勉強ができない子と勉強ができる子は何が違うのでしょうか?
塾講師の経験から言えることは、勉強ができる子とできない子には、「ある3つの点で違いが見られる」という事です。
それぞれに分け、
- 勉強ができない子は勉強ができる子と何か違うのか、
- 勉強ができるようになるにはどうすれば良いか、
についてご紹介します。
⒈興味
1つの目の違いは「興味」です。
勉強ができる子は、一般的には勉強に対する興味が強いです。
勉強ができる子は「なぜ?」と考える
興味があるそぶりを見せない子もいますが、勉強ができる以上は、勉強に対して興味はあります。
例えば、何か問題が解けなかったり、わからなかった部分があると、勉強に興味がある子は「なぜ?」と考えます。
この「なぜ?」という感覚は非常に重要で、勉強ができる子は自然に身についている感覚です。
「なぜ?」と考えると、わからない部分がわかるまで、興味が持続します。
「なんとか解いてみよう」「なんとか理解してみよう」という気持ちが、子どもの意識の中で自然に生まれます。
そして、わからなかった部分がわかるようになれば、子どもの知識が増えます。
この繰り返しによって知識がどんどん定着し、勉強ができるようになります。
勉強ができない子は放置してしまう
勉強ができない子は、勉強に興味がない子が多い傾向があります。
勉強に興味がないと、「なぜ?」という感覚が少なくなります。
問題が解けなかったり、わからなかった部分があっても、「なぜ?」と考えずにそのまま放置してしまいます。
そのため、知識がなかなか定着せず、勉強ができない原因となってしまいます。
子どもが勉強に興味を持たせる方法
小学生の理科を例に挙げて考えてみましょう。
例えば、テレビで放映されている天気予報などを見て、子どもが天気に興味を持ったとします。
そうなると、これまで興味がなかった理科に対する興味が強まります。
「どうして天気が変わるんだろう?」といったように、「なぜ?」という感覚が生まれれば、理科を勉強してみようという気持ちにつながります。
勉強に対する興味は、身近な事例を勉強に当てはめる
例えば、国語に興味を持たせるために本を読ませること、歴史に興味を持たせるために歴史マンガを読ませること、算数に興味を持たせるために徒競走などの速さを考えさせるなど、理科以外にもさまざまなやり方があります。
一方で、無理に興味を持たせるのではなく、子どもが自然に興味を持つように、それぞれの事例に当てはめることも必要です。
勉強に興味がなくても、集中力がある子
このような子どもは、自分が興味があるものには高い集中力を発揮するタイプです。
そのため、何かのきっかけで勉強に興味を持ち始めると、集中力を活かして勉強できるようになるケースが見られます。
このような子も、身近な事例を勉強に当てはめるなどして、興味を持たせることが効果的です。
⒉集中力
2つ目の違いは集中力です。
勉強ができる子は、集中力が高い傾向があります。
どの学年でも集中力は大きなポイント
例えば、1つの単元(速さなど)を勉強しているとき、その単元の内容を集中して勉強すると、その中でいろいろな流れがわかります。
一方で、集中せずにただ漠然と勉強をするだけでは、その単元の流れがわかりません。
例えば、速さであれば、「速さとは何か⇒速さ・時間・距離の関係は何か⇒計算式にしたらどうなるか⇒実際にはどのような問題が出題されるか」といったように、一連の流れがあります。
この場合、まず「速さとは何か」を理解し、「速さ・時間・距離の関係は何か」をおさえたうえで、計算式を理解し、実際に問題を解くという流れです。
漠然と勉強しているだけダメ
どれか一つでも集中して理解していないと、全体の理解が危うくなります。
例えば、最初に「速さとは何か」「速さ・時間・距離の関係は何か」を理解していなければ、計算式や問題を見ても理解できないでしょう。
そのため、「速さとは何か」「速さ・時間・距離の関係は何か」の部分は特に集中して理解する必要があります。
