中学受験塾の大手塾!良いところと物足りないところは?

中学受験塾に通う小学生

中学受験を考えると、中学受験のための塾に通うのが今や必須となっています。

なかでもSAPIXや日能研、四谷大塚や早稲田アカデミーといった、いわゆる大手塾に通塾されるお子さんが多いですが、大手塾は具体的にはどのような点が良く、反対に、物足りないと感じたり、困ったりすることがあるのかも気になるところです。

そこで今回は、2人の子どもを大手塾に通わせて中学受験を経験した筆者が、中学受験の大手塾の良いところや物足りないところなど、“気になること”をまとめてみました。

これから中学受験塾選びをされる親御さんは参考にしてみてください。

中学受験!通塾をしたからわかる大手塾の良いところ

中学受験を目指すと、ほとんどのお子さんは塾に通い始めるようになります。

なぜなら、中学受験の出題範囲は、小学校で習う範囲を大きく超えるだけでなく、発展的な内容を含むため、学校の勉強だけでは到底対応できないからです。

中には、通信教育や家庭学習だけで中学受験を目指すお子さんもいることはいますが、親御さんが中学受験を経験していない場合や、仕事などであまり家庭学習を見てあげられない場合は、いまや通塾が必須となり、特に大手塾が良いといわれています。

しかしなぜ、大手塾が良いのでしょうか?

それは、大手塾には中学受験のために必要な情報やノウハウが揃っているからです。

中学受験に向けた万全のカリキュラム

大手塾の1番の良いところは、中学受験に向けて、万全の学習カリキュラムが用意されているところです。

中学受験の勉強は3年生の2月(塾年度の新4年生)から本格的に始動するのが一般的です。

大手塾ではそこから受験までの3年間で中学受験に必要な勉強がモレなくできるように、カリキュラムが組まれています。

例えば、平日の通塾だけでなく、夏期講習など大型の休みにある講座や合宿、土日の特訓講座、志望校別講座なども用意されて、それぞれに、いつ何を勉強するのかというスケジュールがしっかり組み込まれています。

そのため、親御さんに中学受験の経験がなくても、どのように勉強を進めていけばよいか分からなくても、用意されたカリキュラム通りに学習すれば、範囲にモレなく、効率的に中学受験に必要な勉強をすることができるのです。

中学受験の出題範囲は、小学校での学習内容だけでは到底網羅できない内容です。

それだけに、これまでの経験や近年の受験傾向を反映した学習カリキュラムが受験本番までしっかり用意されているのは、やはり大手塾ならではのメリットです。

経験から厳選された教材や講座

大手塾の学習カリキュラムでは、それぞれ独自に作成したテキストやテストが使用されますが、これも大きな魅力の1つです。

大手塾では、最新の入試問題の傾向を研究し、教材に反映しているので、“その年”の中学受験に必要な、厳選された問題群で学習を進めることができます。

この、「プロが厳選した問題で勉強をする」ことは、中学受験に必要な膨大な量の学習を効率的に進めるのにとても有効です。

また、大手塾には、SAPIXの志望校別特訓や早稲田アカデミーのNN講座のように、御三家や早慶など最難関校用の教材や講座が用意されていることも多く、それらは、その学校の入試問題や出題傾向・対策が特に研究された成果が反映されています。

講座を担当する先生も、長年その志望校別の講座を担当している先生が多いため、まさに入試問題もその攻略法も熟知したプロ中のプロの講座を受けることができるのです。

このように、大手塾が威信をかけて研究し、常に刷新し続ける教材や講座は、特に最難関校を目指すお子さんにとって、とても心強いものとなります。

豊富な情報量

前でも触れたように、大手塾はその規模を生かして、多くの学校の入試問題の傾向と対策のノウハウを蓄積し、常に最新の入試情報を入手しています。

入試の出題分野の傾向や過去問の合格点、その点数に到達するためのポイント分析はもちろん、次年度入試の日程や募集人員の変更など、中学受験に関するあらゆる最新情報です。

