立教女学院中学校は、東京都杉並区にある私立の女子中高一貫校です。
今回は立教女学院中学校の受験予定者なら知っておきたい、学校の特色、受験情報、倍率、入試問題の傾向などをご紹介していきます。
目次
立教女学院中学校の特色
立教女学院中学校・高等学校ではキリスト教信仰に基づく女子教育のもと、「真の自由と豊かな人間性を求め続ける人格の育成」を目的に、「知的で品格のある凛とした女性」を目指す教育が行われています。
国際的な教養や人間性を重視する教育方針に特徴があり、毎日の礼拝や週1時間の聖書の授業、年10回程度の土曜集会なども行われます。
6年間の一貫教育においては、中学校で高校分野の先取り学習も行われるほか、高校からは各進路に沿った教育体制が導入され、ゼミ形式による少人数の授業なども見られます。
また、立教大学への推薦入学制度もあります。
立教女学院中学校・高等学校を設置する「学校法人立教女学院」は、立教大学を設置する「学校法人立教学院」とは別の法人となりますが、所定の要件を満たせば立教大学に推薦で入学することが可能です。
学校の沿革
1877年に立教女学校が設立され、1899年には私立立教女学校に、1908年には私立立教高等女学校に改称されました。
1947年、学制改革によって立教女学院が設立、小学校と中学校が併設されたのち、翌年1948年に高等学校が設立され、現在の立教女学院中学校・高等学校に至ります。
施設
主な施設は、礼拝堂、講堂、生徒ホール、理科室、音楽室、家庭科室、美術室、図書館、コンピュータ教室、グラウンド、テニスコート、総合体育館などがあり、各方面で充実した施設環境が整っています。
進学先
2023年の進路状況を見ると、2023年3月高等学校卒業生の65%が、推薦によって立教大学に進学しています。
一方、他大学への合格状況を見ると、早稲田大学13名、慶應義塾大学23名、上智大学13名など、難関大学を含む合格実績が見られます。
学校周辺の環境
立教女学院中学校・高等学校は、京王井の頭線の三鷹台駅から徒歩1分の場所に位置しています。
また、JR中央線の西荻窪駅から、立教女学院行きの関東バスで約10分でアクセスすることもできます。
三鷹台駅を通る京王井の頭線は、吉祥寺駅と渋谷駅を結ぶ路線となり、両駅を通じて多方面からスムーズにアクセスできます。
特に渋谷駅はJR線をはじめ多くの路線が乗り入れており、各方面からのアクセスに優れています。
また、三鷹台駅は吉祥寺駅の2つ隣で、吉祥寺駅から数分でアクセス可能です。
立教女学院中学校の受験情報
試験日
- 面接(保護者同伴):2024年1月27日(土)
- 2024年2月1日(木)
募集人数
約120名
試験科目と試験時間・配点
科目 | 試験時間 | 配点 |
国語 | 45分 | 90点 |
算数 | 45分 | 90点 |
社会 | 30分 | 60点 |
理科 | 30分 | 60点 |
立教女学院中学校の偏差値と倍率
偏差値
立教女学院中学校の偏差値(80偏差値)は60になります。
倍率
2023年度の入試結果を見ると、受験者数、合格者数、倍率は以下のようになります。
(倍率は受験者数と合格者数から算出)
受験者数 | 334名 |
合格者数 | 136名 |
倍率 | 約2.4倍 |
立教女学院中学校の入学後の学費
入学時納付金
入学金 | 250,000円 |
授業料 | 600,000円 |
教育充実費 | 156,000円 |
生徒費 | 54,000円 |
生徒会費 | 3,600円 |
旅行積立金 | 60,000円 |
藤の会入会費 | 10,000円 |
藤の会費 | 18,000円 |
同窓会費 | 6,000円 |
以上を全て合計すると115万7600円となります。
立教女学院中学校の入試問題と対策
算数
試験時間は45分、配点は90点となります。大問は4問で、大問1が計算・小問集合、大問2以降が応用問題で構成されています。
大問1の小問集合や計算問題の数が多く、45分の中で多くの問題をこなす必要があります。
常に時間配分に注意し、各分野の問題を速く正確に解き進めなくてはなりません。
特に計算問題は複雑なものが多く、四則計算、小数や分数など、ややこしい設問が目立ちます。日頃から複雑な計算問題に慣れておき、スピードと正確さを両方磨きましょう。
出題分野は幅広く、計算問題や特殊算のほか、図形、比、速さ、数の性質などから出題されています。
また、全体的に難易度のバラつきが見られ、後半に易しい問題が登場する場合もあります。
