「お友達ができるかな」「ひとりでの登下校は大丈夫かしら」など、お子さんの入学前、親御さんは心配が尽きなくなりますよね。
友達と仲良く遊べるか、忘れ物をしてしまわないかなども気になりますが、小学校に上がるとそれまでの幼稚園や保育園の頃とは異なり、学習面に関する心配も多々出てくるでしょう。
入学して数週間もすると、ひらがな練習や音読練習、算数のプリントなどの宿題が出されるようになります。
そうなると、「家庭での学習環境をいかに整えるか」「学習習慣をいかに身に着けさせていくか」ということについて頭を悩ませるパパやママが増えてきます。
そこで今回は、学習環境を整えて家庭での勉強習慣を定着させていくためのポイントや、やる気をアップさせて勉強が楽しいと感じてもらうための各家庭でできる工夫について、教員経験からご紹介していきます。
目次
家庭学習環境を整える第一歩!家族の集まる場所に学習スペースを確保しよう
「小学生時代は、自分の部屋の学習机で勉強したなあ」というパパやママは案外多いのではないでしょうか。
しかし、実際個室での学習を1年生の初期から始めていくのは少々難しいことがあります。
テレビの音やほかの家族の声の聞こえない静かな環境で、集中して家庭学習に取り組むことは理想的です。
では、どのように学習を進めていけばいいのかわからない学習初心者のお子さんの場合は、親御さんの過ごしている場所の近くでスタートさせるのがおすすめです。
新しいことを始めていくときに、親御さんが近くにいてくれる、わからないことがあればすぐに質問できるという環境であれば、お子さんは安心して学習に取り組むことができるでしょう。
リビングやダイニングに簡易の勉強スペースを設け、時折進み具合をチェックしながら見守るとよいですよ。
机に向かって宿題をすることに慣れてきたら、個室での学習に切り替えていくというステップが好ましいです。
勉強習慣を定着させるために!小さな達成感を得られるようにしよう
近年では、保護者が丸付けをしたり、確認印を押したりする必要のある宿題がよく出されています。
家事に育児に仕事にと大忙しの親御さんにとっては少々手間かもしれませんが、これらの宿題こそ「勉強って楽しい!」と感じてもらうきっかけづくりに最適なものなのです。
ノートにひらがなや漢字を繰り返し書く、国語の教科書を音読する、計算カードでたし算やひき算を繰り返し練習するなどの宿題は、レベルが上がったり回数が増えたり、宿題を終えるまでに時間がかかったりするようになるにつれて、子どものモチベーションが下がっていくことがよくあります。
つい、「もっとていねいに書こうね」「いつまで宿題しているの、早く終わらせなさい」と言ってしまうことがあるのではないでしょうか。
しかしこれではますます勉強が嫌いになるばかりです。
褒めることは子どもの勉強のやる気につながる
家庭での学習習慣を定着させ、やる気をアップさせるポイントはずばり、「結果の出来不出来のみを評価するのではなく、努力した過程をほめること」です。
ノートやプリントにひらがな練習をした後であれば、「きれいに点線をなぞって書くことができたね」「この前はできていなかったけれど、止めやはらいに注意して書けるようになったね」など、できるようになったことや努力している姿勢をほめるようにしましょう。
プリントやテストが返却されたときも点数のみに注目するのではなく、がんばったポイントをほめつつ、どのようにすればより良くなるのかを親子で話し合うようにしましょう。
そのような勉強へのポジティブな声かけを続けることによって、「がんばったらパパやママがほめてくれる、うれしいな」「がんばっていることを知っていてくれるんだ」と自信がつき、学習への意欲が向上していくようになります。
小さな達成感の積み重ねがなによりも大切なのです。
フォローアップ教材を用意して学習の定着を図ろう!
ひらがな練習や漢字の練習、計算の反復練習もちろん大切なことですが、同じことの繰り返しばかりでは飽きてしまいますよね。
たまに息抜きをするために、また学習意欲をより引き出すために、知的好奇心を高めてくれるフォローアップ教材を活用してみるのもオススメです。
市販のドリルを活用してみる、学習に役立ちそうなアプリをダウンロードして時間のあるときに取り組む、無料でダウンロードできる学習プリントをインターネットで検索してプリントアウトするなど、身の回りにある学習コンテンツを活用しましょう。
クイズ形式のもの、正解するとポイントが貯まるものなどであれば、勉強の苦手なお子さんでも楽しめるのではないでしょうか。
日常生活の中にも学習ポイントがあります!
お子さんの学習進度や学習意欲、興味や関心に応じたものを選び、学習の定着を促していくとよいでしょう。
また、日常生活の何気ない会話の中で問題を出してみるのもおすすめです。
「このおやつは1箱に12個入っているけれど、みんなに同じ数ずつ分けると一人何個になるかな?」と学習した内容に近づけて再現してみると、プリントに向かって学習するよりも理解が定着し、楽しみながら勉強ができるようになります。
子どもの学習意欲を高める工夫をしていこう!
「どのように家庭での学習を進めていけばよいのだろう」「うちの子は勉強に対して苦手意識があるみたいだし、どうすればいいのか」などと、勉強が始まったばかりの時期は家庭学習の進め方に戸惑ってしまうことが多々ありますよね。
しかし、親御さんが不安なのと同様に、お子さんもはじめての学習に対して不安なことがたくさんあるはずです。
机に文房具や教科書などの必要なものをそろえる、用意ができたらテレビなどを消して集中して取り組む、わからないところは質問する、保護者のチェックが必要なところは確認してもらうなど、一つ一つの流れを一緒に確認していきましょう。
そしてその都度フィードバックしたり努力したポイントをほめたりするなどしていきましょう。
子どもの学習意欲を高め、「勉強って楽しい!」「自分にもできる!」と思ってもらえるような声かけや工夫を加えるよう心がけていってくださいね。