三輪田学園中学校は、東京都千代田区にある私立の女子中高一貫校です。
この記事では、三輪田学園中学校の受験予定者なら知っておきたい学校の特色や受験情報、入試傾向・対策などをご紹介していきます。
目次
三輪田学園中学校の特色
三輪田学園中学校・高等学校では「誠のほかに道なし」を教訓とし、「徳才兼備の女性の育成」を教育理念に、豊かな人間性・高い知性を重視した教育が行われています。
2021年からは「哲学・探究する女性」「挑戦・行動する女性」をより積極的に育て、「哲学対話」をカリキュラムに入れるほか、「探究学習 “MIWADA-HUB”」を新たに導入するなど、思考力や問題解決力が特に重要視されています。
行事や道徳教育、語学教育なども充実しており、教科学習にとどまらない幅広い教育が特徴的です。
学校の沿革
1887年、翠松学舎が開校され、1902年には三輪田女学校が開校、1903年に三輪田高等女学校となりました。
学制改革により、1947年に三輪田学園中学校、1948年に三輪田学園高等学校となり、現在に至ります。
進学先・合格実績
2024年度の合格実績(現役生)を見ると、国立看護大学1名、信州大学1名、慶應義塾大学2名、上智大学3名、東京女子医科大学2名など、国公立大学や難関私大も含めた幅広い実績が見られます。
施設
主な施設には、普通教室、理科室、調理室、被服室、プール、体育館、グラウンド、音楽室、美術教室、進路指導室、相談コーナー、講堂、図書館・講義室などがあり、充実した施設環境が整っています。
学校周辺の環境
- JR中央線・総武線「市ヶ谷駅」から徒歩約7分
- JR中央線・総武線「飯田橋駅」から徒歩約8分
- 東京メトロ有楽町線・都営新宿線「市ヶ谷駅A4出口」から徒歩約6分
- 東京メトロ有楽町線・南北線「市ヶ谷駅5出口」から徒歩約7分
- 東京メトロ有楽町線・南北線「飯田橋駅B2a出口」から徒歩約8分
- 都営大江戸線・東京メトロ東西線「飯田橋駅A3出口」から徒歩約9分
- 東京メトロ半蔵門線・東西線「九段下駅1番・2番出口」から徒歩約15分
市ヶ谷駅と飯田橋駅はJR線と地下鉄線で多くの路線が乗り入れており、多方面からスムーズなアクセスが可能です。
また、市ヶ谷駅、飯田橋駅のほか、九段下駅からも通学できます。
三輪田学園中学校の受験情報
試験日程
第1回:2025年2月1日(木)
第2回:2025年2月2日(金)
第3回:2025年2月3日(土)
募集人数
- 第1回
午前(2科・4科):60名
午前(英検利用):10名
午後(2科):25名
- 第2回
午前(2科・4科):40名
午前(英検利用):10名
- 第3回
午前(2科・4科):25名
試験科目と試験時間・配点
試験科目
- 第1回
午前(2科・4科):2科目(国語・算数)、4科目(国・算・社・理)のいずれかを選択
午前(英検利用):英検級及び2科目(国語・算数)
午後:2科目(国語・算数)
- 第2回
午前(2科・4科):2科目(国語・算数)、4科目(国・算・社・理)のいずれかを選択
午前(英検利用):英検級及び2科目(国語・算数)
- 第3回
午前:2科目(国語・算数)、4科目(国・算・社・理)のいずれかを選択
試験時間・配点
国語 | 45分(100点) |
算数 | 45分(100点) |
社会 | 25分(50点) |
理科 | 25分(50点) |
三輪田学園中学校の偏差値と倍率
偏差値
三輪田学園中学校の偏差値(80偏差値)は以下のようになります。
2月1日(1回午前) | 48 |
2月1日(1回午後) | 52 |
2月2日 | 50 |
2月3日 | 50 |
倍率
2024年度の中学入試結果を見ると、受験者数と合格者数、実質倍率は次のようになります。
- 2月1日(第1回午前)
2科・4科合計 | |
受験者数 | 287名 |
合格者数 | 77名 |
実質倍率 | 約3.7倍 |
英検利用 | |
受験者数 | 65名 |
合格者数 | 37名 |
実質倍率 | 約1.6倍 |
- 2月1日(第1回午後)
受験者数 | 485名 |
合格者数 | 159名 |
実質倍率 | 3倍 |
- 2月2日(第2回)
2科・4科合計 | |
受験者数 | 330名 |
合格者数 | 68名 |
実質倍率 | 約4.9倍 |
英検利用 | |
受験者数 | 63名 |
合格者数 | 37名 |
実質倍率 | 1.7倍 |
- 2月3日(第3回)2科・4科合計
受験者数 | 296名 |
合格者数 | 53名 |
実質倍率 | 約5.6倍 |
三輪田学園中学校の入学金・学費
入学金
300,000円
学費(年額)
授業料 | 444,000円 |
実験実習料 | 90,000円 |
施設設備費 | 150,000円 |
父母の会会費 | 2,160円 |
半期分合計 | 686,160円 |
上記のほかに積立金(年額)130,000円、制服・学用品などで諸費用が発生します。
*参考:2023年度学費
三輪田学園中学校の入試問題と対策
