成城中学校は、東京都新宿区にある私立の男子中高一貫校です。
今回は成城中学校の受験予定者なら知っておきたい、学校の特色や受験情報、倍率・偏差値や学費、入試の傾向などをご紹介していきます。
目次
成城中学校の特色
成城中学校・成城高等学校は「社会に有為な人材を育成する」という建学の精神のもと、「授業第一主義」「自学自習」といった堅実な校風に特徴があります。また、「文武両道主義」の伝統があり、勉強だけでなく部活動も活発に行われています。
中高一貫6年間のカリキュラムとしては、中学1年・2年が基礎学力養成期、中学3年・高校1年が進路決定期、高校2年・3年が実力完成期とされ、自学自習の確立から受験体制に至るまで、着実に進むカリキュラムが編成されています。
また、堅実な校風が特徴ですが、校内研修の中でカリフォルニア大学の学生と議論を行う「エンパワーメント・プログラム」など、グローバルな教育にも強みがあります。
学校の沿革
1885年に「文武講習館」として創立され、翌年に成城学校へ改称、さらに1917年には成城中学校に改称されました。
1947年に新制の成城中学校が、1948年には新制の成城高等学校が発足し、現在に至ります。
進学先・合格実績
2023年度の大学合格状況を見ると、国公立大学の合格実績のほか、早稲田大学35名、慶應義塾大学25名、上智大学25名、東京理科大学42名といった私立の難関大学の合格実績も見られます。
施設
普通教室、実験室、職員室、自習室、進路指導室、イングリッシュルームなどの各教室のほか、屋外温水プール、グラウンド、地下体育室、図書館、自習室など、様々な施設環境が整っています。
学校周辺の環境
成城中学校・成城高等学校は、都営地下鉄大江戸線の牛込柳町駅から徒歩1分でアクセスできます。
大江戸線は新宿駅をはじめ都心に多くの駅があり、他の路線とのアクセスに優れており、多方面からの通学が可能です。
成城中学校の受験情報
試験日
- 第1回:2024年2月1日(木)
- 第2回:2024年2月3日(土)
- 第3回:2024年2月5日(月)
募集人員
- 第1回:100名
- 第2回:140名
- 第3回:40名
試験科目・配点
いずれの日程も4科目型となります。
科目 | 試験時間 | 配点 |
国語 | 50分 | 100点 |
算数 | 50分 | 100点 |
社会 | 30分 | 60点 |
理科 | 30分 | 60点 |
成城中学校の偏差値と倍率
偏差値
成城中学校の偏差値を80偏差値でみると次の通りです。
第1回 | 51 |
第2回 | 55 |
第3回 | 55 |
倍率
令和4年度の入試結果を見ると、倍率は以下のようになります。
受験者数 | 合格者数 | 倍率 | |
第1回 | 362名 | 134名 | 2.7倍 |
第2回 | 685名 | 228名 | 3.0倍 |
第3回 | 457名 | 70名 | 6.5倍 |
成城中学校の入学後の学費
令和2年度の入学金や学費等は以下の通りです。
入学金 | 280,000円 |
授業料 | 450,000円 |
施設費 | 50,000円 |
維持費 | 150,000円 |
その他 | 36,800円 |
以上を合計すると、初年度で124万6800円となります。
成城中学校の入試問題と対策
算数
試験時間は50分、配点は100点満点となっています。大問は9~10問程度で、計算問題、比、割合、規則性、数の性質、グラフ、面積、体積などから出題されます。
大問数が多い一方、全体的な設問数はそこまで多くありません。ただし、1問に時間がかかる場合もあり、時間的な余裕は比較的少ないです。過去問演習を徹底し、時間配分の感覚はしっかり養う必要があります。
全体として基本レベルの問題が中心ですが、幅広い分野から出題されることもあり、決して油断はできません。
基本を幅広くおさえたうえで、それを各分野の設問で正しく活用できるかどうかがカギです。
特に比・割合や図形の考察など、基本レベルとはいえ一筋縄ではいかない問題もあります。基礎の定着に加え、そこから思考・考察する習慣をつけ、実力を伸ばしていきましょう。
基礎ができていないと逆に解けないような問題も多いので、頻出分野をはじめ、幅広い範囲で基礎を磨き、本番に備えることが重要です。
