算数の単位換算を得意分野にしよう!効率的に単位換算を理解するコツとポイント

算数の勉強法

算数では数多くの単位が登場しますが、単位換算を苦手とする子どもは少なくありません。

一つひとつの単位は何となくわかっても、いざ単位換算が必要になると途端にわからなくなる、そんなお子さんは多いのです。

特に「1000㎤=1L」のように異なる単位間での換算もあり、効率的に理解するにはどうすれば良いか、気になる点も多いでしょう。

ここでは、塾講師の経験から算数の単位換算を理解するコツ・ポイントについてお話ししていきます。

理屈も含めてしっかり理解し、単位換算を得意分野にしていきましょう。

小学生で習う単位とは?

小学校の算数では様々な単位が登場し、低学年から高学年にかけて少しずつ学習の幅が広くなります。

学年ごとに分けると、

2年生で習う単位

  • 長さ(cm、mm、m)
  • 体積(L、dL、mL)
  • 時間(日、時、分)

3年生で習う単位

  • 長さ(km)
  • 重さ(g、kg、t)
  • 時間(秒)

4年生で習う単位

  • 面積(㎠、㎡、㎢、a、ha)
  • 角度(°)

5年生で習う単位

  • 体積(㎤、㎥)

といったようになります。

一方、これらの単位でつまずきやすいのが、単位の換算です。

各単位を正確に覚えることはもちろん、換算できるもの同士で正確に換算できるかが、単位の理解の大きなポイントとなるのです。

単位換算が複雑な理由

算数の単位換算は、例えば「2m=200cm」などのシンプルな例もあります。

一方、「1㎢=100ha」「1000㎤=1L」など、異なる単位での換算も理解しなくてはなりません。

また、「2m50cm=2.5m」など、小数で表すことができる場合もあり、小数の理解も必要になります。

このように、単位換算といってもつまずきやすいポイントは多く、このあたりは暗記だけでなく理屈も含めて理解することが大事です。

中学受験の有無を問わず単位の理解は必要不可欠

中学受験をするしないを問わず、小学校の算数における単位の理解は非常に重要です。

これは中学校以降の数学でも多く登場しますので、小学校のうちに単位換算も含めて正確に理解しておく必要があります。

以下、中学受験の有無を問わず、算数一般の話として単位換算のコツ・ポイントを整理していきます。

算数の単位換算を効率的に理解するためのコツとポイント!

楽しく勉強をする小学生

単位というと暗記事項のイメージがありますが、単位の換算を全て丸暗記しようとしても難しいでしょう。

何より、理屈がわかっていないと丸暗記しても記憶は長続きしません。

それこそ「1cm=10mm」のように理屈抜きで暗記できそうなものもありますが、ただ全てを丸暗記しようとするのは非効率的でしょう。

それよりは覚え方を工夫し、理屈も理解し、より記憶に残る形で学習することが大事です。

以下、単位換算を理解するコツ・ポイントについてお話ししていきます。

m(ミリ)とk(キロ)の関係を考える

まず、m(ミリ)とk(キロ)の関係を考えてみましょう。

m(メートル)で考えると、1mm(1ミリメートル)に1000をかけると1m(メートル)になります。(1000mm=1m)

また、1m(メートル)に1000をかけると1km(キロメートル)になります。(1000m=1km)

このように、mm(ミリメートル)とkm(キロメートル)は、間にm(メートル)をおいて考えると理解が深まります。

1mmを1000倍すれば1mになりますし、さらにその1mを1000倍すれば1kmになるわけです。

この関係はg(グラム)やL(リットル)でも同じです。

1mg(ミリグラム)を1000倍すると1g(グラム)に、1g(グラム)を1000倍すると1kg(キログラム)となります。

同じように、1mL(ミリリットル)を1000倍すると1L(リットル)、1L(リットル)を1000倍すると1kL(キロリットル)になります。

このように、m(メートル)、g(グラム)、L(リットル)に関して、m(ミリ)とk(キロ)で共通することを理解してイメージすると、記憶に残りやすくなります。

m(メートル)とL(リットル)の注意点

なお、m(メートル)に関してはcm(センチメートル)が、L(リットル)にはdL(デシリットル)があるため、ここは個別に換算を覚える必要があるでしょう。

cmであれば「1cm=10mm」「1m=100cm」、dLであれば「1dL=100mL」「1L=10dL」となるので、それぞれ個別に換算を覚えましょう。

ただこの場合も、1mmを10倍すると1cmに、さらにその1cmを100倍すると1mになるという流れを頭の中でしっかりイメージしてください。

単に「1cm=10mm」「1m=100cm」で別々に覚えるのではなく、しっかり関連づけて覚えたほうが記憶に残ります。

また、「1mmを10倍すれば1cm、その1cmを100倍すれば1m」というのは、先ほど挙げた「1mmを1000倍すれば1m」と結果的に同じになることがわかるでしょう。(10倍×100倍=1000倍)

