子どもが勉強をするにあたり、集中力は重要なポイントです。
しかし、集中することが苦手な子どももいます。
また、小学生と中学生とで、勉強に集中できない理由は若干異なります。
そのため、子どもの集中力は学年ごとに考えることも必要になってきますので、各学年に沿って集中力を高める方法をご紹介していきますので実践してみてください。
全学年共通!集中力を高めるためにすべき3つのこと
まず、小学生・中学生にかかわらず、集中力を高める共通の方法を見ていきましょう。
1.勉強時間・遊ぶ時間のメリハリを作る
勉強する時間と遊ぶ時間のメリハリは、集中力を高めるために重要な方法です。
勉強しながら遊ぶことを考えてしまうのは、集中している状態とは言えません。
特に小さい子どもであれば、「後で遊んでもいいけど、その前に勉強はしておきなさい」といったように、時間で区切ることを伝えましょう。
「勉強をしているときは遊ばない」というように、勉強時に他のことを「しない」と意識させることが重要です。
2.集中力を下げるものは目に入らないところに片付けておく
勉強する環境も、集中力に影響します。
例えば、勉強しているときにテレビやマンガが目に入ると、子どもの集中力は下がります。
勉強させる際には、テレビ・パソコン・マンガなどが子どもの目に入らないようにしましょう。この方法も、勉強時に他のことを「しない」と意識させることができます。
3.最初は短い時間から集中させる
いきなり長時間集中させることは困難です。何より、子どもにとって良い影響とは言えません。
「15分でいいから勉強してみて」といったように、最初は短時間だけですが、親御さんもなぜこんな短い時間しか集中出来ないの!という気持ちをぐっとこらえて集中させるようにしましょう。
まずは、「集中している」という感覚を持たせることが重要です。短時間の勉強から始めると子どもの負担が少なく、「集中できた」という達成感も生まれます。
小学校低学年の集中力を高めるポイント!
子どもによって集中力に差が出る
小学校低学年の場合、子どもによって集中力の差が大きくなります。
これは、勉強に興味があるかないかで大きく変わります。
低学年の子どもは、一度勉強に興味を持つと、どんどん勉強を進める場合があります。
勉強をしているときに高い集中力を発揮し、興味を持って多くの知識を覚えようとします。
反対に、勉強に興味がないと集中しにくくなります。
勉強をしていても他の事柄に興味を持ち、すぐに集中が切れてしまいます。
また、いろいろなことに興味を持ちやすい子どもは、一度勉強に興味を持っても、他のことに興味が移ると勉強に集中しなくなる場合もあります。
無理して勉強をさせないことが集中力アップにつながる
勉強に集中させるためには、勉強に興味を持たせること、そして興味を持続させることが重要です。
低学年では学習内容もそこまで難しくないので、少しでも興味を持った分野や単元から勉強させると効果的です。
興味を続かせるためには、あまり無理して勉強をさせないことも大切です。
小学校低学年の子どもは、「勉強させられている」と考えると特に抵抗を覚えます。
勉強に集中しなくなる大きな原因となるので、無理はさせないようにしましょう。
小学校高学年の集中力を高めるポイント!
やらされている感を払拭させることが集中力を高める鍵
中学受験を考えている子どもの場合、小学校高学年になると勉強が本格化します。
勉強することに抵抗が少なく、ある程度の集中力があります。
また、中学受験をしない子どもでも、低学年に比べると勉強に慣れてきます。
勉強への抵抗が少なくなれば、集中力も自然と身につきます。
しかし、勉強に慣れてくると、逆に集中しない場合があります。例えば、「このくらいやっておけば良いだろう」と子供が考え、勉強をさっさと終わらせるようなケースです。
勉強にある程度慣れると、「これはやらなくて良いだろう」という知恵が働きます。
そうなると、さっさと終わらせることを考え、集中力が下がります。
また、小学校低学年と比べると、どうしても勉強に新鮮味を感じなくなります。
そうなると興味が続きにくく、「勉強は嫌だけど、しかたない、やるか」などと考える子どももいます。
「やらされている」と感じれば、どうしても集中力は下がります。
集中力を持続させるために目的意識をしっかり持たせる
小学生高学年の場合、興味よりも目的意識を持たせることが効果的です。
例えば中学受験を考えている子どもは、受験勉強がストレスになると集中力が下がります。
その際には、「○○中学校に行きたい」「△△中学校でこういうことをやってみたい」など、目的意識を再確認させましょう。
「○○中学校に行きたいから勉強をしている」という意識を持たせると、やる気が上がって集中力は回復します。
また、ただ勉強を続ける状態よりもストレスは減ります。
中学受験をしない場合も、勉強に集中するには目的意識が重要です。
小学校低学年のように興味だけで集中させることは難しいので、「何のために勉強をするか」という側面から集中力につなげる必要があります。
例えば高校受験の話をして、いずれはきちんと勉強する必要があることを伝えると、良い意味で子どもは危機感を覚えます。
小学校時代の勉強も、最終的には高校受験のための勉強につながる、といった切り口で話すと効果的です。「勉強してみるか」と考えるだけでも、集中力は上がります。
勉強に集中させるには、「やらされている」ではなく「やってみよう」という意識を持たせる必要があります。
これは中学生や高校生にも言えることですが、特に小学校高学年で重要になります。そのためにも、目的意識はきちんと持たせましょう。
中学生の集中力を高めるポイント!
勉強の集中力は周りからの影響を大きく受ける
中学生になって高校受験を控えると、ある程度自然に勉強をする流れになります。
中学生になると、良い意味で周りに影響されやすくなります。
周りが勉強を始めると「自分も勉強してみるか」と考え、集中する子は多いです。
また、中高一貫校に入学した場合は、大学受験を控えたカリキュラムで勉強を始めます。
勉強する習慣が続いているため、集中力も維持しやすくなります。
一方で、中学生になると友人との遊びや部活などが増え、勉強以外の側面に関心が増えていきます。そうなると、どうしても勉強に集中しづらくなります。
集中出来ないことに危機感を持たすべし
中学生が集中力をつける場合も、やはり目的意識が重要です。
また、小学校と比べて勉強の難易度は上がります。ダラダラ勉強を続けるだけでは効果がなく、集中して勉強しないといけない場面が増えます。
そのため、「もっと集中しなければ意味がない」という危機感を持たせる必要があります。
高校受験であれば、模試などの客観的なデータを見せると、集中力に大きく影響します。
ある程度集中力がある子でも、自分のレベルが足りない場合には「もっと集中しよう」と考えます。
勉強に集中しなかった子も、「このままではマズい」と考えれば、ある程度集中するようになります。
もちろん、ただ勉強をするのではなく「○○高校に行きたい」という目的意識も必要です。
中高一貫校は高校受験がないため、勉強するモチベーションが上がらずに集中できない場合があります。
一方で、中学校3年になれば大学受験に向けた勉強が本格化します。
ここでも「○○大学に行きたい」という目的意識が重要になり、集中力に大きく関係します。
大学の情報を積極的に仕入れ、勉強する目的を考えさえることが重要です。
「もっと集中して勉強しなければ○○大学には受からない」という危機感を持つことができれば、勉強の習慣とともに集中力も身につきます。