子どもは成長と共に、少しずつ友だちと一緒に過ごす時間が増えていきます。
友だちと一緒に遊んだり、活動したりすることを通して、人との関わり方ややコミュニケーション能力を高めていきます。
親御さんも「友だちの大切さ」が分かっているからこそ、子どもが1人で遊んでいたりする姿をみたり、進学や進級、転校などで環境が変わる時に、「友だち作りは大丈夫だろうか」と心配になってしまいがちです。
今回は、子どもの友だち作りについて教員経験をもとにお話していきます。
目次
1人遊びから集団遊びへの変化
最近では、子どもが小さなうちから児童館や支援センターへ連れて遊びに行かれる方も多くなりました。
児童館や支援センターでは毎日違うプログラムが用意され、毎日通っても飽きず、親御さんにとっても気分転換ができるので貴重な遊び場になっています。
たくさんの子が集まっているからこそ、子どもにも「たくさんお友だちができるといいな」と考える親御さんも多いかと思いますが、子どもが小さなうちはどんなに願っても「友だち作り」だけでなく「一緒に遊ぶ」ことさえ難しいのです。
では、いつ頃から「一緒に遊ぶ」ことができるようになるのでしょうか。
1~2歳は子どもの興味を優先させてあげる
1歳頃になると多くの子どもが歩くようになってきます。
歩くようになってくると、興味があるもの、興味がある場所に自分から近づくことができ、自分の興味関心を満たすことがこの時期の子どもにとっては大切なことです。
この頃の子どもが一緒に遊ぶのは父母や祖父母、きょうだいといった信頼関係、愛着関係を築いた相手です。
周りの子どもには、関心はあっても、一緒に遊ぶことはありません。
2歳頃になってくると、周りの友だちへの関心が高まり、見ていただけの関係から、近くに行って別々に遊ぶ関係になっていきます。
3~4歳になって「友だちと遊ぶ」ことが出来るようになる
3歳頃になると、一緒に遊ぶことができるようになってきます。
しかし、相手の事を考えながら遊ぶことがまだ難しく、一緒に遊ぶことが「楽しい」ということは感じるようになってくる時期です。
4歳頃になってくると、自分の感じていることを言葉で伝えたり、遊びのルールを理解し、相手の事を考えた遊びができるようになってくるため、さらに「友だちと遊ぶ時間」が増えていきます。
このように子どもの時期により、遊び方は違うので、子どもの発達段階に合った遊び方をしましょう。
無理やり子どもの遊びを止めてまで、友だちと遊ばせる必要はありません。
時期が来れば、自然と「友だちと遊ぶ」ことが始まっていきます。
3歳を過ぎたけど1人遊びばかりで大丈夫?
上記で友だちと遊ぶことができる目安は3歳と書きましたが、必ずしも3歳になったから友だちができるわけではありません。
子どもにも、1人1人違った個性や性格があるからです。
そもそも誰かと遊ぶことより1人遊びが好きな子、何か興味のあるものを黙々とやるのが好きな子などもいることを忘れてはいけません。
大人だって1人で居たい時もあれば、仲間とワイワイしたいと思う時もあるはずです。
親のタイミングではなく、子どものタイミングを待ってあげることが大切です。
小学生の友だち付き合い!新しい環境でいつ友だちと遊べるようになる?
保育園や幼稚園は先生方が園児たちといつも一緒だったから、友だち関係はあまり心配しなかったけど、小学校に上がったら新しい場所で新しい生活もはじまり、友だちも作らなければいけないが、我が子は大丈夫だろうか、と心配される親御さんも非常に多いです。
小学校に入学したばかりの頃は、やはり幼稚園や保育園から一緒だった子同士、近所の子同士でくっつくことは多いです。
しかし、教員をしていた経験から言えば、それも本当に最初だけのことです。
すぐに新しいお友だちと遊べるようになります。
そのきっかけは、「席が隣同士だった」「グループ活動が一緒だった」「好きなものが一緒だった」など様々です。
学校行事をひとつ終えるまでは見守っていてあげましょう
また「学校行事」を通して、仲良くなることも多いので、普段の生活でなかなか友だちが出来ていなそうでも、「学校行事」をひとつ終えるまでは見守ってあげましょう。
それでもなかなか友だち作りができておらず、そのことで子どもが悩んでいたら、少しだけ親が手を貸してあげましょう。
友だちを作るためには、「自分から挨拶をしてみること」や「自分の話ばかりでなく、お友だちの話もしっかり聞いてあげること」などを伝え教えてあげましょう。
また、具体的に「お隣の席の子におはようっていってみたら?」などのアドバイスをしてあげてもいいかもしれませんね。
プレッシャーをかけない!それが親に出来る大切なこと
子どもにお友だちがいないのはかわいそう、としつこく「友だちできた?」や「友だち作らないの?」とプレッシャーをかけてはいけません。
子どもにとって「お友だち」はどんな存在なのかよく見守ってあげましょう。
たくさんのお友だちがいることが良いわけではありません。
その子にとって信頼できる子を見つけられたら、それも素晴らしいことです。
友達を作る過程を親は心の余裕を持って見守ろう
子どもたちにとって、好かれる子は「思いやりのある子」です。
いつも相手の気持ちを考え、友だちが嫌がることや傷つくことはしません。
「思いやりのある子」に育てるためには、「思いやりのある子育て」をすることが大切です。
自分が困っている時に、助けてもらった経験は、誰かが困っていた時に子どもが手を貸してあげられるきっかけとなるでしょう。
子どもが友だちを作る過程で親ができることは限られています。
歯がゆく思うこともあるかもしれませんが、子どもを信じて待ってあげられる心の余裕を親は持っていましょう。
友達は作るものではなく「できるもの」!子供のペースを見守ってあげよう
子どもの友だちづくりは、将来社会に出た時に、人間関係を構築するためのベースになることでしょう。
つまり、子どものうちから上手く友だちづくりができれば、社会に出たときにもスムーズに、どう人と関わっていけばよいか、理解しており、上手く関係構築ができるでしょう。
しかし、最初から上手く友だちを作れるわけではありません。
たくさんの出会いやたくさんの経験の中で、徐々に友だち作りは上手くなっていくのです。
友だちは「作るもの」ではなく「できるもの」だとよくいわれます。
「何らかのきっかけ」をゆったり親御さんと子どもさんで待ってみるのもよいでしょう。
待つことは気持ちの面からも難しく、大変です。
しかし私の教員経験から、その「きっかけ」は絶対にくるので、慌てず、リラックスした気持ちで、学校生活を送って欲しいと思います。