学習院中等科を受験するなら知っておきたい偏差値や倍率、合格のために必要な事

学習院中等科の特色

学習院中等科・高等科は、東京都豊島区にある中高一貫校です。

皇族が通う学校としても名高い日本屈指の伝統校、学習院。140年以上の歴史があります。

このうち、学習院中等科・高等科は男子校で、学習院女子中等科・高等科とは校舎や入試が異なります。

学習院中等科では、学習院の三つの教育方針となる「ひろい視野」「たくましい創造力」「ゆたかな感受性」のもと、各科目の授業はもちろん、行事を利用した総合学習、芸術鑑賞会など、幅広い教育が展開されています。

また、都心にありながら、自然に囲まれた緑豊かな土地と充実した施設が魅力的です。悠々とした学生生活を送ることができるのも、学習院の魅力の1つでしょう。

学校の沿革

1847年、公家の学習所として京都に学習院が開講されました。

明治時代に入り、1877年、東京の神田錦町に私立の華族学校が創立、学習院の名称が定まり、この時が現在の学習院の創立とされています。

1947年には新制の中等科が、1948年には新制の高等科が発足、現在に至ります。

学校生活とカリキュラム

1学年は200名前後で、1クラス40名・5クラスの編成です。

英語と数学は約20名の少人数授業が行われ、私立の平均的な授業時間ながら、内容の濃い授業が行われています。

また、理科教育の時間数は私立の平均を大きく上回っているほか、体育の授業にも力を入れているなど、各科目で充実したカリキュラムが編成されています。

部活動

運動部、文化部、同好会に分かれ、さまざまな分野で多くのクラブ活動が行われています。

敷地や設備・施設が充実しているほか、社会人OB、専門の教員や大学生が指導を行うこともあります。

施設

温水プールのある体育館の他、武道場や野球場、6面のテニスコート、馬場などもあります。グラウンドも2つあります。

学内施設もマルチメディア教室やコンピュータ教室、蔵書数9万を誇る図書室など、とても充実しています。

理科室も分野ごと分かれているため、4つあります。

各校舎・各教室をはじめ、体育館、グランド、中高武道場、野球場、テニスコート、ゴルフ練習場、洋弓場、馬場など、幅広い施設環境が整っています。

進学先

中等科卒業生の約95%が推薦で学習院高等科へと進学します。

学習院高等科の2022年3月の進学実績を見ると、115名が学習院大学へ推薦で進学しました。

また、早稲田大学14名、慶應義塾大学11名、上智大学7名など、難関大学をはじめ外部大学への進学実績も見られます。

学校周辺の環境

  • JR山手線目白駅から徒歩約30秒
  • 東京メトロ副都心線雑司が谷駅から徒歩約7分

学習院大学に隣接しており、都心でありながら緑豊かで落ち着いた環境です。

学習院中等科の受験情報

試験日

  • 第1回:2024年2月2日(金)
  • 第2回:2024年2月3日(土)

募集人数

  • 第1回:約75名
  • 第2回:約50名

試験科目

  • 国語:50分(100点)
  • 算数:50分(100点)
  • 社会:40分(80点)
  • 理科:40分(80点)

学習院中等科の偏差値と倍率

偏差値

学習院中等科の偏差値を80偏差値で見ると次の通りです。

第1回 55
第2回 56

倍率

2022年度の実質倍率は次の通りです。

第1回 第2回
受験者数 387名 289名
合格者数 137名 62名
実質倍率 2.8倍 4.7倍

学習院中等科の入学後の学費

入学手続きおよび初年度授業に必要な費用は次の通りです。

入学金 300,000円
維持費 282,000円
年間授業料 698,000円
諸会費 12,300円
積立金等 140,000円
初年度納入金合計 1,432,300円

