでくる子。

かなり本格的な受験指導をしている塾で教鞭をとっていましたが、私の素直な感想としては、このような子が「理想的な勉強」をできているのではないか、ということです。

中学受験をするのはまだ小学生の子供たち

精神年齢が高く、カリキュラムをしっかりと作り上げて、それをしっかりとこなしてコンスタントに全ての教科において高成績を上げることはとても大切なことですし、受験をクリアする中ではある意味において完成形の一つではあります。

が、このような完成形を体現することができる子どもというものは、残念ながら小学生という成長段階である以上、かなり限られた子どもたちに限定されてしまいます。

「身の丈にあった目標を」というような言い方をしてしまうとネガティブ過ぎるように思われるかもしれませんが、受験をクリアするための理想形はこのようなパーフェクト人間だけではないということです。

上で述べたような、たまにホームランを打つタイプの子どもは、当該分野に「はまった」わけです。

興味、好奇心、勉強時間、記憶への定着、全ての歯車をそろえることができたわけで、この歯車の合致を全ての範囲で実施してやれば良いのです。

社会・理科で成績の良い子の特徴

社会・理科で成果を上げている生徒に見えることは、反復している回数の多さです。

全範囲を効率良く何週もしています。指導する際にアドバイスするのですが、理科・社会では暗記がからむ以上、他科目よりも特にカリキュラム表を作る必要性が高まります。

そして、具体的に学習した日付を都度表に記入し、前回からの間隔が空きすぎないようなタイミングをしっかりと把握して都度復習できるかどうかがポイントとなります。

マメなお母さんは、自分で問題を手作りする方もいらっしゃいます。

夜に一枚、お手製の問題を十問出題する習慣を作るだけでも、回転率を上げることに資するのではないでしょうか。

あるいは、お母さんによっては、お子さんが実際に所属しているクラス以外の講座において利用されている小テストなどのネタを欲しいとおっしゃる方も多くいらっしゃいます。

中学受験における理科と社会の特徴をする事で合格に近づこう

受験校間で難易度の差がそこまで大きくないのが理科・社会の特徴です。

大抵の学校で問われている内容は結局同じことですし、「結局どこでも同じことが問われているのだ」というように感じることができるかが、成功への鍵です。

所詮、理科・社会。されど、理科・社会。

強かに対応すれば合格はぐっと近付くでしょう。