どんな子どもにも多かれ少なかれ起こっている問題です。
幼稚園や保育園とは異なり、机上で学習する時間の長さに耐えられなかったり、朝礼や全校集会などの集団行動がとれなかったりすることがあります。
また、先生の言うことを聞けない、お友達との距離感がわからずトラブルになることが多いなど、「学校」という世界になじむのに時間がかかる子どもが多くなってきています。
学童保育に関わっていた経験から、「どうしてうちの子は学校になじめないのかしら?」と悩んでいるお母さん、お父さんの参考になると幸いです。
目次
小1プロブレムとは
冒頭に説明したように小学校に入学したばかりの1年生に表れる以下のような問題行動
- 授業に堪えられない
- 集団行動がとれない
- 学校に馴染めない
これらが総称して「小1プロブレム」と呼ばれます。
小1プロブレムの原因
小学校に入学したての一年生は、どんな子どもでもある程度の緊張感やとまどいを感じています。
大人で例えるなら、新入社員として会社にはじめて勤めるのと似ています。右も左もわからない、指示されないと何をしてよいのかもわからないというのは、ストレスの原因になります。
子どもにだってストレスはあります。ただ、大人と違ってそのストレスの解消法や発散方法がわからないのです。
この自分の気持ちを表現できないことが小1プロブレムの原因と言われています。
入学時の一年生はどんな子どもストレスを抱えている
どんなにいい子でも入学時にはストレスを感じています。
「疲れた」「もっと遊びたい」「これはやりたくない」「つまらない」など、たくさんの想いがあります。
そのストレスをそのまま表現する子どももいれば、学校では耐えていて家で発散する子どももいます。
私が学童保育に勤務していた頃、4月5月になるとよく学童で発散している子どもを見受けました。
でも、表現できる子どもはまだいいのです。
優しいお子さんほど気をつけて
ストレスを表現できる子どもの方が、親や先生にしてみると状態がわかりやすいかもしれません。
その子どもの心理状態がわかれば対処のしようがありますよね。
それより気を付けてあげないといけないのは、ものわかりがよいと優しいと言われる「いい子」です。
ものわかりのよい「いい子」ほどストレスを発散することができません。
ストレスを上手く表現や発散できないと、学校に馴染めないだけでなく、ある日突然学校に行けなくなったり、体調に変化を生じることがあり、その方が危険です。
おとなしい、ものわかりがよいお子さんほど気をつけてみてあげてください。
「うちの子は大丈夫」なんてことはありません。
どんな子どもにでも「小1プロブレム」は起こりうることなのです。
小1プロブレムの対策
ですが、たくさんの小学1年生を見てきて、「こうしてみてほしいな」と思っていることをお話しします。
今日一日の出来事をきくこと
話をきくことが大事ですが、相手は小学1年生です。
筋道立ててお話しすることはなかなか難しいものです。
その中で、困っていることを聞き出すためには、「今日は何を勉強したの?」とか、「今日一番面白かったことは何?」、もしくは「今日の給食はおいしかった?」など、子どもが話しやすい事柄を選んで聞く方法がおすすめです。
話しやすい事柄から入ることで、そのあと嫌だったことや困ったことを話しやすくなります。
共感すること
話の中で嫌だったことや困ったこと、ストレスを感じていたと思われる事柄を聞いた時には、「それは嫌だったね」とか「えらかったね」など共感してあげることが重要です。
また、その中で「それっていじめ?」と思われるような事柄を聞いたとします。あなたならどうしますか?
そのお友達の親に抗議しますか?それとも先生にクレームを入れますか?
どちらもあまりいい対処とは言えません。
もちろん、叩かれたり、あきらかにケガをさせられたなどはすぐに対処しないといけません。もしそうではないなら、まずは子どもの話を一緒に整理してみましょう。
先に申し上げた通り、話し手は小学1年生です。
順序だててお話しすることがまだ難しい頃です。
「どうしてそうなったのか?」一緒に整理していくことで、自分でもお友達の気持ちを理解することができるようになるかもしれません。
そうして、だんだんとお友達とのトラブルを少なくしていけるといいですね。
生活のリズムを整える
これは親の気持ち次第ですぐに改善できる点です。
毎日同じ時間に子どもが起きられるように就寝時間を決めること、朝ごはんをきちんと食べられるようにすることなど、こちらの気持ち次第で実行できます。
「規則正しい生活が健全な心を育てる」といいますが、これは本当だと思います。
でも、ワーキングマザーには、ちょっとハードルが高いかもしれません。
疲れて帰ってきて、すぐに夕飯の準備をしての繰り返しでは疲れてしまいますよね。
お母さんが疲れていると、ついイライラしたり、先ほどのようなお話も子どもとできないかもしれません。
そうなっては意味がありません。毎日きちんとしていなくてもいいです。
週末はゆっくりしたっていいと思います。
「明日は学校だから早く寝ようね」でいいのです。
小1プロブレムは誰にでも起きる
どの子どもにも多かれ少なかれ「小1プロブレム」は起きます。
気付かないまま終わる小さいものであればよいのですが、ご両親が心配するほど大きなものになってしまうかです。
ただ、小さな子どもの順応性は大人が思っている以上に高いです。
子どもに寄り添ってあげることで小1プロブレムはきっと解決できるはずです。
[…] 「小1プロブレム」という言葉は、よく聞くようになりました。 […]