親が子どもに勉強をさせる際に、逆に子どものやる気を削いでしまう場合があります。
親御さんの中でも思い当たるところがある方も少なくないのではないでしょうか。
親が子どものためを思って行動しても、必ずしも子どもにとって適切であるとは限りません。
とてもデリケートな問題ですが、特に勉強をさせる際には十分に注意する必要があります。
勉強のやる気を削ぐ親の言動・行動や、その対策について、整理してみましょう。
目次
「勉強しなさい」だけでは子供はやる気にならない!やる気を引き出す声かけは?
よく言われることですが、ただ「勉強しろ」「勉強して」とだけ言うことは、子どもにとって好ましいとは言えません。
かえって子供の勉強に対するやる気を削いでしまいます。
このことは、勉強が嫌いな子どもだけでなく、勉強が好きな子どもにも当てはまります。
勉強が好きな子どもに対しても、ただ「勉強しろ」とだけ言うことは逆効果なのです。
勉強が嫌いな子どもの場合
小学生のうちは親が一緒に勉強を進める
まず、勉強が嫌いな子どもを例に挙げます。
嫌いなものをさせられることに対し、抵抗を覚えない子どもはいません。そのため、ただ「勉強しろ」とだけ言って、無理やり勉強をさせることは逆効果です。
一方で、放っておけばよいわけではありません。
親としてみれば、無理にでも勉強をさせたいと考える方も多いでしょう。
ただし、やり方には十分に注意する必要があります。
その注意点として、ただ「勉強しろ」とだけ言うことは、避けなくてはなりません。子どもが余計に勉強嫌いになる原因になってしまいます。
勉強が嫌いな子どもには、子どもから勉強に興味を持ってもらうことが一番効果的です。
その際には、親が一緒になって勉強を進める方法が望ましいです。
親が「勉強しろ」「勉強して」とだけ言うことは、子どもにとっては受け身になります。
そうではなく、親と一緒に勉強を進めれば、子どもにとっては安心感が生まれます。
そして、ある程度安心感があれば、嫌いな感情が減ります。
勉強に対して嫌いな感情が少なくなれば、その分興味を持ちやすくなります。
中学生になったら子供の動向を気にしつつ声かけは適度に
中学生の場合であれば、親と一緒に勉強するケースは少ないでしょう。子どもにとって、うっとうしく感じてしまうケースが多いです。
一方で、中学生は良くも悪くも周りを気にし始めるので、周りが勉強を始めれば自然に勉強する傾向もあります。ここで、親が「勉強しろ」とだけ言うと、かえって逆効果です。
嫌いだった勉強に対してせっかくやる気になったのに、「勉強しろ」と言われると、かえって反抗心が生まれる場合があります。
中学生の場合は特にデリケートな問題ですが、「子どもの動向を把握しつつ、声かけは適度に」というスタンスが好ましいでしょう。また、このことは高校生にも当てはまります。
いずれにせよ、勉強が嫌いな子どもに対してただ「勉強しろ」とだけ言うことは、避けるべきです。
勉強が好きな子どもの場合
もともと勉強が好きな子どもに対しても、ただ「勉強しろ」とだけ言うことは逆効果です。
勉強が好きな子は勉強に対してあまり抵抗がないので、親に「勉強しろ」と言われると、最初は言うことを聞いて勉強をするでしょう。
しかし、きちんとした理由もわからずただ勉強を続けていると、いずれは子どもにとってストレスになります。
せっかく勉強が好きだったのに、親から「勉強しろ」と言われてストレスを感じ、勉強が嫌いになったという事例も少なくありません。
子供の成長と共に口うるさくするのは避けるべし
この傾向は、中学生になると特に強くなります。せっかく自分が勉強をしていたのに、親から「勉強しろ」と言われると、ムッとしやすくなるでしょう。
中学生の場合は、やはり「子どもの動向を把握しつつ、声かけは適度に」というスタンスが必要です。
勉強が好きな子どもに対しては、親の期待度も上がります。そのため、「もっと勉強をさせて成績を伸ばしてあげたい」と親が考えることは当然と言えます。
