東京農業大学第一高等学校中等部は、東京都世田谷区にある私立の中高一貫校です。
中学校だけでなく、高校からの募集も行われています。
ここでは、東京農業大学第一高等学校中等部の受験情報、入試問題や対策などをご紹介していきます。
目次
東京農業大学第一高等学校中等部の特色
東京農業大学第一高等学校・東京農業大学第一高等学校中等部では「質実剛健・自主独立」を校訓とし、「夢の創造と実現」という教育目標のもと、中等部・高等学校の一貫したカリキュラムが編成されています。
また、高校2年で文系・理系に分かれた後でも興味のある科目を学ぶことができる「一高一中ゼミ」など、特徴的な教育体制も多く見られます。
そのほか、幅広い実験や課題研究発表など、生徒が自発的に学ぶ環境も充実しています。
学校の沿革
1891年、東京農業大学の前身となる徳川育英黌に農業科が設立されました。
1911年には東京農業大学に改称され、1949年にはその伝統を受けて東京農業大学附属第一高等学校が設立されています。
1962年には東京農業大学第一高等学校に改称、2005年に中等部が開校され、現在に至ります。
進学先
2023年の国公立大学への合格実績は73名となっています。
国立私立の医学部医学科の現役合格は17名となります。
そのほか、早稲田大学52名、慶應義塾大学29名、上智大学21名、東京理科大学37名といった難関私立大学の合格実績も多く見られます。
学校周辺の環境
東京農業大学第一高等学校中等部へのアクセスは次の通りです。
- 小田急線の経堂駅から徒歩15分
- 東急世田谷線の上町駅から徒歩15分
バスでのアクセスも可能で、田園都市線の用賀駅から東急バス(祖師ヶ谷大蔵駅行き、渋谷駅行き)で「農大前」下車。
JR渋谷駅から東急バス(用賀駅行き、祖師ヶ谷大蔵駅行き、成城学園前駅西口行き)または小田急バス(調布駅南口行き)で「農大一高前」下車。
大井町線の等々力駅から東急バス(祖師ヶ谷大蔵駅行き)で「農大一高前」下車でアクセスできます。
小田急線やバスの活用により、都心をはじめ多方面からアクセスが可能となっています。
東京農業大学第一高等学校中等部の受験情報
試験日程
第1回:2月1日(木)
第2回:2月2日(金)
第3回:2月4日(日)
募集定員
第1回:90名
第2回:60名
第3回:25名
試験科目
第1回:算数・理科または算数・国語による2科目受験(算数は必須、国語と理科は出願時に選択)
第2回:算数・理科または算数・国語による2科目受験(算数は必須、国語と理科は出願時に選択)
第3回:国語・算数・社会・理科の4科目受験
試験時間・配点
第1回:算数が40分で100点満点、理科と国語はいずれも40分で100点満点、合計200点満点となります。(国語と理科は選択)
第2回:算数が50分で150点満点、理科と国語はいずれも40分で100点満点、合計250点満点となります。(国語と理科は選択)
第3回:国語・算数・社会・理科のいずれも各40分で各100点満点、合計400点満点となっています。
東京農業大学第一高等学校中等部の偏差値と倍率
偏差値
東京農業大学第一高等学校中等部の偏差値を80偏差値で見ると次の通りです。
男子 | 女子 | |
第1回 | 59 | 62 |
第2回 | 59 | 62 |
第3回 | 58 | 60 |
いずれも60前後の偏差値となり、各日程とも女子の偏差値の方が若干高くなっています。
倍率
受験者数 | 合格者数 | 倍率 | |
第1回(算理) | 373名 | 178名 | 2.1倍 |
第1回(算国) | 417名 | 180名 | 2.3倍 |
第2回(算理) | 253名 | 80名 | 3.1倍 |
第2回(算国) | 272名 | 70名 | 3.9倍 |
第3回 | 256名 | 34名 | 7.5倍 |
2023年度の倍率は第3回の倍率が最も高く、7倍を超えています。また、倍率が最も低い第1回(算理)の受験でも、2倍近くの倍率となっています。
東京農業大学第一高等学校中等部の入学後の学費
中等部の1年次の学費を見ると、入学金23万円、授業料43万2000円などを含め、合計92万4000円となっています。
また、生徒会費などの諸会費の合計は6万5000円となり、学費と諸会費を合わせると98万9000円となります。
東京農業大学第一高等学校中等部の入試問題と対策
以下、4科目受験と2科目受験のケースをもとに、算数・国語・社会・理科の問題傾向や対策をご紹介します。
算数
大問は5問程度出題され、大問1が計算問題、大問2が小問集合、大問3以降が応用問題となっています。
図形問題が比較的多いほか、速さ、場合の数なども頻出分野となっています。また、標準レベルの問題が中心ですが、試験時間が40分となることを考えると、時間的な余裕があるわけではありません。
設問数が比較的多いため、時間配分には十分注意しましょう。
過去問から出題傾向や頻出分野を把握したうえで、問題演習を重ね、時間配分の感覚を養っておくことが大切です。
国語
大問は3問で、漢字、説明文、小説文から出題されています。
一方、第1回と第3回で若干傾向が異なり、第1回では小説文が出題されず、漢字・知識問題と説明文で構成される場合もあります。
受験する日程の傾向をまず把握し、過去問をはじめとして似た傾向の問題を多く解き、実践力を鍛えておきましょう。
読解問題では、記号問題や書き抜き問題のほか、記述問題が出題されることもあります。
また、試験時間は40分で比較的短いので、本文を速く正確に読み、それぞれの設問形式に対応して解き進める力が求められます。
過去問の演習を重ね、時間配分の感覚も養っておきましょう。
社会
大問は3問出題され、地理・歴史・公民からまんべんなく出題されています。
資料や地形図などが問題に多く含まれる傾向があります。
また、問題のリード文がかなり長い場合もあり、注意が必要です。資料問題にはきちんと慣れておきましょう。
また、設問形式は選択肢問題や適語記入問題のほか、記述問題が出題されることもあります。
出題傾向を把握したうえで、各設問形式に対応できるようにしておきましょう。
理科
大問は4問程度出題されますが、グラフや表などの資料が多く使用されているほか、実験問題の出題もあります。
資料が多い問題は特に慣れが必要なので、似た傾向の問題には数多く触れておきましょう。
過去問をはじめとした問題演習を重ね、日頃から時間配分に注意しておきましょう。
過去問
東京農業大学第一高等学校中等部合格のために必要なこと
東京農業大学第一高等学校中等部の試験は、日程ごとに試験科目が大きく異なります。
各日程の試験科目、そして日程ごとの出題傾向など、過去問からしっかり分析しておきましょう。
4科目受験の場合、算数・国語・社会・理科全て試験時間と配点が同じになります。
そのため、各科目をまんべんなく対策する必要があります。また、試験時間40分という長さを考えると、決して時間的な余裕があるとは言えません。
各科目とも時間配分には十分に注意しましょう。
本番で焦らないためにも、40分で解き進める練習もしておきましょう。
こうした試験傾向のほか、倍率や合格最低点、平均点なども、受験日程を決める際に考慮する必要があります。
日程によっては倍率が大きく異なるので、事前にきちんとチェックしておくことが大切です。