東洋英和女学院中学の偏差値や倍率、合格のためにすべきこと

東洋英和女学院中学の特色

東洋英和女学院中等部は東京都港区六本木にあり、高等部もある中高一貫校です。

名門女子校として知名度も高く、多くの著名人を輩出してきました。

キリスト教の精神のもと、「敬神奉仕」が標語として掲げられ、「心と知性を養い、自分の将来の夢を実現し、他者のために自分を生かす女性を育てること」を教育目標としています。

キリスト教教育として毎朝の礼拝や、毎週1時間の聖書の授業があるほか、充実した中高一貫教育、国際的なコミュニケーションを見据えた英語教育、留学制度や海外研修など、幅広い教育に特徴があります。

また、例年、国公立大学や早慶上智、GMARCHなどの難関校に多数の合格者を出している進学校でもあります。

東洋英和女学院大学への院内推薦もありますが、難関大学をはじめ外部大学に進学する生徒が多く見られます。

学校の沿革

1884年にカナダ・メソジスト教会から派遣された宣教師マーサ・J・カートメルによって、麻布に東洋英和女学校が設立されました。

1947年、新学制によって幼稚園、小学校、中学部、高等部と名称変更されています。

130年以上の歴史がある伝統校で、2014年には創立130周年記念式典も行われています。

学校生活とカリキュラム

生徒数は付属の小学部からの内進生を含み各学年190名前後で、5クラスに分かれます。Ⅰ学期(4月~9月)、Ⅱ学期(10月~3月)の2学期制で、週5日制となります。また、登校時刻は8時と比較的早めです。

英語と数学は少人数クラス制で、習熟度別のクラス編成など、よりきめ細かい指導が受けられます。特に高等部の英語・英会話はディベート・英作文なども含め、語学力修得のための本格的な授業が行われています。

また、高等部では、高校2年生から進路別学習となります。選択科目制を多く取り入れたカリキュラムのもと、理系、文系、芸術系など、様々な進路に対応しています。

行事と部活動

キリスト教精神のもと、ボランティアによる奉仕活動も積極的に行われています。

クラブ活動は全員参加が原則となり、スポーツ系、ステージ系、文化系など、約30ものクラブがあります。ダンス部、ハンドベル部、茶道部など、人気のクラブが多数見られます。

また、課外教室も幅広く、礼拝やクリスマス音楽会などで演奏するオルガン科や器楽科、約120年の歴史を持つピアノ科なども、東洋英和ならではです。

そのほか、夏休みには野尻キャンプと呼ばれる校外学習があります。中学3年生から高校3年生までの参加者が自然の中で協力し合い、他者への感謝や仲間との絆を強める、東洋英和の伝統行事となっています。

施設

大講堂、メモリアルチャペル、図書室、コンピュータ教室、グランド、体育館をはじめ、充実した施設環境が整っています。

また、校外施設として、長野県の軽井沢追分寮、野尻キャンプサイトがあります。

進学先

2023年度の進学実績を見ると、国公立大学に現役で13名が合格しています。また、難関私立大学の現役の合格実績も豊富で、慶應義塾大学24名、上智大学20名、早稲田大学24名などとなっています。

学校周辺の環境

  • 東京メトロ南北線・都営大江戸線の麻布十番駅から徒歩5分
  • 東京メトロ日比谷線・都営大江戸線の六本木駅から徒歩7分

学校周辺へのアクセスは良く、都心でありながら閑静な一帯にあります。

東洋英和女学院中学部の受験情報

試験日

  • A日程:2024年2月1日(木)
  • B日程:2024年2月3日(土)

募集人数

  • A日程:約80名
  • B日程:約30名

試験科目と配点

科目 試験時間 配点
国語 8:20〜9:05(45分) 100点
算数 9:25〜10:10(45分) 100点
社会 10:30〜11:00(30分) 60点
理科 11:05〜11:35(30分) 60点

