どうして勉強ってしなければならないのでしょうか?
中学生ともなれば、部活やその他自分の興味のあることに熱中して、お子さんがなかなか勉強してくれないということも多いですよね。
それに頭を悩ましている親御さんは、たくさんおられることでしょう。
「だって今勉強していること、因数分解や化学反応式って将来役にたつ?」
そう言われて、「うっ」と痛いところを突かれたような感覚になるのは、私だけではないはずです。
大人になってから、この植物は単子葉類だから…と考えることなんて滅多にないですものね。
今回は、勉強する意味について、一緒に考えてみませんか?
目次
勉強する意味を考えてみよう
「勉強したくない、しない」というのは、ある意味その必要性に迫られた状態ではないからとも言えます。
「テストのために勉強しなきゃならない」のかもしれませんが、子どもたちにとっては、その先にある意味がピンとこないのです。
試験などで短期的には必要に迫られたとしても、長期的な意味を見出せなければ、継続して勉強することは容易いなことではありません。
では、テストや受験のためではない、勉強しなければいけない深い理由とは、どこにあるのでしょうか?5つの理由をまずは挙げてみましょう。
- 生きていく力を身につける
- 勉強を通して成長することができる
- 人生を有利にするための手段としての勉強
- 知識が多くなることで人生が豊かになり得をする
- 自己実現・人生の意味を見つけること
勉強は人生を有意義にする手段
たしかに、読み書き計算などの基礎的な知識は、そのままこの世界で生きていく力に直結するでしょう。
また、勉強することには努力と忍耐が必要です。
コツコツと知らない知識を覚えたり、何度も間違えた問題を見直したり、と、勉強のできる・できないにかかわらず、時間をかけて努力しなければなりません。
そういった努力は、自分自身の自信となってかえってきますし、忍耐力がついて人間的に成長する過程にもなります。
ガチガチの学歴社会ではなくなりつつあるといえども、成績がよければ偏差値の良い高校や大学に行けますし、もし英語を話すことができれば、海外生活でも難なく挑戦することができるので、そういった意味で、人生を有利にするための手段とも言えますね。
地理や歴史の知識は、つければつけるほど、人生が豊かになるでしょう。
どこかへ旅行に行った時にも、その土地の特徴や産物、歴史上有名な事柄などを知っていれば、より有意義に過ごすことができるでしょう。
勉強は自己実現の方法でもある
そして、勉強は、自己実現の方法でもあります。
専門的な職業に就きたければ、その分野の専門的な知識や技能を身につけなければなりません。そのために勉強することは不可欠ですよね。
このように、勉強する意味には、様々な理由があると思います。どれも、勉強する意味として十分納得のいく理由ばかりです。
でも実は、これらの理由が、子ども達にはきちんと伝わらないこともあるのです。
勉強する理由に社会的な目を向けてみよう
勉強する意味が分かりにく理由、それは、冒頭でも触れたように、「勉強することが、長期的に必要に迫られていないから」です。
「勉強を通して人間的に成長できたり、人生が豊かになったりするよ」と言われても、何となくピンとこないことも多いのです。
例えば、もう少し年長の、高校生や大学生はどういうモチベーションで勉強しているでしょうか?
高校生や大学生の勉強のモチベーション
高校生は、おそらく大学進学や専門学校進学を視野に入れて自分の将来を考え始めているころでしょう。
高校から上の上級学校に進む際には、どの分野に進むのか、どの分野に興味があるのかということを自分の中で絞らなければなりません。
そのため、「その分野に進んだ自分」という像がある程度形成されている場合が多くなります。大学生や専門学生なら、その傾向はより強くなります。
就きたい職業や取りたい資格のために勉強という努力をするようになります。ある種、セッパ詰まった状態ですよね。
つまり、高校生以上では多くの場合、5年以内の近い将来の自分のなりたい姿が勉強の言動力になるのです。
自分の将来像に近づくため、必要に迫られて勉強できるようになっていくともいえましょうか。
社会人は新しい自分を目指す事が勉強意欲になる
大人の資格試験などの場合も同じことがいえると思いませんか?
