「お手伝いをしたい」と子どもが言ってきたら、皆さんはどう対応していますか。
多くの方が、お手伝いをしてもらうことにすると思いますが、年齢ごとに具体的にどのようなことをしてもらうのがいいのか、また、どうしてもお手伝いの申し出を断りたい場面もあるはずです。
そういう時、子供のやる気を損なわせない断り方など、今回は「お手伝い」について考えていきたいと思います。
目次
小さい頃から子どもにお手伝いをさせることの意義
子どもは2歳頃になれば自分のことが自分でできるようになり、何でもやりたいという気持ちが芽生えてきます。
そしてそのタイミングで「お手伝いをしてみたい」と思うようになる子が増えてきます。
お手伝いをさせることに関しては、様々な意見があります。
大きく分ければ“お手伝い肯定派”と“お手伝い否定派”です。
肯定派の意見としては、子どもの将来を考えれば何でも自分でできないといけないからお手伝いは必要であるといいます。
否定派の意見としては、子どものうちからできなくても、必要になった時に覚えればいい、小さなうちは遊びや勉強に集中して欲しい、というものです。
どちらの考えも子どものことを考えており、否定することはできません。ですので今回は、お手伝い肯定派として、考えていきたいと思います。
自立ができるようになる
お手伝いをさせたい人が多いのは、やはり生活的自立の面を考えてのことではないでしょうか。
いつまでも親が近くにいられるわけではありません。いつかは、自分の力で生活していかなければいけない時がやってきます。
その時に困らないようにという親心もあり、お手伝いを積極的にしてもらう親御さんも多いはずです。
お手伝いを通して基本的家事能力を身に付け、生活的自立ができるようになるでしょう。
考える力が身に付く
お手伝いをしていく中で、上手くいくこともあれば、上手くいかないこともあるはずです。
その時に、どうして上手くいかなかったのか、どうして上手くいったのか、を考え工夫していくことで、考える力が身に付きます。
責任感が身に付く
自分がやらなかったら家族の人が困る、となれば自分がやらなければいけないという責任感を持つことができるようになります。
自分は家族の一員であるという自覚も持つことができ、自分は必要な人間であるという自己肯定感を高めることにもつながっていくでしょう。
自信が持てるようになる
自分で出来ることが増え、家族の人に褒められると、自分自身に自信が持てるようになってきます。
自分に自信が持てるようになれば、お手伝いだけでなく、勉強や人間関係などでも自信を持って関わっていくことができるようになるでしょう。
親子のコミュニケーション時間になる
お手伝いは1人でできるものではありません。
必ず“頼む人”と“頼まれる人”がいます。
些細なコミュニケーションかもしれませんが、共働きなどでなかなか親子で過ごすことができる時間が少ない場合には大切な時間となるはずです。
子どもにお手伝いをしてもらうときに親が気を付けたいこと
できなくても叱らない
最初から上手にお手伝いができる子はいません。
段々とお手伝いを重ねていくごとに上達していくはずなので、長い目で温かく見守ってあげてください。
叱られたら、そのお手伝いをすることが憂鬱になってしまいます。
ハードルの高いお手伝いを頼まない
子どもの成長に合わせて何をやらせるかは考える必要があります。
年齢や成長に合わない簡単すぎるお手伝いを与えても、子どもは物足りなく感じてしまうでしょう。
逆にハードルが高すぎてしまうと、積極的にお手伝いをすることが億劫になってしまいます。
できればちょっと難しいくらいだと、子どもはやる気になってくれると思います。
お手伝いを罰ゲームにしない
「約束が守れなかったからお手伝いして」といった罰ゲームとしてやらせることは避けてください。
家事などは罰であるという間違った考えになってしまう可能性があるので気をつけてください。
出来なくても取り上げず、ちょっと待ってあげる
忙しいとついつい「出来ないならいいよ、かして」と、頼んだものを取り上げたくなってしまいますが、ぐっとこらえて待ってあげてください。
子どもたちも頭でたくさん考えてどうしたらいいか、模索しているはずです。
