聞きなれない言葉、「オルタナティブ教育」というのをご存知でしょうか?英語でalternative、和訳は「二者択一の」や「もう一つの」といった日本語が当てられます。
国が定めた既存の公教育に対しての「もう一つの」教育ということです。学校の枠に捉われずに育ってほしい、のびのびと自由に育てたいと思われる親御さんたちに選ばれています。
もともとはアメリカやヨーロッパから入ってきた考え方ですが、日本でも幾つものオルタナティブ・スクールが存在しています。chi-viでも取り上げている「モンテッソーリ教育」もその一つなのですよ。
日本では「フリースクール」という言い方をすることもあります。
目次
オルタナティブ・スクールとは
オルタナティブ・スクールの背景
もともとは、20世紀初頭に、これまでの画一的で詰め込み型の教育以外を選択しようという運動が起こったことが始まりです。
「みんな一緒」よりも「個性を大事に」することが大切だと考えた人たちが独自で学校を作ったり、独自の教育法を実践したりします。
それが、モンテッソーリやシュタイナーやフレネと言った人たち。サドベリーバレーやダルトン・プラン、イエナ・プランなんかもあります。教育に敏感なお母さんはどこかで耳にしたことがあるかもしれませんね。
オルタナティブ・スクールってどんな学校?
日本でも各地にいろいろな学校がありますが、どれも共通して言えるのは、先生は教える人ではなくて支援する人だということ。
日本の学校では、決められた授業の時間にみんなきっちり椅子に座り、前に立っている先生の話を聞きますが、オルタナティブ・スクールではそう言った概念はありません。
自分で調べたり、話し合ったり、作ったり…学習をする主体はあくまで本人で、先生はそっとリードしつつも、迷った時や困った時にサポートする存在です。
オルタナティブ・スクールの学習内容
オルタナティヴ・スクールにも、一般的な学校のように文字や数の学習はもちろんありますが、料理や工作、小屋を自分たちの手で作ったり、本格的に農業をするところもあります。
そんな中で、先生は上手にカリキュラムを組んで、小屋作りの中にも算数的要素を入れたりしているのですよ。
すごいところは、自分の興味や関心に沿って子どもたち自身が深めていくので、とんでもなく自由な発想、レベルの高いものが出来上がるということ。
中には特殊な才能を伸ばして成果をあげる子もいます。これは時間や教科がみっちり決められている通常の学校ならばなかなか叶わないことですよね。
オルタナティブ・スクールのメリット
個性を大事に、のびのび育つ
基本的にどのオルタナティブ・スクールも個性を大事にしているので、周りの意見を受け入れる環境が整っています。
マイペースな子、独特の意見をする子でもみんな大切な意見として扱われます。
少人数
一般的な小学校が1クラス30人を超すところもあるのに対して、非常に少人数で、そう言った意味で密度の濃い教育を受けることができます。
少人数かつ異年齢のところが多いので、子どもたち同士にとっても、刺激的で楽しそうです。
自分の力で表現する力がつく
日本人は概して自分の意見をオブラートに包んだり、言わなかったりしがちです。
オルタナティブ・スクールでは、話し合いや自分の意見や成果を発表する場が多くあります。
そのため、子どもたちは自然と自分なりの表現ができるように。言葉、絵、写真、劇…発表の場での表現方法はそれぞれ。
まだ小さい低学年の子であっても、学校のルールを作る話し合いで意見をしっかり述べる姿が見られますよ。
オルタナティブ・スクールのデメリット
「学校」ではないことが多い
実は「学校」というのは、学校教育法第1条で定められた学校だけが名乗ることのできるもの。
学習指導要領という学習内容のガイドブックのようなものに沿っています。その意味で、自由な学びのオルタナティブ・スクールはまだまだ学校として認可されているところは少ないのが現状。
通っている子たちは、家の校区の学校に籍を置きつつ、オルタナティブ・スクールに通うことになります。
学費の負担
公立学校ではないので、私立や習い事のように学費は自分で負担しなければなりません。
最近は国から助成が増えつつあるとはいえ、オプションの教育費であることは間違いありません。
上級学校進学のギャップ
せっかく良い教育に出会えたと思っても、そのオルタナティブ・スクールが小学校しか持っていないというのはよくあること。
そうなると、公立中学・私立中学のどこかに通うことになるのですが、ユニークな教育なだけに、一般校とのギャップに最初は戸惑ってしまうこともあります。
オルタナティブ・スクールはこれからポピュラーになる可能性大!
これまではあまり知られてこなかったオルタナティブ・スクール。
一般の学校とは違うところに行くという選択すらあまりなかったですよね。でもこれからは変わってくることが予想されます。
オルタナティブ・スクールに対する政府援助が進んでいる!
フリースクールに対する政府の援助が急ピッチで進められています。
フリースクールやオルタナティブ・スクールへの通学が一般の学校と変わらないようにするための法律面での整備も進んでいます。
「フリースクールに理解を」 文科省が基本指針
文部科学省は、教育委員会や学校に、フリースクールなど民間教育施設に通う不登校児童生徒の状況を把握して、施設の取り組みへの理解を深めるよう連携を求める基本指針を策定し、4日、公表した。昨年12月に成立した教育機会確保法に基づくもので、不登校児童生徒の支援策を検討していた文科省有識者会議の最終報告の内容を盛り込んだ。
パパママの教育熱の高まり
子どもの数が減った分、一人ひとりにかける熱量は大きくなりました。
芸能人でも我が子の教育に熱心な人は、子どもをわざわざインターナショナルスクールや海外の学校で学ばせることもありますよね。
そんな風に「ぜひ我が子にも良い教育環境を」と、オルタナティブ・スクールを選択肢の一つとして挙げるようになるパパママも増えてくるでしょう。
またこういったことが選べる背景には、やはり大人側の状況も変わりつつあることもいえます。
大人の働きかたもどんどん多種多様になってきています。人と同じということがそんなに求められる時代ではなくなってきました。
その選択の余地が子どもの教育にも広がってくるはずです。
[…] 一方で、学歴や経歴に縛られずに生きることも可能ではあります。近年は、フリースクールやオルタナティブスクールの発展も目覚しいですし、職業選択にしても、これまで考えられなかったようなクリエイティブな職業が、次々と出てきています。米デューク大学の研究者はこのように語っているほどです。「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」 […]
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