このこと自体は悪いことではありません。一方で、やはりデリケートな問題なので、あまりに口うるさく「勉強しろ」と言うことは避ける必要があります。
もっと勉強をさせたいと考えたり、塾に通う回数を増やしたりする場合には、一度子どもときちんと向き合って話すようにしましょう。
無理に「勉強しろ」と言って勉強時間を増やしたり、塾の回数を増やしたりすることは避ける必要があります。
勉強のやる気を無くさせないために
1.勉強をする理由を理解させること
親が子どもに勉強をするように言う場合は、きちんと理由を示す必要があります。
子どもの進路希望なども踏まえ、「○○学校へ行くにはもっと勉強しないといけない」といった点をきちんと説明しなくてはなりません。
これらの点を省略してただ「勉強しろ」とだけ言うことは、子どもにとっては逆効果です。
理由もわからず「勉強しろ」と言われることは、勉強に対するやる気がなくなる原因の代表例です。この点は、勉強が嫌いな子どもと好きな子どものいずれにも当てはまります。
2.勉強をして良い点を取ったらきちんと褒めること
親が子どもに「勉強しろ」「勉強して」とだけ言うことは好ましくありませんが、逆に親が子どもの勉強事情に無関心であることも好ましくありません。
親の無関心さは、勉強のやる気を削ぐ親の言動・行動に十分に当てはまります。
特に小学生に言えることですが、子どもが勉強をして良い点を取った場合、親がきちんとほめてあげることが大切です。
子どもが悪いことをしたら親は叱る必要がありますが、子どもが良いことをしたら、親はきちんとほめなくてはなりません。勉強をして良い点を取った場合も同様です。
ここで、親があまりに無関心だと、子どもにとって勉強に対するモチベーションが下がります。
よほど勉強が好きな子どもでも、勉強に対する親の無関心さにはかなりショックを受けるでしょう。
勉強が好きだった子どもが、親の無関心さによって勉強しなくなるという事例は見られます。このような事態を避けるためにも、ほめるべき点はきちんとほめるようにしましょう。
3.子供の勉強事情に関心を持つ
また、子どもの勉強事情にはきちんと関心を持つことが重要です。
子どもの勉強事情に関心を持つことは、ただ「勉強しろ」と言うことではありません。
子どもの状況に合わせ、適度に声かけをしたり、応援をしたり、相談に乗ったりして、総合的な視点から勉強をさせることを意味します。
「勉強しろ」だけではダメで逆に無関心すぎてもダメ
勉強のやる気を削ぐ親の言動・行動とは、
- ただ「勉強しろ」「勉強して」とだけ言うこと
- 子どもの勉強事情に対する親の無関心さ
に大きく分類できます。非常にデリケートな問題ですが、「勉強しろ」とだけ言ってもダメで、逆に無関心すぎてもダメ、ということになります。
子どもの勉強事情に関心を持つことは、ただ「勉強しろ」と言うこととは異なります。
また、理由も示さずにただ「勉強しろ」と言うことは、子どもの勉強事情に対し、適切な関心を持っているとは言えません。
親も子供の興味がある分野を知ることが大切
特に勉強しない子どもに対しては、親の方も心配になってしまうでしょう。
しかし、ここでただ「勉強しろ」と言うことは避けなくてはなりません。
子どもが勉強に興味を持つにはどうすればよいかを考えたり、少しでも興味がある分野を見つけたりするなど、子どもの状況をきちんと把握することが何より必要です。
また、勉強が好きな子どもに対しても、無理に「勉強しろ」と言うことは避けましょう。
子どもの意思を尊重したうえで、もっと勉強を進めさせるように、話し合ったり声を掛けたりする必要があります。
親が子どもを心配する気持ちや、もっと勉強させてあげたいと思う気持ちは、もちろん大事なことです。
一方で、やり方には十分に注意しなくてはなりません。
また、子どもの動向に親が無関心というのは、好ましいことではありません。
これは子どもの勉強事情も同じです。子どもの勉強に対するやる気を削がないためにも、親は子どもの動向を把握し、ほめるべきところはほめてあげましょう。