小学生から中学生になる。当たり前のようで、当たり前にはできない場合があります。
小学校にはない先輩後輩の上下関係、体格の差も顕著になり友達との関係も変わる、教科ごとに異なる先生。
今までとは違う世界へ順応することに時間がかかり、ひどくなると不登校になることも。
いわゆる「中1ギャップ」ですが、いつまで何事もなく過ごせれば大丈夫?
うちの子は「中1ギャップ」を感じずに通過できたのかしら?と思っているお母さん、「中1ギャップ」は時間がたってから表面化することもあるのです。
すっかり中学校になじんだつもりでも、子どもの中では慣れない気持ちが蓄積されていっていることも。
今回は「中1ギャップ」はなぜ起こるのか?そうなった時の対処方法をお伝えしていきます。
目次
中1ギャップの原因となる6つの要因
先にお伝えしたように、小学生と中学生の違いに順応できないことが原因です。
その要因となる小学生と中学生で主な違いは以下の6つです。
1.先輩、後輩の上限関係
小学6年生は、最高学年として下学年のお世話をするが、基本的には他学年とでも友達でいられる。例えば、友達の弟や妹など。
中学校では特に部活に入ると、以前は友達であっても先輩となり、上下関係が生まれ友人関係が崩れたと思ってしまう。
また、再建することがむずかしい。
2.時間の変化
小学生のうちは塾や習い事以外は放課後も友達と遊ぶことができる。
中学生になると部活によっては、授業後に数時間または休日も練習試合など、同じメンバーと一緒にいる時間が長く、自由になる時間が少ない。
3.先生との関係性
小学校は担任の先生がほとんどの教科を教えるので、先生との関係が密である。
中学校でも担任はいるが、教科ごとに先生が変わることや、その他に部活動の顧問の先生がいることから、どの先生に頼っていいのかわからない。
4.テストの負担
小学校でもテストはあるが、学習内容は親が教えることもできる範囲である。
中学校では親が教えることが困難になってくること、教科が増えることでついていけないと感じる場合がある。
また、中間テスト・期末テストなど成績においてテストのウエイトが高い。
5.自主性が不足
小学生のうちは親や先生がある程度決めてくれるベースにのっていけばよいことが多い。
中学生は自分で決めなくてはならない事も多く、急には変わることができない。
6.友人関係
6年間かけて築いてきた友達関係。同じ中学校に数校の小学校から入学してくるので、今までの友達関係がリセットされることもある。再構築するのに時間がかかる。
その結果、中学校が楽しくない、学校に行きたくないと不登校になったり、もっと深刻なケースでは自分を消してしまいたいとも考えてしまいます。
中1ギャップの反応がすぐに出るとは限らない
夏休み後に起こることも
この「中1ギャップ」ですが、4月や5月に不登校になることが普通ではなく、夏休み以降に起こる可能性だってあるのです。
入学してから夏休みまでは行事も多く、忙しいために自分でも気が付かないのですが、夏休みに入りある意味解放されて、夏休み明けに学校へ戻れなくなってしまうのです。
学習面に問題があるといつでも起こる
学習面でついていかれなくなった場合では、いつでも可能性があるので、ほぼ1年後に不登校になるケースも。
「学校へは行っているからうちの子は大丈夫」は過信かもしれません。
もしかしたら、子どもの心の不安は蓄積されているのかも。
ギャップは環境が変わるときには必ずあるもの
考えてみれば、小学校入学のときは「小1プロブレム」があり、中学校入学で「中1ギャップ」、高校入学で「高1クライシス」と、環境が変わることで子どもちはストレスを感じます。
もしかしたら、会社に入った時にも学生のときとは違い、仕事をするのにも責任が伴うプレッシャーに、または上司との関係に心が壊れることもあるかもしれません。
希望をもって新しい環境へ行くほど、いい事だけではない、嫌な面に遭遇した時に耐えられなくなるような気がします。
では、我が子が「中1ギャップ」に陥った時、どうしたらよいのでしょう?
ギャップは自身で乗り越えるしかない
大人だって、ときには自分でもどうしてよいのかわからなくなることもあります。
でもどうにかして生きていくしかないのです。
もしかしたら、「中1ギャップ」を経験した子どもの方が、その先にもある「ギャップ」に対処できるようになるかもしれません。
この先にもたくさんある「ギャップ」に結局は、子ども自身が対処していかなくてはならないのですから。
我が子が「中1ギャップ」に陥ったら
お住まいの地域で小・中一貫教育ができるという限られた方以外は、今まで通り「中1ギャップ」に対処していかなくてはなりません。
もし、我が子が「中1ギャップ」に陥ったら、克服できるまでとことん付き合ってあげましょう。壁は自分で乗り越えるからこそ強くなれます。親はいつまで子どもの隣にいてあげることがでいません。
我が子を信じること、それが親にできるサポートではないでしょうか?