筆記試験の後に、受験生のみの個人面接試験(約10分)が行われます。

東洋英和女学院中学部の偏差値と倍率

偏差値

東洋英和女学院中学部の偏差値は80偏差値で見ると次の通りです。

A日程 61
B日程 64

倍率

2023年度の実質倍率は次の通りです。

A日程 B日程
募集人数 80名 30名
受験者 224名 261名
合格者 97名 57名
実質倍率 2.3倍 4.6倍

東洋英和女学院中学部の入学後の学費

入学手続きおよび初年度授業に必要な費用は次の通りです。

入学金 300,000円
授業料 510,000円
教育充実費 130,000円
施設設備資金 250,000円

教材費や預り金などを含めると、初年度納入金は合計で約1,490,000円になります。

また、その他に任意の寄付金があるほか、高校進学時には別途入学金が330,000円発生します。

東洋英和女学院中学部の入試問題と対策

算数

試験時間は45分、配点は100点満点です。大問は10問で構成され、このうち大問1は計算問題、大問2は応用小問となっています。

図形や速さをはじめ幅広い分野から出題されており、後半には難題も見られます。まず前半の基本・標準レベルの問題では失点を避け、きちんと得点源になるようにしましょう。

そのうえで、難題にいかに対応するかがカギとなります。よく出題される図形などの問題については、特に頻出傾向を把握して問題演習を重ね、特訓しておきましょう。

また、解答用紙に解答を記入する形式ではなく、問題用紙に直接考え方・解答を記入する形式となっています。まずこの解答方法に慣れる必要があるので、過去問演習はなるべく早めから行いましょう。

式や考え方がきちんと採点者に伝わるよう、過不足なく記述する力が求められます。試験時間にも注意しつつ、速く正確に記述していきましょう。

国語

算数と同様、試験時間は45分、配点は100点満点となります。大問は1〜2問程度で読解問題から出題され、漢字もその中に含まれています。

比較的長めの読解問題が1題か2題という傾向のため、まず長い読解問題にきちんと慣れておかなければなりません。文章量が多くても焦ることなく、論理展開や心情・場面の変化を冷静にたどっていく読解力が求められます。

設問形式は選択肢問題、書き抜き問題、記述問題など多岐にわたり、特に記述問題は字数制限がない問題もあります。

自分の言葉で説明する問題、自分の意見を論述する問題などもありますので、日頃から記述問題に多く触れ、自分の言葉でまとめる訓練をしておきましょう。

また、文章量が多く記述問題も多いことを踏まえると、時間的な余裕があるとは言えません。

過去問演習を重ね、時間配分の感覚もしっかりつかんでおいてください。

社会

試験時間は30分、配点は60点満点となっています。大問は3問で、地理、歴史、公民分野(時事問題含む)から例年バランスよく出題される傾向です。

また、複数の分野が融合した総合問題形式で出題されることもあります。

設問形式は適語記入問題や記述問題が多く、選択肢問題は比較的少なくなっています。記述問題は短文が中心ですが、中には難易度の高いものもあり、決して油断はできません。

試験時間も30分と短く、時間的な余裕は少ないため、適語記入や記述をいかに速く正確に解くかがカギとなります。

過去問演習を徹底し、時間に注意しつつ素早く正確に解き進める力を養っておきましょう。

理科

社会と同じく、試験時間30分で配点は60点満点です。大問は4問で4分野からまんべんなく出題され、比較的オーソドックスな出題形式となっています。問題の難易度もそれほど高くなく、基本・標準レベルの問題が並んでいます。

ただし、社会同様に試験時間が短いため、油断はできません。また、基本・標準レベルの問題が多い以上、高得点勝負になる可能性もあります。とにかく基本知識を正確にし、ケアレスミスは絶対に避け、得点できる問題は必ず正答できるようにしましょう。

過去問演習などを通じ、速く正確に解き進める力を鍛えておく必要があります。

また、選択肢問題や計算問題のほか、記述問題の出題も見られます。試験時間に注意しつつ、幅広い出題形式に対応できるよう、日頃から実力を磨いておきましょう。

過去問

東洋英和女学院中学部合格のためにすべきこと

東洋英和女学院中学部の試験問題は、各科目の特徴が比較的はっきりしています。

例えば、算数は問題用紙に考え方・解答を記入する方式に慣れておくこと、国語は長めの文章と様々な記述問題に慣れておくこと、社会は特に記述問題に注意し、理科は基本知識を正確にしてケアレスミスを避けることなど、それぞれの特徴に沿って対策を立てやすくなっています。

ただし、対策がわかりやすいからといって油断はできません。全体として時間的な余裕が少ないので、時間内にきちんと得点していけるかがカギです。

特に算数・国語・社会の記述形式の問題には注意が必要で、時間内に速く正確に記述していく力を鍛えておかなければなりません。また、特に理科は高得点勝負になる可能性もあるので、基本のとりこぼしは絶対に避けたいところです。

4科目とも基本を正確におさえたうえで、各科目の傾向に沿った対策を進め、実力をアップしていきましょう。

そのためにも、知識の暗記だけにならず、傾向に合わせて掘り下げた学習を進め、各科目の理解を深めておくことが大切です。