関東学院中学校は、神奈川県横浜市にある私立の中高一貫校です。
今回は関東学院中学校の受験予定者なら知っておきたい、学校の特色、受験情報や入試問題の傾向・特徴などをご紹介します。
目次
関東学院中学校の特色
関東学院中学校高等学校は「人になれ 奉仕せよ」を校訓とし、「キリスト教に基づく価値観を育む」「教科教育を通して判断力と適応力を育む」「部活動を用いて豊かな感性を育む」を理念とする中高一貫6年間の教育を展開しています。
「自分を知り、他者を知る」「自分と社会との関係に気づく」「目標を定め、進路を拓く」を6年間の3つのステージとし、教科学習はもちろん、海外研修や課外授業、大学受験に向けたクラス編成など、幅広い分野での教育体制に特徴があります。
また、余裕のある二学期制を導入しているほか、体験型学習なども充実しており、新学習指導要領にも積極的に対応したカリキュラムとなっています。
学校の沿革
1884年、関東学院の源流となる横浜パプテスト神学校が創立されました。
1918年には関東学院が誕生し、翌年1919年に私立中学関東学院の設立が認可されています。
1947年に新制中学校が、1948年には新制高等学校が設立され、現在に至ります。
進学先・合格実績
2023年の合格実績を見ると、国公立大学17名のほか、早慶上理ICUが39名、GMARCHが111名など、難関大学も含めた幅広い合格実績が見られます。
施設
主な施設には、中学校新館、高等学校本館、体育館・柔剣道場、グラウンド、第2グラウンド、図書室、食堂、カウンセリングセンター、情報処理室、理科実験室などがあり、充実した施設環境が整っています。
学校周辺の環境・交通アクセス
京浜急行の黄金町駅と市営地下鉄ブルーラインの阪東橋駅が最寄り駅となります。
両駅とも横浜駅から近く、多方面からスムーズにアクセス可能です。
関東学院中学校の受験情報
試験日
一期A:2024年2月1日(木)
一期B:2024年2月1日(木)
一期C:2024年2月3日(土)
二期:2024年2月5日(月)
募集人数
一期A:50名
一期B:65名
一期C:65名
二期:20名
試験科目と試験時間・配点
一期A・一期C
科目 | 試験時間 | 配点 |
国語 | 50分 | 100点 |
算数 | 50分 | 100点 |
社会 | 30分 | 60点 |
理科 | 30分 | 60点 |
一期B・二期
科目 | 試験時間 | 配点 |
国語 | 50分 | 100点 |
算数 | 50分 | 100点 |
関東学院中学校の偏差値と倍率
偏差値
関東学院中学校の偏差値(80偏差値)は以下のようになります。
男子 | 女子 | |
一期A | 44 | 45 |
一期B | 49 | 51 |
一期C | 47 | 48 |
二期 | 49 | 51 |
倍率
2023年度の倍率(実倍率)は以下の通りです。
一期A | 一期B | 一期C | 二期 | |
受験者数 | 286名 | 522名 | 329名 | 316名 |
合格者数 | 80名 | 264名 | 133名 | 27名 |
実倍率 | 3.6倍 | 2.0倍 | 2.5倍 | 11.7倍 |
関東学院中学校の入学後の学費
学費等は以下のようになります。
入学金 | 230,000円 |
特別施設費 | 200,000円 |
毎月の校納費 | 合計57,800円(授業料34,000円、施設費9,000円、生徒会費500円など) |
関東学院中学校の入試問題と対策
算数
試験時間は50分、配点は100点満点となっています。大問は8問で、大問1が計算問題、大問2以降が大型問題という構成です。
大問数は多いですが、大型問題は小設問がないパターンが多く、計算問題も4問程度の設問となります。ただし、大問が多い分だけ出題範囲が広いので、幅広い分野の基本をしっかりおさえなくてはなりません。
また、図形や特殊算をはじめ、一部で時間・手間のかかる問題も見られます。
決して時間的な余裕があるわけではないので、常に時間を意識し、スピーディーかつ正確に解き進める必要があります。
数の性質や規則性といった問題でも素早く整理する力が必要ですので、スピードと正確さの両立は常日頃から注意し、過去問・問題演習を通じて実力を伸ばしていきましょう。