仕事上の何か特別な資格を取るということは、今の姿ではない、別の自分を描くことと同じです。
資格をとるための必要に迫られているので、大人は短期的であったとしても集中してそのターゲットとなる資格取得に向けて勉強することができるのだとおもわれます。
中学生の年齢ではまだ先を見通せてはいない
中学生くらいの年齢で、そこまで具体的に将来像を描けている子、目的意識を持っている子が果たしてどれくらいいるでしょうか。
でも、たとえそういった将来のなりたい自分を描けていなくても、何らおかしいことではないものなのです。
というのも、大人になるということは、中学生から見てまだまだ先のこと。
高校へ行って、まだその先に大学や専門学校が待っているのですから、ましてや成長途中の中学生が、10年先の自分の職業なんて具体的に想像がついている方がすごいことなのです。
では、中学生くらいの年齢のお子さんには、どのように勉強の意味やモチベーションを持たせてあげればよいのでしょうか。
中学生に勉強させる意味やモチベーション持たせるには?
将来の姿が既に見定められている人は、それに近づくための努力をすることができます。
将来の姿のために、もしも勉強することが必要ならば、自然と取り組むことができるでしょう。
でも、まだそこまで考えていない中学生にとって、勉強する意味は決してないものなのではなく、それとは違った強い意味があるのです。
それは、「勉強すれば、選択肢がどんどん増えていくということ、ひいては、得をする」ということです。
勉強すればするほど、選択肢が広がる
もうすでに、ガチガチの学歴社会の時代は徐々に終わりを迎えつつあるとはいえども、学校の成績が将来のビジョンと深く関係していることは、中学生でもきっとわかることです。
運動ができる、絵が上手い、音楽が演奏できる…いろいろな能力がある中で、やはり学校や社会がものさしとして使っている大部分は、学力なのです。
簡単な例をあげてみましょう。
弁護士や会計士、医者といった職業に就きたければ、それらの資格を取らなければなりません。
それらの資格は難関で、一般的には難関大学を出た人が非常に多い職業です。
医者は医学部に入らなければなることができませんから、その時点ですでに、医学部に入るだけの学力を持ち合わせていなければなりません。
つまり、こういった難易度の高い職業に就きたければ、学校の成績をよくして、難関大学に入ることが重要なカギとなってくるのです。
学力というのは、一朝一夕でつくものではありませんから、逆算をすれば、今から勉強しておいた方が、あとあと楽だともいえますね。
今も世の中の評価基準は勉強が出来るか否か
勉強という一種の努力をしておくと、後で何か夢中になれるものが見つかった時に、最短距離で行くことができます。
まだビジョンがはっきりと見えていない頃にでも、しっかりと勉強をしておくことは、将来の自分の選択肢を広げておくこと、と考えれば良いのではないでしょうか。
もちろん、勉強することが全てではありません。
絵画やスポーツ、音楽などの他の能力に秀でて、それが評価されて職業になったという人は、勉強なんてあまり必要なかった、というかもしれません。学力はあくませ一つの評価方法です。
でも今の世の中の評価基準の多くが、勉強ができる・できないということならば、勉強ができるようになっていた方がお得なのではないか?ということなのです。
勉強は才能じゃない!十分努力でおぎなえる
勉強する意味には何となく頷けたけれど、勉強は苦手だと思っているお子さんもいるかと思います。
諦めるのは、まだまだ早い!なぜなら、基礎的な勉強は、筋トレや部活の練習と同じ。ゲームとも似ているかもしれません。
確かに、もともと勉強が好きだったり、簡単に座学が習得できたりする人もいるでしょう。
中には頭がキレキレで、遊んでいても100点を取れる人もいます。
誰しもが勉強が得意なわけではない
でも、世の中そんな人ばかりではないですよね。
親御さんたちがお子さんに勉強をするよう促すのは、自分たちも同じように勉強に取り組んできて、すくなからず成功体験やできるようになったという自信があるからではないでしょうか。
特に基礎的な勉強は、覚えたり、練習をしたり、と反復することで定着する部分が多いです。それって、筋トレや部活の練習に似ていませんか?
最初は苦手だったとしても、継続していくうちにできるようになり、身体が変わっていったり、理想のプレーができるようになっていったりしますよね。勉強もそういう部分が大きいと思うのです。
反復はともすると忍耐のいるツラいことかもしれません。
でも、その先の自分が輝いているビジョンのためなら、少し取り組んでみようかなと思えるのではないでしょうか。
勉強をする意味と意義
学力は一つのものさしです。
そして子どもが何と言おうと、現代はその学力ものさしが様々なところで使われています。
だからこそ勉強をする必要があります。
そして大人になってからその意味に気づくのです。
だから9割の大人はこう言うのです。「もっと勉強しておけばよかった」と。