自分で調べるにはモレが生じたり時間がかかるこれらの情報を、いつでも、欲しい情報だけ聞くことができるのは、やはり大手塾ならではの強みです。

また、大手塾は中学との繋がりも強いので、志望校や併願校についての相談や、ときには「この学校は数回、学校見学に行く(名前を残してくる)方がいい」など、“お得情報”をアドバイスしてもらえることもあります。

自分の実力が確認できる

大手塾では、学習した単元ごとの小テストや週テスト、クラス編成テストなどが定期的にテストを受ける機会があります。

このテストでは、自分の理解度や苦手分野を把握できるだけでなく、塾内での今の自分の実力(位置)を知ることができます。

特に大手塾のテストの良いところは、受験者数(母数)が多いこと。

大勢の受験者数の中、そのときの自分の実力がどの程度なのかを知ることは、いずれ受験という競争を勝ち抜くために、とても有益です。

中学受験!通塾して感じた大手塾の物足りないところ

中学受験後に子供がすること、親がすること

上で述べたように、大手塾は、常に中学受験を研究し続けているプロ集団が作る学習カリキュラムや教材で勉強できるので、万全のように思えます。

しかし、そんな大手塾にも、物足りないことや、気になる点があるのが現実です。

1人1人のフォローに限界がある!?

大手塾の“物足りないこと”としてまず挙がるのは、やはり個別指導や少人数の塾に比べて、面倒見が悪くなるということです。

大手塾はどうしても生徒数が多いので、1人1人に対応する時間が限られます。

我が子たちは同じ大手塾に通わせていたのですが、上の子のときは1クラス10人弱だったのに対し、下の子の時は1クラス20人弱で編成されていました。

比べると、やはり上の子のときの方が宿題やノートのチェックが丁寧でした。

同じレベルのクラス、同じ先生でしたが、生徒数が倍半分の違いがあったため、どうしても1人1人にかけられる時間が限られてしまっていたようです。

また、自分から質問することが苦手なお子さんは、忙しそうな先生を目の前にすると、さらに質問しづらくなり、分からない問題が“分からないまま”になってしまう可能性があります。

こういった面でも、大手塾は面倒見に限界があるように感じます。

上位クラスと下位クラスの違い

大手塾は、上位クラスと下位クラスで使用する教材が違ったり、優秀な先生は上位クラスを受け持つなど、上位クラスと下位クラスで違うことが多々あります。

また、大手塾ならではの学習カリキュラムは、上位クラスの子が滞りなく勉強できるように作られているため、下位クラスの中には、カリキュラムが進むスピードについていけない子が出てくることがあります。

もちろん、そのようなお子さんには、別途、先生から課題や指導があることもありますが、やはり大勢の生徒を抱える大手塾では、フォローに限界があるようです。

担当の先生の異動がある

物足りない点とは少し違いますが、校舎が複数ある大手塾は、先生の異動があります。

そのため、学年が変わるタイミングで、担当の先生が変わることがあるのです。

実際に、我が家の下の子がお世話になった先生が異動したときは、教え方や相性が合っていただけに少し残念な気持ちになりました。

中学受験塾の合格者数と合格率

まとめ

今回は、中学受験ための大手塾の良いところや物足りないところなど、“気になること”をまとめてみました。

大手塾は、豊富な情報と蓄積されたノウハウ、入試問題の研究・分析に基づく学習カリキュラムが用意され、それに沿って勉強すれば、もれなく、効率的に中学受験の勉強をすることができます。

その半面、大人数のお子さんを預かっているため、1人1人に対する面倒見という面では少し物足りなさを感じることもあるのが現実です。

中学受験を目指すなら塾に通うことは必須といわれる今、塾選びや塾がどれだけ活用できるかは、中学受験の結果を左右するといっても過言ではありません。

お子さんの家庭での勉強状況や性格を考慮し、よりお子さんにあった塾を選べるよう、不明点はなんでも塾に聞くことをお勧めします。