このように、いろいろな関連事項をまとめて整理してみてください。

同じように、1mLを100倍すると1dLに、その1dLを10倍すると1Lになることを理解し、結果的に「1mLを1000倍すれば1L」と同じになることを確認し、理解を深めると良いでしょう。(100倍×10倍=1000倍)

なお、1cmは1mmの10倍ですが、1dLは1mLの100倍となります。

(「1cm=10mm」「1dL=100mL」)

このあたりの違いはしっかり覚え、互いに混同しないよう整理しましょう。

g(グラム)の注意点

さらにg(グラム)に関しては、「1000kg(キログラム)=1t(トン)」となりますので、こちらも覚えておきましょう。

g(グラム)とt(トン)で単位が変わりますが、「1000kg=1t」という知識をまとめて整理しておいてください。

1mgを1000倍すると1g、1gを1000倍すると1kg、さらにその1kgを1000倍すると1t(=1000kg)となることを、しっかり頭の中でイメージしながら覚えましょう。

㎡(平方メートル)と㎥(立方メートル)に注意しよう

次に注意すべきは、㎡(平方メートル)と㎥(立方メートル)です。

上記で挙げたm(メートル)だと、「1m=100cm」ですが、これが㎡(平方メートル)になると、「1㎡=10000㎠」になります。

さらに㎥(立方メートル)になれば、「1㎥=1000000㎤」となります。

このように㎡(平方メートル)と㎥(立方メートル)はm(メートル)とは異なり、先ほど例に挙げたm(ミリ)とk(キロ)の関係も変わってくるので注意が必要です。

丸暗記ではなく理屈から覚える

「1m=100cm」「1㎡=10000㎠」「1㎥=1000000㎤」を全て丸暗記しようとしても、なかなか記憶には残らないでしょう。

ここはしっかり理屈でおさえる必要があります。

まず㎡(平方メートル)から見ると、㎡は面積の単位であり、1m×1mの面積は1㎡で表すことができます。

ここで「1m=100cm」にすると、「100cm×100cm=1㎡」となり、これを「1㎡=10000㎠」と表す形になるのです。

また、㎥(立方メートル)は体積の単位となり、1m×1m×1mの体積は1㎥で表すことができます。

ここで「1m=100cm」にすれば「100cm×100cm×100cm=1㎥」となり、これを「1㎥=1000000㎤」と表すことができるわけです。

このように、「1㎡=10000㎠」「1㎥=1000000㎤」で全て丸暗記するのではなく、「1m=100cm」という知識をベースに、それぞれ面積と体積を表すことを理解し、理屈やイメージから記憶に残るようにしてみてください。

異なる単位の関係を理解する

単位換算の中には、「1000㎤=1L」など、異なる単位間で換算が必要な場合があります。

ここは特につまずきやすい分野ですが、一つひとつ理屈を整理しましょう。

容積を示すL(リットル)と体積を示す㎥(立方メートル)

L(リットル)は容積を示し、㎥(立方メートル)は体積を示しますが、この容積と体積は同じように考えることができます。

だからこそL(リットル)と㎥(立方メートル)で換算が可能であり、その数値は「1000㎤=1L」などとなるわけです。

この「容積と体積は同じように考えることができる」という点が理解できないと、「単位が違うのになぜ「1000㎤=1L」になるのか?」という疑問が出てしまうでしょう。

単位換算を覚える前に、まず容積と体積の関係から整理することが大事です。

容積と体積の関係

容積は、容器の中にどれくらいの量が入るかを表すものです。

一方、体積というのは、ある立体が空間においてどれくらいの大きさがあるかを表します。

この容積と体積を混ぜて考えてみましょう。

要するに容積というのは、「容器という立体」にどれくらいの量があるか?を示すものです。

これは、ある立体が空間においてどれくらいの大きさ(量)があるか?という体積の話としても考えられるので、つまりは容積と体積は同じように考えることが可能というわけです。

大まかに言えば、容積は容器(立体)の中に入る容量を体積で示したものであり、だからこそ容積と体積は互いに換算可能となるのです。

容積と体積の換算

具体的に見ていきましょう。

1L(リットル)というのは、一辺が10cmの立方体分の体積を表します。

つまり「1L=10cm×10cm×10cm」となり、これが「1L=1000㎤」となるわけです。

簡単に言うと、1000㎤の立方体に入る容量が1Lとなります。

例えば、1000㎤の立方体分の容器があり、そこに水を満タンに入れれば、その水の容量が1Lということになります。

なお、先ほど見たように、1Lは1000mLです。

「1L=1000mL」「1L=1000㎤」、つまり「1000mL=1000㎤」となり、要するに「1mL=1㎤」となるわけです。

また、1㎥は1000000㎤ですから、「1000㎤=1L」を当てはめると「1㎥=1000L」となります。

このように関連づけて覚えると、知識と理解はどんどん広がります。

全てをただ丸暗記しようとするのではなく、関連事項を整理して覚えていくと、勉強も楽しいものになるはずです。

その他の異なる単位間の換算ポイント

ha(ヘクタール)、a(アール)について

面積に関しては、「1㎢(平方キロメートル)=100ha(ヘクタール)」「1ha(ヘクタール)=100a(アール)」、「1a(アール)=100㎡(平方メートル)」となりますので、ここは個別に覚えておく必要があります。