国語
算数と同じく、試験時間は50分、配点は100点満点です。大問は3問で、漢字・知識問題が1題、説明文・論説文が1題、小説文・物語文が1題で構成されます。
読解問題は選択肢問題や記述問題がバランスよく出題され、いずれも十分な対策が必要です。
記述問題はそこまで文字数が多いわけではありませんが、問題によっては手間・時間がかかるので、常に時間配分にも注意する必要があります。
本文を素早く読解したうえで、記述問題も含めてテキパキ進めるよう、過去問演習や問題演習を通じてトレーニングを重ねましょう。
いずれの問題も、難問・奇問というより、基本的な読解力や表現力が重視される傾向があります。
本文の論理展開や場面・心情の変化などを正確に読解すること、設問の指定を守って過不足なく記述することなど、とにかく基本を重視した対策が重要となります。
過去問のほか、似た傾向・レベルの問題の演習も徹底し、基礎力を鍛えていきましょう。
また、漢字・知識問題もしっかり得点源になるよう、日頃から知識の確認を徹底し、実力を伸ばすことが大切です。
社会
試験時間は30分、配点は60点満点となります。大問は3問で、地理・歴史・公民分野(時事問題含む)からバランス良く出題されています。
設問形式は選択肢問題や記述問題などがあり、問題によっては時間がかかる場合があります。
基本問題のほか、応用的な問題も出題されるので注意しなくてはなりません。
基本問題は素早く正確に解答し、得点源としたうえで、応用問題を解く時間もなるべく多く確保するなど、常に時間を意識して取り組む必要があります。
試験時間も30分で短いため、過去問演習を徹底し、時間配分の感覚をしっかり身につけましょう。
また、地形図に関する問題や時事問題なども出題されます。こうした頻出分野は特に注意し、過去問演習や問題演習を通じて対策を徹底しましょう。
等高線や地図記号などの正確な読み取りなど、とにかく慣れを作ることが大事です。時事問題についても、普段からニュース等をチェックするなどして、関心を高めておくようにしましょう。
理科
社会と同様に、試験時間は30分、配点は60点満点となっています。大問は3問で、4分野から幅広く出題されます。
設問形式は選択肢問題、計算問題、記述問題など幅広く、基礎・標準レベルのほか、やや難しい実験考察問題なども見られます。
また、社会と同じく試験時間が30分で短いため、時間配分には特に注意しなくてはなりません。
特に実験・観察の問題は手間がかかる場合もあるので、過去問・問題演習を徹底し、速く正確に解き進める練習を重ねましょう。
また、図や資料なども多く登場するので、これらの情報を素早く読み取る力も求められます。
各分野の基本知識を幅広くおさえたうえで、問題演習を通じて図・資料やグラフなどに慣れ、情報処理能力を鍛えていきましょう。
特に実験や観察問題はある程度の慣れが必要になるため、過去問をはじめ、似たような傾向の問題は重点的に対策する必要があります。
過去問
合格者平均点
令和5年度の入試結果を見ると、合格者平均点は次のようになります(320点満点)。
第1回 | 202.1点 |
第2回 | 194.2点 |
第3回 | 215.2点 |
第3回が最も高く、7割に近い合格ラインとなりました。
成城中学校合格のために必要なこと
成城中学校の試験問題は、いずれの科目も傾向が比較的はっきりしています。
成城中学校のホームページ上で入試問題の出題方針等も記載されているので、まず方針・傾向をしっかり把握し、過去問演習を重ね、傾向に沿った実力を磨きましょう。
例えば算数と国語は、基礎的な力を試す問題が多く見られます。算数の計算力や国語の読解力・表現力など、まずは基本をしっかり磨き、その基礎力を本番でいかに活用できるがカギです。
落としてはいけない問題でのミスを減らし、より正確に解き進めることを意識しましょう。
また、社会と理科は一部で応用的な問題が見られるほか、とにかく試験時間が短いため、時間配分には十分注意しなくてはなりません。
社会の地形図、理科の実験・観察問題など、特徴的な出題の対策も徹底する必要があります。
こうした点に注意し、傾向に合わせた対策を進め、本番に臨むようにしましょう。