共立女子中学校は、東京都千代田区にある私立の女子中高一貫校です。
今回は共立女子中学校の受験予定者なら知っておきたい、学校の特色や受験情報、入試問題の特徴などをご紹介していきます。
目次
共立女子中学校の特色
共立女子中学高等学校は、1886年に設立された共立女子職業学校が始まりとなる、長い歴史をもつ中高一貫校です。
「誠実・勤勉・友愛」という校訓のもと、「女性の自立と社会に役立つ女性の育成」を目標とし、人間形成としての「関わる力」「動く力」、学力形成としての「考える力」「解く力」という4つの力が重視されています。
また、高等学校からの募集は行われない完全中高一貫校となり、中学1年から高校1年までの4年間で基礎力をつけ、高校2年から3年で実践力をつけるという、中高一貫ならではのカリキュラムが組まれています。
そのほか、グローバル教育として、ニュージーランドの女子校でのターム留学や、英語研修・ホームステイなど、様々な取り組みが行われています。
学校の沿革
1886年に共立女子職業学校が設立され、1936年には共立高等女学校が設置されました。
1947年に共立女子中学校が、翌年1948年には共立女子高等学校が設置され、現在に至ります。
施設
主な施設は、中高校舎棟となる1号館、食堂、売店、図書室、茶道・礼法室、コンピュータ演習室、共立講堂、体育館、音楽室、体育室などがあり、充実した施設が多く見られます。
進学先
2022年度の大学合格実績を見ると、早稲田大学21名、慶應義塾大学16名、上智大学15名といった私立の難関校のほか、東京医科歯科大学1名、千葉大学1名など、国公立大学への合格実績も見られます。
学校周辺の環境
交通アクセス
- 地下鉄半蔵門線・都営三田線・都営新宿線の神保町駅から徒歩3分
- 地下鉄東西線の竹橋駅から徒歩5分
- JR線の水道橋駅、御茶ノ水駅から徒歩15分
都心の中心部に位置しており、地下鉄線のほかJR線の駅も徒歩圏内となり、多方面からのアクセスに優れています。
共立女子中学校の受験情報
受験日程と募集人員
- 2/1入試 130名
- 2/2入試 110名
- 2/3午後入試(英語4技能型) 15名
- 2/3午後入試(合科型) 40名
試験科目と試験時間・配点
2/1入試と2/2入試
科目 | 試験時間 | 配点 |
国語 | 45分 | 100点 |
算数 | 45分 | 100点 |
社会 | 30分 | 50点 |
理科 | 30分 | 50点 |
2/3午後入試(英語4技能型)
科目 | 試験時間 | 配点 |
英語4技能テスト | 60分 | 100点 |
算数 | 45分 | 100点 |
2/3午後入試(合科型)
科目 | 試験時間 | 配点 |
合科型論述テスト | 60分 | 100点 |
算数 | 45分 | 100点 |
共立女子中学校の偏差値と倍率
偏差値
共立女子中学校の偏差値を80偏差値でみると次の通りです。
2/1入試 | 52 |
2/2入試 | 53 |
2/3合科型 | 54 |
倍率
2023年度の倍率は次の通りです。
募集人数 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 | |
2/1入試 | 130名 | 346名 | 154名 | 2.2倍 |
2/2入試 | 110名 | 459名 | 199名 | 2.3倍 |
2/3午後入試 合科型 |
40名 | 213名 | 68名 | 3.1倍 |
2/3午後入試 英語4技能型 |
15名 | 20名 | 15名 | 1.3倍 |
共立女子中学校の入学後の学費
入学金 | 300,000円 |
授業料 | 500,000円 |
施設設備維持費 | 220,000円 |
旅行代金(中1) | 60,000円 |
諸経費(中1) | 96,000円 |
後援会費 | 20,000円 |
合計 | 1,196,500円 |
*2022年度参考
共立女子中学校の入試問題と対策
以下、4科目型の入試(2/1入試・2/2入試)の試験問題・傾向についてご紹介していきます。
算数
試験時間は45分、配点は100点満点となっています。大問は6〜7問で、大問1が計算問題、大問2が小問集合、大問3以降が応用問題という構成です。
基本〜標準レベルの問題が中心ですが、一部で難易度の高い問題も見られます。また、試験時間が45分のため、決して時間的な余裕があるわけではありません。
途中で難しい問題が登場しても焦らず、解くペースを崩さず、速く正確に解き進める必要があります。
また、基本レベルの問題も多いため、ケアレスミスは絶対に避け、しっかり得点源とすることが大切です。難問・奇問中心の試験とは異なりますが、基本・標準レベルの問題をいかに正確に解けるかが重要となり、油断はできません。
