品川女子学院中等部は、東京都品川区にある私立の女子中高一貫校です。
ここでは、品川女子学院中等部の特色や受験情報、気になる倍率などをご紹介していきます。
目次
品川女子学院中等部の特色
品川女子学院は「自ら考え、自らを表現し、自らを律する」を校是とし、女性ならではの個性、教養などを重視した教育を行っています。
生徒の28歳をイメージして、そこから人生設計を考えるというライフデザイン教育「28project」が基本理念となっており、座学と体験が組み合わさった学習指導などを通じ、幅広い一貫教育が展開されています。
学校の沿革
1925年に荏原女子技芸伝習所が開設、1926年に荏原女学校が設立されたのち、1929年には品川高等女学校が開校されました。
学制改革により1947年に品川中学校が、1948年に品川高等学校が設置され、1991年には品川女子学院へ校名変更されています。
同年、6ヵ年一貫教育がスタートし、2004年には中高完全一貫制となり、現在に至ります。
施設
主な施設としては、各教室をはじめ、カフェテリア、屋上テニスコート、図書室・閲覧室、体育館、CAI教室、講堂などがあり、充実した施設環境が整っています。
進学先
2023年の進路進学データによる進学者数は、一橋大学1名、早稲田大学12名、慶應義塾大学6名、上智大学7名、立教大学10名など、国公立大学や難関私立大学も含めた進学実績が見られます。
学校周辺の環境
品川女子学院中等部・高等部へのアクセスは次の通りです。
- 京浜急行北品川駅から徒歩約2分
- 京急線(都営浅草線直通)とJR線品川駅の高輪口から徒歩約12分
また、バスを利用する場合、大井町駅東口から約10分、五反田駅から約7分でアクセスすることができます。
大井町駅東口からは東急バス[品94]品川駅行(「北品川」下車、バス停前)または[渋41]渋谷駅行(「新馬場駅前」下車、徒歩約5分)を、五反田駅からは都営バス[反96]五反田駅循環(「八ツ山橋」下車、徒歩約5分)を利用します。
多くの電車・バス路線を活用でき、多方面からのスムーズな通学が可能となっています。
品川女子学院中等部の受験情報
試験日と募集人数
試験日 | 募集人数 | |
第1回 | 2月1日(木) | 90名 |
算数1教科午後 | 2月1日(木)午後 | 20名 |
第2回 | 2月2日(金) | 60名 |
表現力・総合型 | 2月4日(日) | 30名 |
試験科目と配点
試験科目 | 配点 | |
第1回 | 4科目(国・算・社・理) | 国語(50分・100点満点)、算数(50分・100点満点)、社会・理科(2科目合わせて60分・各60点満点) |
算数1教科午後 | 算数 | 60分・100点満点 |
第2回 | 4科目(国・算・社・理) | 国語(50分・100点満点)、算数(50分・100点満点)、社会・理科(2科目合わせて60分・各60点満点) |
表現力・総合型 | 試験Ⅰ、試験Ⅱ | 試験Ⅰ(読解・論述/50分・40点満点)、試験Ⅱ(4科目総合/70分・120点満点) |
表現力・総合型の試験は試験Ⅰはおもに算・社・理の3科目、試験Ⅱは読解・論述などが試される、という形式に特徴があります。試験としては3科目の内容が問われますが、より表現力を重視した試験とされています。
また、帰国生入試の試験日は2023年11月12日(日)となります。
こちらは募集人数の定めはなく、試験内容は国語(読解・作文/50分)、算数(40分)、面接(日本語/受験生のみ/1人10分程度)となっています。
品川女子学院中等部の偏差値と倍率
偏差値
品川女子学院中等部の偏差値を80偏差値で見ると次の通りです。
第1回 | 52 |
算数1教科 | 58 |
第2回 | 52 |
第3回 | 52 |
倍率
2023年度の実質倍率は次の通りです。
受験者数 | 合格者数 | 倍率 | |
第1回 | 315名 | 122名 | 2.6倍 |
算数1教科 | 301名 | 132名 | 2.3倍 |
第2回 | 369名 | 118名 | 3.1倍 |
第3回 | 224名 | 31名 | 7.2倍 |
特に第3回の倍率が高く、他日程と差をつけています。
品川女子学院中等部の入学後の学費
入学金 | 250,000円 |
授業料 | 480,000円 |
施設維持費 | 150,000円 |
施設設備資金 | 96,000円 |
