よく中学生の子どもさんをお持ちの親御さんから「うちの子勉強しないのよね、どうしたらやる気を出すのかしら」という悩みを聞くことがあります。
親が勉強のやる気のないわが子を見てイライラしたり頼りなく感じたりするのは、どこでも皆同じのようです。
中学生くらいになると、各教科の成績が観点別評価によりシビアに5段階でつけられ、受験に関係する5教科については500点満点中何点取れて、その学校内で何番くらいなのか、嫌でも現実の立ち位置を突きつけられることになります。
そうすると途端に親は不安になり、口やかましく子どもに勉強のことを言い出します。
ここでは、勉強をしない中学生の子供に親がどのように接していけばいいのかをご紹介していきます。
また、中学生の子供がなぜ勉強をしたくない、しないのかも解説していきます。
元気でありさえすればよかったのに、、、
小学校まではある程度運動に積極的に取り組んでいたり、友達関係も良好であったりさえすれば、そんな心配していなかったのに、中学生になると「伸び伸び、元気でありさえすれば…」なんて悠長に言えなくなってきます。
おまけに中学生は反抗期。
親から言われることに素直に「はい」と返事して即行動できるような時期ではありません。
「うるさいな」「わかってる」。
勉強しないだけではなく、その返事の仕方にイライラしてなおさら余計な口出しをしてしまいそうです。
ひどくなると子どもの人格まで攻めてしまい、ダメ人間の烙印までおしてしまう方もおられます。
それだけ子どもにかける期待が大きいということもいえるのではないでしょうか。
子供だって悩んでいる
中学生という思春期の時期は、心も体も人間関係もとにかく落ち着かず常に忙しい時期です。
小学校から急に5教科の内容が難しくなり、教科担任制である中学校では各教科の先生がおのおの宿題を出し、教科学習だけでも毎日大変です。
その上基礎体力がないところへ毎日の部活動でへとへとになり、新しい環境で人間関係に神経をすり減らし…ひどい子は先生の名前も覚えられないくらい脳内は忙しいのです。
こういった小学校からの急激な環境の変化を「中1ギャップ」と呼んだりします。
中学生はそのギャップに対応し、新しい環境に慣れるのに必死です。
下手をするとスクールカーストからはじき出されてしまいますから、人間関係には特に神経をすり減らしています。
家にかえってもはや何もする気が起きない、ゲームに夢中になることで脳を空っぽにする、ぼんやりして無気力になるのはまさにストレス反応だと思います。
休まる暇がない子供たち
何もしないならまだしも、家に帰ってもSNSなどで子どもたちはつながっており、そこでもまたもや人間関係に振り回されている現代っ子たちです。
どこまで行っても忙しく、休まる暇がありませんね。
とにかく中学生は忙しいのです。
ただでさえ自分自身も成長し、心も体も変化し続けている中でのその大きな環境の変化、だから思春期は「嵐の時代」と言われたりしますよね。
こんな時に親の「勉強しなさい」はウザいだけに過ぎません。
それどころか「何もわかってくれない」と思ってしまうのもある意味当然のことかもしれません。
まずは子供の気持ちを受け止めて
何が言いたいかというと、家でダラダラ過ごして何もしない、勉強しない、ゲームばかりして…などと腹が立つ気持ちを収めて、子どもが外の世界でどんな厳しい世界にさらされているか、どんなに頑張っているか、想像してやりましょう、ということです。
そしてわが子もこうして息抜きしながら適応しているのだろう、今のこの状態は必要なことなのだろうと信じてやることが大事だと思うのです。
子どもの気持ちや親の知らない生活の中での知らない姿をおもんばかってやることが子どもに対する温かい目や優しい言葉がけになってきっと表れると思います。
子どもは何か月も何年もかけて中学校生活に適応していき、落ち着いてくると思います。
そして自分の居場所のある学校や仲間関係の中でなら必ず自分の将来に目標を持ち、勉強することの自分にとっての必要性を自ら感じてくると思います。
自発的に行うことの大切さ
この「自分にとっての」というところがとても大切なのです。
勉強することの必要性は人に言われてもあまり効果がありません。
中には親に言われて、必要最低限のことをコツコツとやり続けている素直な子どもさんもいます。
けれどそれでも自らが必要性を感じていなければその学習効果はどれだけあるかはわかりません。
自分にとってこれが必要だと思えない限り、子どもは自ら動きだすことはないと思います。
そうした時に初めて自発的に勉強をするようになるはずです。