国語
算数同様、試験時間は50分、配点は100点満点となります。大問は2~3問で、漢字、小説文・物語文、説明文・論説文から出題されます。
読解問題の設問形式は選択肢問題が中心ですが、記述問題の出題も見られます。
また、読解問題の文章が比較的長いので注意しなくてはなりません。基本レベルの問題が中心ですが、文章量が多いため、時間配分には特に気をつける必要があります。
得点できるはずの問題で得点できなかった、といった事態にならないよう、過去問演習を繰り返して時間配分の感覚をしっかり養いましょう。
また、長い文章の中で、心情・場面の変化、論理展開などを一つ一つ正確におさえる読解力も求められます。
文章量の多さに慌てないよう、日頃から長めの読解問題に触れ、慣れを作っておきましょう。
社会
試験時間は30分、配点は60点満点です。大問は4~5問で、地理・歴史・公民分野(時事問題含む)からまんべんなく出題されます。
設問形式は、選択肢問題、適語記入問題のほか、記述問題の出題も見られます。試験時間も30分で短いため、記述も含めて各形式の設問をテキパキ進める力が必要です。
適語記入・記述問題では誤字脱字に注意し、ケアレスミスは絶対に避けるようにしましょう。
また、地図やグラフ、資料も多く登場するので、素早く情報を読み取る情報処理能力も求められます。
設問によってはリード文が長い場合もあるので、与えられた情報を速く正確におさえる練習を重ね、実戦的な力を鍛えておきましょう。
基本的な問題が多いとはいえ、知識の暗記だけで対応するのは難しいので、過去問演習も含め、問題演習を通じて傾向に沿った実力を磨く必要があります。
理科
社会と同じく、試験時間は30分、配点は60点満点となっています。大問は4問で、4分野から幅広く出題されます。
設問形式は選択肢問題や適語記入問題、計算問題、記述問題など幅広く、あらゆる形式に対応できるようにしなければなりません。
特に計算問題や記述問題は時間・手間もかかるので、時間配分に注意しつつ、速く正確に解きこなす必要があります。
基本知識をおさえることは大前提ですが、過去問や問題演習を通じて計算や記述に慣れを作り、実戦力を鍛えておきましょう。
また、実験・観察問題が多く、与えられた情報を素早く読み取る力も必要になります。日頃から実験や観察を扱った問題に多く触れ、知識の定着とともに情報処理能力や思考力を磨いておきましょう。
実験や観察の過程、「なぜそうなるのか」という流れなど、理解を深めておくことがポイントです。
過去問
受験者平均点・合格者最低点の特徴
2023年度の入試結果を見ると、受験者平均点と合格者最低点は以下のようになります。
受験者平均点(国語・算数:各100点満点、社会・理科:各60点満点)
国語 | 算数 | 社会 | 理科 | |
一期A | 50.8点 | 63.2点 | 26.7点 | 26.2点 |
一期B | 56.5点 | 50.5点 | – | – |
一期C | 64.2点 | 52.4点 | 24.6点 | 37.1点 |
二期 | 51.9点 | 54.7点 | – | – |
合格者最低点(4科目320点満点、2科目200点満点)
一期A | 188点 |
一期B | 105点 |
一期C | 188点 |
二期 | 139点 |
合格ラインは7割近くとなっています。
関東学院中学校合格のために必要なこと
関東学院中学校の試験問題は、4科目とも基本レベルの問題が中心と言えますが、時間的な余裕は比較的少なく、とにかくテキパキこなす力が求められます。
例えば算数であれば、大問8問の中で様々な分野にテキパキ対応すること、国語は長めの文章を素早く読み取ること、社会と理科は記述も含めて幅広い設問形式に対応すること、情報処理能力も鍛えておくことなど、あらゆる場面で実戦的な力が必要です。
もちろん各分野の基本知識をおさえることは大前提ですが、知識の暗記だけで終わらせず、科目ごとの実戦力を磨くことを意識しましょう。
また、2科目受験の日程があるほか、合格ラインが高めの日も見られます。
各科目の特色に加え、こうした日程ごとの特徴もおさえながら、それぞれ受験計画を練っていきましょう。