P T A 会費 | 12,000円 |
後援会費 | 6,000円 |
生徒会費 | 9,600円 |
副教材等予納金 | 130,000円 |
合計 | 113万3600円 |
*2023年度の入学金、入学後初年度納入金です。
品川女子学院中等部の入試問題と対策
以下、算数・国語・社会・理科の4科目につき、対策ポイントをご紹介します。
算数
試験時間は50分、配点は100点満点となっています。(算数1教科午後の場合は試験時間60分)
大問は6問で、大問1が計算問題、大問2・3が小問集合、大問4以降が応用問題という出題構成です。
全体的に途中式や考え方を書かせる問題が多いので、注意しなくてはなりません。
普段から途中式・考え方をわかりやすく示す練習をしておき、書き方に慣れておきましょう。
また、計算問題や小問集合で確実に得点できる問題は、ケアレスミスをせずしっかり正答し、得点源とすることが大切です。
頻出分野としては、図形、速さ、特殊算、割合、場合の数などが挙げられます。
過去問から頻出分野を確認し、特に重点的に対策しておきましょう。
国語
算数と同様、試験時間は50分、配点は100点満点となります。
大問は4問程度で、漢字、知識問題、小説文、説明文から出題されています。
読解問題の設問形式は、記号問題、書き抜き問題のほか、記述問題も多い傾向があります。
過去問をはじめ、問題演習を日頃から行い、様々な設問形式に対応できる力を養っておきましょう。
記述問題が比較的多いこともあり、時間的な余裕も少なくなります。
過去問から時間配分の感覚もしっかりつかんでおきましょう。
社会
配点は60点満点、試験時間は理科と合わせて60分です。
理科との兼ね合いを踏まえ、時間配分には特に注意する必要があります。
大問は3問で、各分野からまんべんなく出題されます。
一方、歴史分野の出題が多い場合もあるため、過去問から頻出分野をよく確認しておきましょう。
また、地図やグラフ、資料を活用した問題や、時事問題などの出題も見られます。
過去問をはじめ、似た傾向の問題演習を日頃から行い、設問形式に慣れておくようにしましょう。
理科
こちらも配点は60点満点で、試験時間は社会と合わせて60分となります。
社会も含め、時間配分には十分に注意しましょう。
大問は3問となり、各分野からまんべんなく出題されるほか、総合問題形式の出題も見られます。
各分野の知識を横断的に整理し、総合問題などの様々な設問形式に慣れておきましょう。
また、記述問題や計算問題など、時間のかかる設問も出題されています。
時間的な余裕は少ないので、速く正確に解きこなす力を鍛えることが大切です。
過去問
受験者平均点・合格ラインの特徴
受験者平均点
受験者平均点 | 平均点割合 | |
第1回 | 184.9点(320点満点) | 57% |
算数1教科 | 54.5点(100点満点) | 54.5% |
第2回 | 187.7点(320点満点) | 58.6% |
第3回 | 89.7点(160点満点) | 56% |
第1回・算数1教科・2回・3回の平均点はいずれも5割後半となっています。
合格ライン
合格ライン点 | 合格ライン点割合 | |
第1回 | 199点(320点満点) | 62.1% |
算数1教科 | 58点(100点満点) | 58% |
第2回 | 208点(320点満点) | 65% |
第3回 | 111点(160点満点) | 69.3% |
第1回、第2回は6割台前半、第3回は第1回・2回より上がって6割台後半、そして算数1教科は5割以上の合格ラインとなりました。
品川女子学院中等部合格のために必要なこと
品川女子学院の入試日程は4科目受験だけでなく、算数1科目のみの日程もあります。
さらには「試験Ⅰ・Ⅱ」という形で4科目が総合的に出題される日程もあるため、各日程の試験内容には十分注意しておきましょう。
特に4科目受験では、科目ごとの特徴をおさえて効率的に対策を行う必要があります。
例えば、算数であれば途中式・考え方を書かせる問題に慣れておくこと、国語は記述問題も含めて様々な設問形式に注意すること、社会と理科は2科目合わせて60分となるため、特に時間配分を意識することなど、注意すべきポイントをおさえ、対策を進めていきましょう。
こうした対策ポイントや、日程ごとの科目、そして合格ラインや倍率なども踏まえ、入試日程を検討することが重要です。