ただ漠然と勉強しているだけでは、単元に対する理解がおろそかになります。
このように、勉強において集中力は重要な意味を持ちます。
勉強ができる子は集中力が高く理解度が深い
勉強ができる子はしっかりと集中して取り組むため、その単元や課題についてしっかりと理解しています。
一方で、勉強ができない子の場合、それぞれの単元で理解していない部分があるはずです。
これは、最初にその単元を勉強したときに、どこかで集中力が欠けてしまったことも原因として挙げられます。
子供に集中力をつけさせる方法
子どもに集中力をつけさせる方法としては、
- メリハリをつけさせること
- 環境を整えること
- 短時間から勉強を始めること
の3つが効果的です。
メリハリをつける
メリハリは、勉強時間と遊ぶ時間を分けることが必要です。勉強しながら遊ぶことを考えると、集中力は下がります。「遊ぶ前に勉強をしておきなさい」といったように、勉強時間と遊ぶ時間は明確に分けるようにしましょう。
環境を整えること
勉強をしているときにテレビやマンガが近くにあると、どうしても集中力は下がってしまいます。「勉強時には他のことをしない」と意識させる必要があるので、子どもが勉強している際にはテレビやマンガなどを周囲に置かないようにしましょう。
短時間から勉強を始めること
短時間から勉強を始めることも、集中力をつけさせる重要なポイントです。最初から長時間の勉強時間を設けると、子どもにとって集中しにくくなります。それよりも「15分でいいから勉強してみて」といったように、短時間から集中させた方が効果的です。
一度でも「集中できた」という感覚が身につけば、その後も集中力が持続する傾向があります。そのためにも、まずは短時間の勉強から始め、「集中している」という感覚を持たせましょう。
⒊習慣
3つ目の違いは「習慣」です。勉強の習慣も、勉強ができる子とできない子で大きな違いがあります。
勉強を継続するには勉強の習慣が必要
勉強というのは、ある時点で一度やれば良いというものではありません。成績を維持するには、勉強を継続する必要があります。一度覚えたものをずっと忘れない人はいないからです。
勉強ができる子は、普段の勉強習慣によって知識がきちんと定着しています。
一方で、勉強ができない子は、日常生活で勉強する習慣が少なく、知識がうまく定着していないことが多いです。
勉強習慣があるから知識が定着する
勉強する習慣があれば、次々に新しい単元を覚えようとすることができます。また、新しい単元を勉強する際に、以前勉強した単元を復習するなど、勉強方法はさまざまです。
このような幅広い勉強方法は、勉強の習慣があって、きちんと勉強時間を確保していることが必須です。
勉強時間があるからこそ、予習や復習も含めた効果的な勉強が可能となるからです。このことは、勉強ができる子の勉強習慣の特徴です。
一方で、勉強する習慣がないと、新しい単元の勉強や予習、復習など、効率よく勉強を進めることが困難です。結果として、勉強ができない原因となってしまいます。
勉強する習慣をつけさせるには?
勉強習慣をつけさせるには、まずは子どもに「勉強をしている」という感覚を身につけさせる必要があります。最初は簡単な問題からでもいいので、「今自分は勉強をしているんだ」という感覚が重要です。
一度でも勉強をしている感覚が身につけば、次から勉強をする際に抵抗が少なくなります。いきなり難しい問題から始めると子どもにとって抵抗が大きくなるので、計算問題や漢字など、簡単な問題を解く習慣から始めましょう。
まとめ
勉強ができない子は、勉強ができる子と比べ、「興味」「集中力」「習慣」の3つの面で違いがあります。
しかし、勉強ができない子に「興味」「集中力」「習慣」を身につけさせることはもちろん可能です。
「興味」「集中力」「習慣」がある程度身につけば、子どもにとって勉強が苦にならなくなります。そうすれば、さらに成績を向上させることもできます。
「興味」「集中力」「習慣」の3つを意識し、効果的な方法で勉強に取り組んでみましょう。