これからの時代、大切なのは“EQ”と言われています。
しかし“IQ”は知っているけど、“EQ”という言葉を聞いたことがない方、耳慣れない方も多いのではないでしょうか。
今後、子育てをしていく中で“EQ”はとても大切なワードの一つになってきます。
ここでは、“EQ”についての正しい知識と育て方を考えていきましょう。
目次
EQ=心の知能指数
EQを知ろう
これから大切なのは“EQ”と言われても、まだまだピンと来ない方も多いかもしれません。
“EQ”とは、Emotional Intelligence Quotientの略で、心の知能指数を数値化したものです。
“EQ”に対し、よく知られている“IQ”というのはIntelligence Quotientの略で、知能の発達レベルを数値化したものです。
IQ100を中央値とし、130以上になると大変優秀だと言われています。
“IQ”は頭の良さを示す数値であるのに対し、“EQ”は問題解決能力や適応力、感情コントロール能力などの知能を数値化したもので、今後社会のリーダーとなっていくためには必要なものと考えられています。
ちなみに、“SQ(Social Intelligence Quotient)=社会的な知能指数”や“HQ(Humanity Quotient)=人間性知性”などもあります。
EQが高いことのメリット
今までは“IQ”つまり、学力の高さこそが人生を豊かに送るために必要であると考えられてきました。
しかし人生を豊かに過ごしていくためには、“EQ”や先ほど少し説明した“SQ”“、”HQ”の能力も大切であると考えられてきています。
実際、文部科学省の学習指導要領(教育課程の基準)には、「生きる力」という表現で、2020年から順次新しい学習指導要領での学びがスタートすることになっています。
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EQが高い人の特徴
では、“EQ”が高い人の特徴と“EQ”が高いことでどのようなメリットが生まれるのか見ていきましょう。
対人関係が良好
EQが高い人は自己コントロール能力が高く、ものごとの捉え方も非常に前向きな人です。
そのため、周囲からも非常に好感を持たれやすくなります。
コミュニケーション能力も高いため、自分の意見を正しく、きちんと伝えられることはもちろん、他者の意見にも素直に耳を傾けることができ、良好な関係を築くことができます。
思いやりの心を持っている
多くの場合、人は周りの人間と関係を持って生きていきます。
周りの人と付き合っていく中で、気を配ったり、相手の気持ちを考えたりといった思いやりの心を持つことで、良好な関係を気づくことができるでしょう。
そうした良好な人間関係は、自分が何か困ったときなどに、必ず助けてくれる存在となるでしょう。
我慢強い、精神面が強い
生きていればいいことばかりではありません。どこかで必ず失敗や挫折などに遭遇します。
そうしたときにくよくよと悩むのではなく、最後までやり抜く力があり、我慢をすることができると、よい結果が得られるかもしれません。
精神面が強いと、ストレスに対する耐性も強くなり、人生をプラスにすることもできるでしょう。
情緒が安定している
人間であれば誰でも嬉しい時には嬉しく、悲しい時には悲しくなるのは当たり前のことです。
嬉しいや悲しい、怒りや楽しみなどの感情があるからこそ、私たちは人間らしく生きていけるのです。
ただし、自分のことだけでいっぱいになってしまい、常にイライラしてみたり、ソワソワしていたりという姿ばかりを見てしまうと、その人には近づきにくくなるのが人間の心理です。
いつも冷静で感情に振り回されないことは、人間関係が上手くいくためにも必要なことです。
感情をコントロールすることができることは、人生を生きやすくしてくれます。
EQが高い子に育てるために親ができること
大切なのはやはり「幼少期」になります。
脳が急激に発達する6歳ぐらいまでにしっかりとした土台作りが必要になります。
では、具体的にどのようにしたら“EQ”は育つのでしょうか。
スキンシップを取ろう
心が安定していると、脳の働きがよくなると言われています。
子どもは些細なことにも不安を感じたり、何かに恐怖を感じたりすることが多くあります。
そうした不安や恐怖を和らげるためには、スキンシップを図り、愛情を感じさせることが大切になります。
子どもの話にしっかりと耳を傾け、子どもに向き合ってあげると人を信頼することができるようになり、よい人間関係を築くことができるでしょう。
また、親に愛情が注がれてきた子どもは自己肯定感が強くなると言われています。自分に自信が持てると、困難に直面しても乗り越えていくことができるようになります。
絵本の読み聞かせ
絵本の読み聞かせは多くの家庭でされていることかと思いますが、EQを育むためにも大切であると考えられています。
絵本の中に描かれる世界を想像し、登場人物の気持ちを考えることは、実社会の疑似体験となるでしょう。
EQだけでなく言葉の語彙力も磨かれるため、言葉が豊かになり、IQを伸ばすことにも繋がります。
親子で会話をする、日記をつける
EQを高めるためには、自分と向き合うことが必要になります。
しかし、なかなか日常生活で客観的に自分と向き合う機会はありません。
ですので、自分と向き合う癖付けに日記を付けるのが効果的です。
楽しかったことや嬉しかったことはもちろん、悲しかったことや嫌だったこともすべて書き出します。
その時に大切になるのは、「なぜそう思ったか」ということを明確にすることです。
具体的に表現することで、自分自身の感情としっかりと向き合うことができるではずです。
まだ日記が書けない年齢の子なら、親子でしっかり会話する時間を取りましょう。
日記と同じで、具体的に考えていくことが大切です。
ただし、まだ年齢によっては上手く自分の気持ちを表現できないこともあるかと思いますので、できるところまででかまいません。
上手く話せないからと親がイライラしては、逆効果です。
子どものうちにEQを高めておくことが大切
現代は「頭が良い=学力が高い」だけでは、社会に出てから活躍することはできません。
社会に出れば困難に直面することや、人間関係に悩むことも多くなります。
ネガティブな感情に押しつぶされてしまわぬよう、感情をコントロールしていかにポジティブに持っていけるかが大切になります。
その切り替えのために、自分のことをきちんと理解し、相談できる人間関係を築くこと、人の意見も素直に聞き入れることなどが大切になります。
もちろん大人になってからEQを伸ばすことができないわけではありません。
しかし、大人になってから自分を変えるのは大変な労力です。
子どものうちからコツコツとEQを高めていけると、より良い人生を歩むことができるでしょう。