頻出分野としては、図形、速さ、特殊算などが挙げられます。
特に図形が多いという特徴があり、角度や面積など、図形の範囲から幅広く出題されます。過去問演習を徹底し、頻出分野は重点的な対策を進め、傾向に沿った実力を磨いていきましょう。
また、日頃の問題演習でも、似た傾向の問題に多く触れ、対策を進めることが大切です。
国語
算数と同様、試験時間は45分、配点は100点満点です。大問は5問で、漢字、知識問題、詩、読解問題(小説文・説明文・随筆文など)から出題されます。
読解問題の設問形式は選択肢問題、記述問題、書き抜き問題などで、比較的オーソドックスな問題構成となります。また、文章も比較的読みやすく、難問というわけではありません。
ただし、その分正確さが求められ、一問の失点が大きな差につながるおそれもあります。
速く正確に読解すること、そして各形式の設問をテキパキこなすことを常に心がけ、問題演習を重ねて実力を磨きましょう。
また、知識問題や詩が出題されることにも注意が必要です。知識問題は大問として設けられており、ある程度広い範囲から出題されます。
また、詩の問題も大問として出題されるため、しっかり対策して傾向に慣れておく必要があります。
さらに、試験時間が45分のため、時間的な余裕も少なくなります。過去問演習を徹底し、時間配分の感覚もきちんと養いましょう。
社会
試験時間は理科と合わせて50分、配点は50点満点となります。大問は5問出題され、地理・歴史・公民分野からまんべんなく出題されています。
設問形式としては選択肢問題のほか、適語記入問題や記述問題も多いので、各用語は漢字も含めて正確に覚えておく必要があります。誤字脱字などのケアレスミスは絶対に避け、しっかり得点源となるようにしましょう。
また、各大問のリード文が長いほか、資料も多く登場するため、与えられた情報を素早く読み取る力が求められます。
基本知識を幅広くおさえることは大前提ですが、読解力や情報処理能力など、実戦的な力も磨かなければなりません。問題演習や過去問演習を重ね、情報をテキパキ処理していく習慣をつけましょう。
さらに、試験時間は理科と合わせて50分のため、時間配分には特に注意が必要です。過去問演習を通じて時間配分の感覚をつかみ、理科とのバランスを考慮して解くようにしましょう。
理科
試験時間は社会と合わせて50分、配点は50点満点となっています。大問は5問で、4分野から幅広く出題されます。
設問形式は選択肢問題、適語記入問題、計算問題のほか、作図問題や記述問題も見られます。基本知識をまんべんなくおさえつつ、普段から問題演習を通じ、各形式の設問に慣れを作っておきましょう。
また、大問のリード文や資料の量も多いので、情報を素早く読み取る練習も必要です。
さらに、思考力が要求される問題も見られ、単なる知識だけでは対応できない出題構成になっています。難問・奇問というわけではありませんが、基本知識を応用する力、思考力、そして情報処理能力なども磨かなくてはなりません。
過去問演習や問題演習を重ね、常に本番を意識した対策を行い、実戦的な力を鍛えることを心がけましょう。
そして、社会と合わせて試験時間が50分となるので、時間配分にも注意しなければなりません。社会との兼ね合いを考え、スピーディーかつ正確に解き進める練習を重ねましょう。
過去問
受験生平均点の特徴
2023年度入試の受験生平均点は以下のようになります。
受験者平均点(4科目型)
合計平均点 | |
2/1入試 | 169.1点(300点満点) |
2/2入試 | 178.9点(300点満点) |
2/3合科型 | 107.8点(200点満点) |
2/3英語4技能型 | 118.8点(200点満点) |
4科目型は5割後半の平均点となりました。
共立女子中学校合格のために必要なこと
共立女子中学校の試験問題は、難問や奇問が出題される試験とは異なりますが、その分だけ正確さが求められます。
基本・標準レベルの問題をテキパキ解き進められるよう、日頃からスピードと正確さを意識しなくてはなりません。
また、各科目とも特徴が比較的はっきりしています。過去問演習を徹底して傾向をつかみ、科目ごとの特徴に沿って実力を磨くことが大切です。
例えば、算数は特に速く正確に解く力が求められ、日頃からの演習が重要になります。
また、国語は詩や知識問題も含めて対策を進めること、社会と理科は時間配分に特に注意し、情報処理能力などの実戦的な力を磨くことなど、それぞれの傾向に合わせて対策を進める必要があります。
このような点を踏まえ、本番を意識した勉強を重ね、実力を伸ばしていきましょう。