世の中にはいわゆる「頭がいい子」と言われる子どもはたくさんいます。
しかし「頭がいい子」とは、実際どんな子どものことを指すのでしょうか。
勉強ができれば「頭がいい」?偏差値が高ければ「頭がいい」?
筆者自身、教員としてたくさんの子どもたちと触れ合ってきました。そして様々なタイプの「頭のいい子」と関わってきました。
「知識」だけの頭の良さではなく、本当の頭の良さとは何か、子どもが「頭のよい子」になるために必要なことも合わせて考えていきます。
「頭のいい子」になる方法、家庭で出来る「頭のいい子」の育て方などもご紹介していきます。
目次
お子さんにもあてはまっているかも!?「頭のいい子」の特徴
お子さんをお持ちの方なら必ず「あの子は頭がいいな」と思い浮かぶ子がいるのではないでしょうか。
それはどんなお子さんですか?
もしかしたら子どもが「○○ちゃんは算数でいつも100点なんだよ」とか、「○○君はテストの校内順位でいつも1番ですごいよね」などということを聞いている子かもしれません。
また子どもたちが遊んでいる姿をみて、その行動から自然と頭の良さを感じているのかもしれません。
今までの教員生活で「勉強ができる子」「頭の回転が速い子」「空気が読める子」「誰とでも上手く付き合える子」「想像力のある子」たくさんの頭の良さを見てきました。
そのような中で「頭がいい」と感じる子には次のような特徴があるように感じます。
優先順位がわかっている
今は何をすべきか、次は何をすべきか、ということが順序良く頭の中で整理されている子は「頭がいいな」と感じます。
まずは優先度や緊急性が高いものを片づけ、その後で落ち着いてやらなければいけないことをやる。
「整理する」ことは簡単なようで大人でも難しいときがあります。
あっちもこっちもと手を付ければ成果にはつながりにくくなります。
きちんとまわりが見えているからこそ順位立てて行動することができるのでしょう。
そういった子は、一つひとつクリアしていくことで成果が現れ、「この子はできる」という様に見えてきます。
同じ失敗を繰り返さない
「さるも木から落ちる」という言葉は有名ですね。
どんな名人であっても失敗してしまうことはあります。
しかし「頭のいい子」は同じような失敗やミスはしません。
それは、「なぜ失敗してしまったのか」という原因をしっかり究明し、同じ失敗を繰り返さない改善策をきちんと導き出すことができるからです。
論理的思考力を持っている
「なんで?」と聞くとかならず「頭のいい子」は「それはね、」と筋道を立てて説明することができます。
思いつきで発言するのではなく、順序立てることができるのは頭の回転が速く、自分で推察・考察できている証拠です。
好奇心が旺盛
逆に何にでも興味を持ち、「なんで?」と質問してくる子も頭がいいな、と感じます。
何にでも関心があり、当たり前のことを当たり前と思わない、その姿勢はその先その子を大きく成長させてくれるのだろうな、と嬉しくなってしまいます。
例えば「なんで空は青いの?」と聞かれてドキッとしませんか。
空は青いから青い、そう素直に受け入れてしまっている人が多いとは思いますが、それを疑問に思えるのは一種の才能ではないでしょうか。
知識が豊富
「頭がいい子」は学校で学ぶ知識はもちろん、勉強以外の知識も備えている子が多いです。
たくさんの事を知っているから話していても楽しい。楽しいから会話がつきない。だから相手にとっても魅力的な人に映り、慕われる。
慕われると人間関係も良好になり、いろいろなことがスムーズに進み、「できる人=頭がいい」という式が出来上がります。
すぐに実践できる!「頭のいい子」になる3つの行動
本を読む
最近、「活字離れ」という言葉を耳にします。
本を読まない小・中・高校生が多いようです。たしかに本以外にも現代は楽しいものがたくさんあります。
携帯電話、ポータブルゲーム機など魅力的なものが多いので、読書をして知識を得たり想像したりという機会は減ってしまうのかもしれません。
しかし、本を読むことは知識量が増えるだけでなく、相手の気持ちを考えたり、想像したりする力を付けてくれます。
相手の気持ちを汲むことができるというのは、人として魅力的です。
遊びの中で経験・体験をたくさんしよう
ひとつのことにとらわれず、たくさんの経験をすることは大切です。
「頭のいい子」はとにかく頭の回転が速いのが特徴です。
遊びの中で想像力や瞬発力、集中力、想像力などたくさんの力を付けると、何事にもすばやく対応できる「頭のいい子」になるでしょう。
たくさんの人に出会う
人はひとそれぞれ様々な感情や事情を抱えて生きています。
その人の表情や動き、空気を見て対応を変えることができるようになることも「頭のいい子」になるためには必要な力です。
気遣いができる人は人に好かれ、自然と人の上に立つ存在になっていくでしょう。
家で出来る「頭のいい子」に育てる方法
親としてはやっぱり子どもには「頭のいい子」に育って欲しいと願うものです。
どのような「頭の良さ」を持たせたいか、というのは各家庭違ってくるとは思いますが、次の事はぜひ取り入れてみてください。
本を読む環境を整える
まずは、本を読む環境を整えてあげましょう。できれば本の種類は偏らないほうがよいでしょう。
絵本や小説、図鑑、伝記、哲学書、様々な知識を持つことは魅力的な人をつくり、「頭が良い」と思われる土台をつくることができます。
自分で読むことができるようになるまでは、少しでもいいので読み聞かせの時間をとって本を読む習慣を身に付けましょう。
本物を体験する
本を使って知識を身に付けることは大切ですが、時には本物に触れる機会をつくってあげてください。
五感で感じた思いは、心に刻まれよい刺激となるでしょう。
また経験の分だけ様々なアイディアの引き出しを持つことができるでしょう。
安心できる場所づくり
子どもが小さくて聞いてないだろう、と思っても子どもはしっかり聞いています。
「うちの子はできない」と発言すれば心は傷つきます。
日本人は謙虚なのでどうしてもこのような言葉を発してしまいがちですが、子どもは素直に「自分はだめなんだ」と思ってしまいます。
そうならないように発言には十分気を付けるのと同時に、出来たことに対してはしっかり褒めてあげましょう。
本当に「頭のいい子」の育て方とは
はせがわわかさんの著書「頭のいい子にする最高の育て方」の冒頭に「本当に大事なのは、どんな環境でも適応し、誰とでも仲良く付き合い、困った人がいたら率先して助け、多少の困難も乗り越える力をつけることではないでしょうか。」と記されています。
現代日本ではこれまでの「頭のいい子」と少し定義が変わってきています。
最初から「頭のいい子」はいません。
子どもに幸せな人生を歩んでもらうためにも園や学校に任せるだけでなく、家庭での過ごし方や接し方にも気を付ていきたいですね。