ただ、この場合も単に丸暗記するのではなく、「1a=100㎡」を基準に、「100a=10000㎡」「100a=1ha」、つまり「1ha=10000㎡」とし、そこから「100ha=1000000㎡」、つまり「100ha=1㎢」というように、一つひとつ整理して覚えていくと良いでしょう。

なお、1㎢は1km×1km、つまり1000m×1000mとなり、「1㎢=1000000㎡」と表せるわけです。

こうした基本も、その都度確認し直すと理解が深まります。

mL(ミリリットル)とcc(シーシー)

容積の単位のmL(ミリリットル)は、cc(シーシー)で表すこともできます。

mLを使うことが多いように思えますが、ccで表すことが可能という点は知っておきましょう。

「1L=1000mL=1000cc」「1dL=100mL=100cc」といったように、LとdLも含めて整理しておいてください。

時間の単位

時間の単位は、「日」「時間」「分」「秒」があります。

1秒を60倍すると1分、1分を60倍すると1時間、さらに1時間を24倍すると1日になります。

秒から分、分から時間は一つひとつ60倍していけば良いですが、1日は24時間になるので、このあたりを混同しないようにしましょう。

時間の単位は日常生活でも多く登場するため、比較的イメージしやすいかと思いますが、しっかり正確に換算できるようにしておきましょう。

単位換算で必ず注意したい2つのこと

ここまでの話を大前提として、単位換算で注意したいその他のポイントについてです。

1.小数の知識は正確にしておくこと

単位換算では、小数の知識も非常に重要になります。

例えば1cmは10mmですが、1mmは0.1cmとなります。

「1cm=10mm」という換算について、「じゃあ1mmは何センチになる?」と聞かれたら、1cmの10分の1、つまり0.1cmになる、という流れを正確に理解しなくてはなりません。

また、「2m50cm=2.5m」のように、一つの単位で答えるときに小数で表す必要がある場合もあります。

このあたりは小数や分数の知識ですので、正確におさえておきましょう

小数での換算につまずいてしまうお子さんは少なくありません。

ただ、この点は小数の勉強をしっかり行うことでカバーできますので、小数や分数に苦手意識のある場合、まずは簡単な問題からでいいので学習を重ね、理解を深めておいてください。

2.問題指定を正確に守ること

問題文で「〇〇の単位で答えなさい」といった指定がある場合、当然ながらその単位で正確に答えなくてはなりません。

例えば「cmで答えなさい」という問題指定があれば、計算でm(メートル)で答えを出したとしても、そこからcmに換算したうえで解答しなくてはならないのです。

この問題指定をしっかり確認せず、単位を間違えるようなケアレスミスはとにかく避けてください。

せっかく計算式が合っているのに、必要な単位換算を忘れてミスしてしまうのは非常にもったいないです。

問題指定は必ず守るという習慣は、単位換算以外の分野・単元でも非常に重要なことです。

日頃の問題演習などでしっかり意識するようにしてください。

算数が苦手な子

単位換算でつまづかないために一つひとつ整理しながら覚えよう

今回は、算数の単位換算を理解するコツ・ポイントについてお話ししていきました。

算数では様々な単位が登場し、単位換算は特につまずきやすい部分ですが、小学生のうちにしっかり理解することが大切です。

また、単位はただ全て暗記すれば良いというものではなく、理屈も含めて理解を深める必要があります。

特に単位換算は、単なる丸暗記ではなかなか記憶に定着しません。

そこで覚え方を工夫し、m(ミリ)とk(キロ)の関係を考えたり、m(メートル)・㎡(平方メートル)・㎥(立方メートル)の違いを意識したりなど、より記憶に残るよう、しっかり理屈をおさえることが大事です。

また、異なる単位間での換算は特につまずきやすいので注意しなくてはなりません。

特にL(リットル)と㎥(立方メートル)に関しては、単に「1000㎤=1L」などを暗記するだけでなく、容積と体積の意味から考えると理解が深まります。

そのほか、ha(ヘクタール)やa(アール)、mL(ミリリットル)とcc(シーシー)、そして時間の単位なども、一つひとつ整理しながら覚えましょう。

さらに、小数の知識を正確にしておくこと、問題文で指定された単位を守ることなども、併せて意識しておいてください。

このような点も踏まえ、スムーズな単位換算ができるよう、実力を磨いていきましょう。