成長するチャンスを取り上げないようにしてあげてください。
褒めてあげることを忘れずに
お手伝いをすることは当たり前、家事をやることは家族の一員として当たり前、だから褒めなくていい、という方もいますが、褒めてあげた方が子どものためになります。
褒められて嫌な気分になる子はいないですし、やはり親としてはお手伝いしてくれたらうれしいものです。
素直に気持ちを伝えることも大切なことです。
<年齢別>出来た!が増えるオススメのお手伝い
では、どんなお手伝いをしてもらうといいのでしょうか。
お手伝いに興味が出てくる2歳から小学生までに子供の出来た!が増えるオススメのお手伝いをご紹介していきます。
2歳
まだまだ手先は器用ではありませんが、記憶力も付き、やりたい気持ちは高まっている時期です。次のようなことをお願いすると出来た!が増えていきます。
- テーブルを拭く、お箸を並べる:お箸の向きなどのしつけにもつながります
- 料理の補助:野菜をちぎる、混ぜる
- 洗濯物をたたむ:タオルや靴下など簡単なものをお願いする
3歳
手先がだいぶ器用になってきます。2歳のころからステップアップで、お料理の面では野菜の下処理やこねる作業を増やしたり、洗濯物ではたたむのをお願いする種類を増やしていくのもいいですね。
その他には次のようなものもお手伝いに含めて見るのもオススメです。
- 料理の補助:野菜を洗う
- カーテンの開閉:力加減がわかるようになってきます
- 花の水やり、ペットの餌やり:生き物に対する優しい心も育ませることができます
4歳
ぐんと心も体も成長する年齢ですね。社会性なども身についてくる時期です。そんな4歳におススメのお手伝いは次のようなものです。
- 料理の補助:卵を割る
- 新聞・郵便物を取りに行く
- 洗濯物をしまう
5歳
力もだいぶついてくるので、重い物を持ったり、力を入れることができるようになります。
そんな5歳には以下のようなお手伝いはどうでしょうか。
- 料理の補助:筋を取るなどの野菜の下ごしらえ
- 掃除:掃除機やモップ、雑巾かけで床をきれいにする
- 上履きを洗う
6歳
ちょっとお手伝いを面倒に感じ始める時期ですが、小学校入学を前に一通りのことができるように、次のお手伝いもさせてみましょう。
- ごはんをよそう、配膳する:小学生にむけて準備
- 洗濯物干し
- ごみ収集:家の中のごみを集めて、分別する
小学生
年齢幅は広いですので、少しずつやれることからやらせてみましょう。
勉強や人間関係も難しくなってくるので、無理させない程度にお手伝いをしてもらいましょう。
- 料理の補助:包丁やピーラーを使ってのお手伝い、お米とぎ
- 風呂・トイレの掃除
- おつかい
せっかくのやる気を損なわせないお手伝いの断り方
どうしても忙しいときは、きちんと伝えて断ることも大切です。
子どもがせっかく言ってくれたから…と余裕がないときにやってもらっても、忙しい心の中で心から感謝することは難しいでしょう。
さらにそんな時にお手伝いに失敗したら、もっと心の余裕がなくなり、子どもにとっても親にとってもいいことはありません。
3歳頃になれば親の言っていることはおおむね理解することができるようになっています。
「今日はもう遅い時間になっちゃったから、夕飯の準備はママがするね」ときちんとお手伝いしなくていい理由を伝えてあげましょう。
それでもやりたがるようであれば、「明日はお手伝いしてくれると助かるな」とお手伝いの約束をしてみたり、いつもより簡単なワンランク下のお手伝いをしてもらったりしてみてください。
子どもの自立につながるお手伝い!親も一緒に楽しみながらやろう
小さな頃からお手伝いをしていた方が習慣となり、自主的に何でもできるようになるとも言われています。
お手伝いしてもらうことを教えるのは大変なことです。
子どもがテレビを見ているうちに親がやってしまえば早いのですが、子どものことを考え、一つひとつ教えてあげましょう。
今は男性も女性も関係ありません。女の子の方がたしかにお手伝いしたがる子は多いですが、男の子の親御さんも、将来のためにお手伝いしたくなるようなきっかけ作りをしてみてくださいね。
そしてお手伝いはまかせっきりにせず、楽しみながら一緒にやってあげましょう。