算数
試験時間は45分、配点は100点満点となります。大問は5問で、大問1が計算問題、大問2が小問集合、大問3以降が大型問題で構成されています。
大問3以降は解答だけでなく途中式も記述させる形式のため、注意しなくてはなりません。
採点者にしっかり伝わるよう、日頃から途中式をまとめる習慣をつけておきましょう。
こうした記述式の問題は特に慣れが重要ですので、過去問演習はもちろん、同じような形式の問題にも多く触れ、実力を鍛えることが大事です。
全体として基本レベルの問題が中心と言えますが、記述式の解答が多いことを踏まえると、時間的な余裕が多いとは言えません。ケアレスミスは絶対にせず、スピーディかつ正確に解き進めることがカギです。
国語
算数同様、試験時間は45分、配点は100点満点です。大問は2~3問で、大問1が漢字の読み書き、大問2以降が読解問題となっています。
読解問題は記述問題の割合が比較的高く、注意が必要です。
選択肢問題もありますが、書き抜きや記述で時間がかかる場合があるので、時間配分には十分注意しなくてはなりません。
過去問演習で時間配分の感覚をしっかりつかみ、テキパキ解く練習を重ねましょう。本文を素早く正確に読解することはもちろん、各形式の設問も素早く正確に解くという意識が大切です。
普段の問題演習でも時間はきちんと意識して取り組みましょう。
また、漢字の読み書きのほか、読解問題の設問で四字熟語などの知識問題が出題されることもあります。
ケアレスミスは避け、しっかり得点源になるようにしましょう。
社会
試験時間は25分、配点は50点満点となっています。大問は3問で、地理・歴史・公民分野からまんべんなく出題されます。
設問形式は幅広く、選択肢問題、適語記入問題、記述問題などがあります。
オーソドックスな設問形式ですが、試験時間が25分でとにかく短いため、各形式の設問を素早く正確に解く力が必要です。
過去問演習はもちろん、日頃の問題演習でも時間を意識し、テキパキ解き進めるトレーニングをしておきましょう。
また、資料や地図なども多く登場するほか、大問のリード文も長いものがあり、注意が必要です。
与えられた情報を素早く理解する情報処理能力が大切ですので、こちらも日頃の問題演習を通じてしっかり鍛えておきましょう。
理科
社会同様、試験時間は25分、配点は50点満点となります。大問は5問で、4分野から幅広く出題されています。
設問形式は選択肢問題、適語記入問題、記述問題、計算問題のほか、グラフに記述する問題なども見られます。
こちらも試験時間が短いため、様々な形式の設問をテキパキこなす力が必要不可欠です。
また、大問のリード文は長くありませんが、大問の数は5問と多く、比較的ボリュームのある問題構成になっています。
過去問演習・問題演習を徹底し、とにかく時間に気をつけながら解き進める練習を重ねましょう。
基本知識を幅広く正確にすることは大前提ですが、そこに加え、入試傾向に沿った実力を磨くことが重要になります。
過去問
受験者平均点・合格最低点の特徴
2024年度の中学入試結果を見ると、受験者平均点・合格最低点は次のようになります。
受験者平均点
<200点満点(4科生は4科合計点を200点満点に換算(1.5で割った換算点))>
第1回午前(2科) | 124.8点 |
第1回午前(4科) | 129.2点 |
第1回英検利用 | 144.3点 |
第1回午後 | 132.5点 |
第2回(2科) | 121.9点 |
第2回(4科) | 125.5点 |
第2回英検利用 | 148.1点 |
第3回(2科) | 114.4点 |
第3回(4科) | 119.8点 |
合格者最低点
第1回午前(2科・4 科) | 141点 |
第1回英検利用 | 144点 |
第1回午後 | 142点 |
第2回(2科・4 科) | 141点 |
第2回英検利用 | 144点 |
第3回(2科・4 科) | 138点 |
合格者最低点はいずれも7割を超えているので、8割が合格ラインとなりました。
このうち第1回、第2回英検利用と第1回午後の平均点も特に高く、いずれも7割を超えています。
三輪田学園中学校合格のために必要なこと
三輪田学園中学校の入試問題は全体的に基本レベルの問題が中心ですが、各科目で特徴的な出題が多く、傾向に合わせた対策をしっかり行う必要があります。
例えば算数であれば、途中式を正確に記述する練習をしておくこと、国語は記述問題の割合も多いので注意すること、社会は長めのリード文や資料の読み取りを正確に行うこと、理科は大問が多いので注意すること、など、それぞれの科目の特徴を知り、傾向に沿った実力を磨くことが大切です。
さらに、社会と理科は試験時間が短いので、時間配分には十分注意しなくてはなりません。
また、算数と国語も時間的な余裕が多いとは言えないので、スピーディかつ正確に解き進める練習が必要不可欠です。
こうした点に注意し、傾向をしっかり把握し、問題演習や過去問演習を通じて実力を磨いていきましょう。