雙葉中学校の受験予定者必見!学校の特色、受験情報、試験の傾向と対策

(画像:ホームメートサーチより)

雙葉中学校は東京都千代田区にある私立の女子中高一貫校で、女子御三家と言われる難関女子中学校の1つでもあります。

今回は雙葉中学校の学校の特色、偏差値や倍率などの受験情報、そして合格のために必要な試験の対策と傾向についてご紹介します。

雙葉中学校の特色

雙葉中学校・高等学校は、学校法人雙葉学園の設置校です。

雙葉学園はキリスト教の精神・価値観に基づく人間形成を教育理念とし、雙葉中学校・高等学校でもカトリックの精神に基づいた全人教育が教育方針に掲げられています。

「一人ひとりを大切にすること」を学校生活の柱とし、生徒の個性・才能を伸ばすため、きめ細かい教育が幅広く行われています。各種授業はもちろん、充実した学校行事やクラブ活動にも特徴があります。

また、雙葉中学校・高等学校では高校からの生徒の募集は行われず、完全中高一貫校となっています。

6年間の中で各教科のカリキュラムが組まれ、高校ではそれぞれの進路に合わせて様々な選択科目が設けられます。

外国語教育にも特徴があり、中学3年時には英語に加えて全員がフランス語を学習します。高校では第一外国語として英語かフランス語を選択し、それぞれ大学受験でも通用する語学力が磨かれます。

また、いずれの学年でも宗教の授業が行われるなど、カトリックの学校ならではの宗教教育も充実しています。

学校の沿革

雙葉中学校・高等学校は学校法人雙葉学園の設置校となり、他の設置校には雙葉小学校附属幼稚園、雙葉小学校があります。

雙葉学園は17世紀にフランスのニコラ・バレ神父が創設した「幼きイエス会」という修道会が設立母体となっています。

1872年にメール・セン・マチルド氏らが来日、1875年に雙葉学園の前身となる「築地語学校」が設立されたのち、1909年には雙葉高等女学校が設立されました。

1947年、新制度によって雙葉中学校が、1948年には雙葉高等学校が発足し、現在に至ります。

また、国内の姉妹校として、田園調布雙葉、横浜雙葉、静岡雙葉、福岡雙葉の4校があるほか、海外にも姉妹校があります。

進学先

2022年の大学合格者(現役と卒業生の両方)数を見ると、東京大学9名、京都大学3名といった国公立大学のほか、早稲田大学60名、慶應義塾大学73名、上智大学42名など、難関私立大学の合格実績も豊富です。

学校周辺の環境

雙葉中学校・高等学校はJR線・東京メトロの四ツ谷駅からアクセスが可能です。

  • JR中央線の四ツ谷駅麹町口から徒歩2分
  • 東京メトロ南北線の四ツ谷駅3番出口から麹町口、徒歩2分
  • 東京メトロ丸の内線の四ツ谷駅赤坂口から徒歩4分

雙葉中学校の受験情報

試験日

2023年2月1日(水)

募集人数

女子100名

試験科目と配点

科目 試験時間 配点
国語 50分 100点
算数 50分 100点
社会 30分 50点
理科 30分 50点

筆記試験のほか、受験生1人と面接担当者2名による面接が約3分行われますが、2022年度は面接は中止となります。

偏差値

雙葉中学校の偏差値は、80偏差値でみると68です。難関中学校の一つになります。

倍率

2022年度の受験者数は346名、合格者数は125名です。倍率は2.8倍になります。

雙葉中学校の入学後の学費

入学金 240,000円
授業料 529,200円
施設維持費 171,600円
後援会費 72,000円
初年度合計 1,012,800円

中学校3年間の学費としては、初年度、2年生、3年生を合計すると、約255万円となります。

雙葉中学校の入試問題と対策

算数

試験時間は50分、配点は100点満点となっています。大問は5問出題され、大問1が計算問題・小問集合、大問2以降が応用問題という構成です。頻出分野としては平面図形、速さ、規則性などがあります。