計算問題や小問集合は先に解いた方が良いですが、応用問題はできるものから解き進め、得点源をしっかり確保しましょう。
とにかくスピーディーかつ正確に解き進める練習が大切ですので、過去問演習のほか、日頃の問題演習でも常に時間を意識し、トレーニングを重ねることが重要です。
国語
算数と同じく、試験時間は45分、配点は90点満点です。大問は2問で、説明文・論説文または随筆文が1問、小説文・物語文が1問で構成されます。
読解問題の文章量が多いことが特徴で、45分の中でかなり速めに読まなくてはなりません。
長い文章を前にしてもひるまず、論理展開や心情・場面の変化を素早く冷静に把握する力が求められます。日頃から長めの読解問題を多く解き、まずは慣れを作りましょう。
また、設問形式は選択肢問題、書き抜き、記述問題など幅広く、各形式に合わせてスピーディーかつ正確に解き進める必要があります。
特に記述問題は字数制限がない問題も見られるので、きちんと充実した内容を記述しなくてはなりません。
過不足なくまとめる力はもちろんですが、表現力なども重視されるので、普段から長めの記述問題に多く触れ、記述力を養いましょう。
このように、文章量の多さに加え、ややこしい記述問題も見られるため、時間的な余裕は少なくなります。
過去問演習も徹底し、時間配分の感覚をしっかり身につけ、本番に備えましょう。
社会
試験時間は30分、配点は60点満点となっています。大問は3問で構成され、地理、歴史、公民分野(時事問題含む)からまんべんなく出題されます。
設問形式は選択肢問題、適語記入問題となり、記述問題の出題は見られません。
全体的に基本レベルの問題が中心ですが、細かい知識が問われる場合もあり、注意が必要です。
各分野の知識を幅広く正確におさえ、特に基本問題でのケアレスミスは絶対に避けるようにしましょう。
適語記入問題も多いので、誤字脱字をしないよう、用語は正確におさえることが重要です。
また、総合問題形式で3分野が横断的に出題される場合もあります。設問ごとに各分野の知識を正確に引き出せるよう、日頃から知識を横断的に整理し、実力を伸ばしていきましょう。
そのほか、地図や資料も多い傾向があるので、与えられた情報を素早く正確に読み取る力が必要です。
試験時間も30分で短いので、過去問演習を通じて時間配分の感覚を養い、テキパキ進める練習を重ねましょう。
理科
社会と同様、試験時間は30分、配点は60点満点です。大問は4問で、4分野から幅広く出題されています。
基本レベルの問題が中心ですが、各分野からまんべんなく出題されるため、苦手分野は徹底して減らすことが重要です。
まずは基本知識の精度を高め、どの分野が出題されてもしっかり対応できるようにしましょう。また、易しい問題が多い場合、その分高得点での勝負になります。
得点できるものはしっかり得点源とし、ケアレスミスは絶対に避けましょう。
設問は選択肢問題や計算問題など、比較的オーソドックスな形式となっています。
一方、問題文がやや長いので、情報を素早く把握する処理能力が求められます。
特に試験時間が30分で短いため、常に時間を意識して取り組まなくてはなりません。基本知識をおさえることは大前提ですが、過去問演習や問題演習も徹底し、速く正確に解き進めるよう、実戦的な力を鍛えることが大切です。
過去問
受験生平均点の特徴
2023年度の一般生入学試験の結果を見ると、合格者平均点・最低点は以下のようになります。
合格者平均点 |
189.9点 |
63.3% |
合格者最低点 |
176点 |
58.6% |
かなりの高得点勝負となり、合格者平均点は6割を超えているほか、合格ラインも6割弱で高めになっています。
立教女学院中学校合格のために必要なこと
立教女学院中学校の試験問題は、いずれも短時間でテキパキ進める力が重要視されます。
スピードと正確さが特に要求される試験ですので、なるべく早い段階から出題傾向に慣れ、常に時間を意識して解き進める習慣をつけましょう。
また、各科目とも傾向は比較的はっきりしているので、過去問を中心に似た傾向の問題を重点的に解き、対策を進めることが重要です。
例えば算数であれば複雑な計算に慣れること、国語は文章量の多さと記述問題に注意すること、社会と理科は基本知識を幅広くおさえたうえで、情報処理能力などの実戦的な力も鍛えることなど、各傾向に合わせて対策を行いましょう。
4科目とも、とにかく時間との勝負になるため、できる問題から速く正確に解くことを意識し、問題全体にきちんと目を通すことが重要です。
こうした点に注意し、傾向に沿った実力を伸ばしていきましょう。