奈良女子大学附属中等教育学校を受検するなら知っておきたい!適性検査対策と合格に向けて取り組むべきこと

奈良女子大学附属中等教育学校の校舎奈良女子大学附属中等教育学校は、奈良県にある歴史ある国立の中高一貫校です。

ここでは、奈良女子大学附属中等教育学校の気になる入試問題の傾向や対策、合格への取り組みなどをご紹介していきます。

奈良女子大学附属中等教育学校の特色

奈良女子大学附属中等教育学校は6年一貫教育を2年×3のくくりに分けてカリキュラムが編成されます。

国立のため土曜日の授業は原則として実施されませんが、2学期制の導入や65分授業の実施などを通じて十分な授業時間の確保にも意欲的です。

スーパーサイエンススクールの指定も受けており、学習環境の充実にも積極的と言えます。

また、「自ら考える力」「表現する力」「行動する力」の養成を目標としており、規則などによる強制にこだわらず、自立した生徒を育てる意識が伺えます。

学校の沿革

奈良女子大学附属中等教育学校は、奈良女子大学の前身である奈良女子高等師範学校の付属校として生まれ、1947年に男女共学の附属中学校が、翌年には附属高等学校が発足しました。

1973年には中高一貫教育がスタートし、現在に至っています。

施設

図書館や購買部、食堂のほか、2つのコンピュータ室などが備えられています。

進学先

2023年度卒業生の主な進学先は同志社大学61名、立命館大学36名、関西大学23名など、私立大学への進学者が多いです。

京都大7名、大阪大学7名など、最難関国公立大学への進学者も見られます。

奈良女子大学附属中等教育学校周辺の環境

奈良女子大学附属中等教育学校へは、近鉄奈良駅またはJR奈良駅からバスで約15分のアクセスです。

「幸町」または「高畑町」停下車が便利です。

奈良女子大学附属中等教育学校に合いそうなタイプは?

奈良女子大学附属中等教育学校は進学実績ばかりを重視するのではなく、芸術科目などのカリキュラムも充実させています。

幅広い物事に関心を持ち、65分授業も活かしながらじっくり考えることを好む子におすすめです。

奈良女子大学附属中等教育学校の受検情報

適性検査日程

2024年1月18日(附属小学校からの進学者は別日)

募集人数

約120名(男子約60名、女子約60名、附属小学校からの合格者を含めた数値)

適性検査科目・配点

  • 表現Ⅰ(言語的表現):100点
  • 表現Ⅱ(数理的表現):100点
  • 表現Ⅲ(対話的表現)+内申点:20点

奈良女子大学附属中等教育学校とおすすめの併願校

奈良女子大学附属中等教育学校は国立で、適性検査による選抜が行われます。

私立中高一貫校の入試問題とは傾向が異なるため、併願校選択は悩ましいところですが、国立・公立という点で言えば、国立奈良教育大学附属中学校や県立青翔中学校(公立中高一貫校)などが併願候補となります。

奈良女子大学附属中等教育学校の偏差値と倍率

偏差値

奈良女子大学附属中等教育学校の偏差値は69です。

倍率

附属小学校からの連絡進学希望者除く2023年度の倍率は次の通りです。

受検者数 合格者数 倍率
男子 197名 62名 3.2倍
女子 249名 52名 4.8倍

定員の目安が男女別に定められているため、受検者数が多い女子の倍率が特に高くなっています。

奈良女子大学附属中等教育学校・入試問題の傾向と対策

表現Ⅰ(言語的表現)

表現Ⅰ(言語的表現)は一般的な科目名で言えば国語の内容が半数以上を占めます。

加えて、社会の出題も見られます。

国語的な内容については、記述問題が豊富です。

指定された字数で効率よく要点をまとめる練習が欠かせません。

また、特徴としては文章だけでなく資料も参考にして解答する問題が見られます。

記述力はもちろんですが、資料を正しく読み取る・活用する練習も重ねておきましょう。

社会においても表やグラフを読み取る問題が登場します。

図表をすばやく・正確に読み取る訓練が大切です。歴史分野では知識の丸暗記ではなく、各事項の背景も踏まえておくとよいでしょう。

国語の記述に時間を要する分、特に社会はテキパキと解答したいところです。

表現Ⅱ(数理的表現)

表現Ⅱ(数理的表現)は算数・理科に該当する内容です。

算数、理科ともに問題数が限られるため、苦手分野を残すことはリスクが高いです。

まずはどの分野についても基本的な問題はスムーズに解けるようにしておきましょう。

算数の特徴は、作図、グラフ作成の問題が見られる点にあります。

また、答えの数値の○×だけでなく、思考過程も採点対象となるため、式や言葉を適切に用いて解法を書く練習が大切です。

理科については実験に関する考察を述べる問題などが多いです。

実験内容を正確に把握するとともに、考察の要点を明確に示す力が求められます。

表現Ⅲ(対話的表現)

表現Ⅲでは例年はグループディスカッションを行います。普段から自分の意見を明確に伝えたり、相手の意見の要点を把握したりする意識を高めておきましょう。

身近なニュースなどについて主な意見を新聞などで把握しておくと、自分なりの意見を述べる上で参考になります。

可能であれば、塾や家庭などで議論の練習をしておくと効果的です。

表現Ⅲは配点こそ低いですが、グループディスカッションの練習をしておかないと本番でパニックになりかねないので要注意です。

過去問

平均点・合格最低点の特徴

受検者平均点 合格者平均点 合格最低点
男子 123.7点 154.1点 138点
女子 128.3点 160.0点 150点

220点満点に対して合格最低点は男子で6割強、女子で7割となっています。

女子は高倍率が最低点の高さに影響していると言えるでしょう。

合格者と受検者全体で、算数・理科系の適性Ⅱで約20点、国語・社会系の適性Ⅰで約10点の差が見られます。

奈良女子大学附属中等教育学校合格に向けた取り組み

奈良女子大学附属中等教育学校は国立ということもあり、選抜テストの名前は「適性検査」となっています。

私立中高一貫校とは傾向の異なる問題が出題されるので、過去問を入念に研究しましょう。

単なる知識の詰込みやスピードアップではなく、図表の読み取りや作成などの練習が重要です。

普段から暗記学習に頼らず、自分の頭で各事項についてしっかり考える習慣をつけておいてください。

適性検査では比較的高い得点率が求められるため、時間配分ミスによる解き残しには十分注意しましょう。