全体的に計算が細かい問題が多く、あらゆる問題の中で分数や小数が多く登場する傾向があります。

特に小数などの計算などは非常に手間がかかり、細かい計算を一つ一つ正確にこなしていく力が求められます。

そのため、普段から小数・分数が混ざった複雑な計算問題を多く解き、スピーディーかつ正確な計算力を鍛えておきましょう。

図形や文章題でも、小数・分数が多く登場する問題に慣れておき、計算力・作業力を磨く必要があります。

また、解答形式は、解答用紙ではなく問題用紙の解答スペースに書き込む方式となります。

途中計算なども書き込むので、完全に解答できなくても部分点として評価されることがあります。

日頃から途中式や考え方をまとめる癖をつけ、採点者にしっかり伝わるよう過不足なくまとめる力を鍛えましょう。

このように、計算や作業に時間がかかることに加え、記述式の解答形式となっているため、全体として時間的な余裕は少なくなります。過去問演習も徹底し、時間配分の感覚をしっかりつかんでおきましょう。

国語

算数と同じく、試験時間は50分で配点は100点満点となります。大問は3問程度で、小説文・物語文、随筆文、説明文・論説文などの読解問題、そして漢字から出題されています。

設問形式は選択肢問題、書き抜き、記述問題などがありますが、特に記述問題のレベルが高いので注意しなくてはなりません。

長めの記述問題も多く、十分な語彙力が求められます。

問題の論理展開や言い換え表現などを重視した問題が多いので、論旨や要約をおさえること、物語文であれば心情・場面の変化を捉えるなど、一つ一つの展開を丁寧に追っていくことが重要です。

そのうえで、設問の意図に沿って過不足なく記述することを意識し、記述対策を進めていきましょう。

また、記述問題以外にも様々な設問形式があるので、本文をしっかり読解することはもちろん、各設問をテキパキと進める実戦的な力が必要です。

問題演習や過去問演習を徹底し、時間配分の感覚もしっかりつかみ、実力を磨いていきましょう。

社会

試験時間は30分で、配点は50点満点です。

大問は3問で構成され、地理、歴史、公民分野からまんべんなく出題されています。また、各分野が混ざった総合問題形式での出題も見られます。

全体として、比較的基本に沿った問題が多い傾向があります。ただし試験時間が30分で短いほか、問題のリード文や統計・データなどの資料が多く、読み取りに時間がかかるため、時間的な余裕は少なくなります。

基本知識を幅広くおさえることを前提としつつ、問題演習を徹底し、与えられた情報を素早く読み取る情報処理能力を鍛えておきましょう。

また、設問形式は選択肢問題、適語記入問題、記述問題など、多岐に渡ります。

そのため、どのような形式の問題が出ても焦らず、一つ一つ正確に進めるという作業に慣れておかなければなりません。

過去問演習を積み重ね、様々な設問形式を短時間で進めていくことに慣れ、時間配分の感覚もしっかりつかんでおいてください。

理科

社会同様、試験時間は30分で配点は50点満点となっています。大問は4問で、4分野から幅広く出題されます。

難易度はそこまで高いわけではありませんが、問題のリード文や資料が多く、試験時間も30分で短いため、社会同様に時間的な余裕は少ないです。

解答の前提として問題文・資料をきちんと読み取る必要があるので、読解力や情報処理能力も必要になります。

そのため、知識の定着はもちろんのこと、問題演習を通じて情報処理能力などの実戦的な力を伸ばしていきましょう。

設問形式としては、選択肢問題、適語記入問題、計算問題のほか、記述問題の出題もあります。また、実験に関する問題など、思考力が要求される問題も目立ちます。

問題演習によって様々な設問形式に慣れておくほか、普段から「なぜそうなるのか」を意識し、思考を進める習慣をつけておきましょう。

過去問

雙葉中学校合格のために必要なこと

雙葉中学校の試験問題は、国語と算数がいずれも50分で100点満点であるのに対し、社会と理科は30分で50点満点となります。

難易度としても、社会は基本レベルに沿ったものが多く、理科も難解な問題は比較的少ない傾向があります。

一方で、国語と算数は配点が高いことに加え、難易度も高くなります。

算数は複雑な計算をコツコツ進める力が求められるほか、記述式の解答にもしっかり対応しなくてはなりません。

また、国語は記述問題の難易度が高いので注意する必要があります。いずれも書かせる問題が多く、時間的な余裕は少なくなるので、日頃から時間を意識した記述対策を進めておきましょう。

また、社会と理科は、とにかく知識の暗記だけにならず、リード文・資料などを正確に把握する情報処理能力を鍛えなくてはなりません。

決して油断せず、知識を幅広くおさえることはもちろん、問題演習を通じて実戦力を伸ばすことを意識してください。

こうした点に注意し、各科目の傾向に沿った対策を進め、本番に臨みましょう。