上記のほか、制服代、行事費などが必要となります。

学習院中等科の入試問題と対策

算数

試験時間は50分、配点は100点満点です。大問は5〜6問で、大問1が計算問題、大問2が小問集合、大問3以降が応用問題となっています。

計算問題・簡単な求積問題では解答だけを記入し、それ以外の文章問題は途中式・説明を記入する形式となります。

そのため、日頃から書き方の練習を重ね、途中式・考え方が採点者に伝わるよう、しっかり特訓をしておくことが重要です。

このような記述式の問題は、仮に解答を間違えたとしても、途中式・考え方が合っていれば、部分点で点数を稼ぐことができます。空欄にせず、途中式や考え方は必ず書くようにしてください。

頻出分野としては、図形、速さ、グラフ、数の性質などをはじめ、幅広く出題されています。

過去問演習などで頻出分野を重点的に対策し、各分野の実力を磨いておきましょう。

国語

算数と同じく、試験時間は50分、配点は100点満点となります。大問は2〜3問で、漢字、文学的文章、説明的文章から出題されています。

読解問題の文章は児童向けのものだけでなく、新聞や雑誌、単行本など、一般向けの文章から出題されることもあり、難易度が高い文章も見られます。

日頃から読解問題に多く触れ、論理展開や心情・場面の変化を正確に読解できるよう、トレーニングしておきましょう。

設問形式は、記述問題、書き抜き問題、選択肢問題など幅広く出題されます。いずれの設問にも対応できるよう、問題演習を重ねて実力をアップすることが重要です。

試験時間にそこまで余裕があるわけではないので、様々な形式の設問を一つ一つスピーディーかつ正確に進める力が求められます。

社会

試験時間は40分、配点は80点満点となっています。大問は3問で、地理・歴史・公民分野からほぼ均等に出題されています。

設問形式としては、適語記入問題、選択肢問題などのほか、記述問題の出題もあります。

基礎的な知識を問う問題が中心ですが、適語記入問題などが多いため、漢字ミスには注意しなくてはなりません。漢字で答えるべき用語を正確におさえ、ケアレスミスは避けるようにしましょう。

また、地理の地図・統計の読み取りをはじめ、与えられた情報を正しく把握する力も求められます。

基礎知識の習得に加え、問題演習を重ね、問題に含まれる情報を速く正確に読み取る練習をしておきましょう。試験時間も40分で少ないため、テキパキ解き進めることが大切です。

理科

社会同様、試験時間は40分、配点は80点満点です。大問は5問で、4分野からまんべんなく出題されます。

設問形式は、選択肢問題、適語記入問題のほか、記述問題や計算問題などの出題も見られます。試験時間も40分で短いので、各形式の設問を速く正確に解く練習を重ねておきましょう。

また、思考力・応用力が問われる問題も目立ちます。各分野の基礎知識をまず固めたうえで、問題演習などを重ねて様々な問題に触れ、実力を鍛えていきましょう。

特に実験や観察、観測に関する問題も多いので、手順・結果を理解しておくことはもちろん、実験結果やデータ・グラフなどを正確に読み取る練習も必要です。

そのほか、話題になった自然科学分野に関する問題も出題されるので、普段から自然科学のニュースなど、関心を持ってチェックしておきましょう。

過去問

学習院中等科合格のために必要なこと

学習院中等科の試験問題は、いずれの科目も特徴が比較的わかりやすく、公式ホームページに出題傾向も掲載されています。

まず傾向を把握し、過去問演習をはじめ問題演習を通じ、傾向に沿った実力を身につけていきましょう。

全体として、そこまで難易度が高いわけではありませんが、その分、高得点での勝負になるでしょう。得点源となるものは必ず正答し、ケアレスミスは絶対に避けることが重要です。

計算ミスはないか、用語の誤字脱字はないか、など、日頃から注意深く解くことを意識しましょう。

もちろんスピードも重要ですので、各科目とも速く正確に、テキパキ解くことも心がけてください。

こうした点に注意し、単なる暗記にならず、傾向に合わせた実戦力を鍛えていくことが大切です。