明治大学付属明治中学校は、学校法人明治大学が運営する付属の中高一貫校です。
今回は明治大学付属明治中学校の受験予定者なら知っておきたい、教育の特色、受験情報、入試問題・対策などをご紹介していきます。
目次
明治大学付属明治中学校の特色
明治大学付属明治高等学校・明治中学校では、明治大学の建学の精神のもと、「質実剛健」「独立自治」という校訓を掲げています。
中学校と高校の一貫教育により、問題解決能力を備えた人材の育成を目指し、総合的な基礎力を重視する教育が行われています。
また、明治大学の付属校として、大学との連携プログラムや、大学の全学部の説明会、理系学部の施設見学なども実施されます。
明治大学と連携した集中講座では、簿記の資格取得、裁判の傍聴なども可能で、将来のキャリアを見据えた教育に強みがあります。
このように、明治大学への進学を念頭に置き、大学や社会での活躍を視野に入れた教育が特徴となっています。
学校の沿革
明治大学付属明治高等学校・明治中学校は1911年に創設され、1912年に旧制明治中学校として開校されました。
その後、戦後の学制改革により、1947年に新制明治中学校、1948年に新制明治高等学校が発足しています。また、明治大学への推進制度による、大学までの一貫教育が掲げられました。
2008年には男女共学化が行われ、現在に至っています。
進学先
約9割の生徒が推薦で明治大学に進学します。学部別では、特に商学部や政治経済学部への進学が多く見られます。
2022年度の卒業生の進学先は、政治経済学部48名、商学部57名、経営学部17名、総合数理学部20名、理工学部33名などとなっています。
施設
主な施設には、各教室・特別教室をはじめ、図書館、コンピュータ教室、CALL教室、テラス・カフェテリア、体育館、柔道場、剣道場、グラウンド、テニスコートなどがあり、充実した施設環境が整っています。
学校周辺の環境
小田急バス・京王バスの「大沢コミュニティセンター」「調布中学校」下車、徒歩約3分でアクセス可能です。
バスは、京王線調布駅中央口北側から約10分、中央線武蔵境駅南口から約20分、中央線三鷹駅南口から約30分、小田急線狛江駅北口から約30分となります。
京王線の調布駅からのアクセスが最も近く、バスの種類も多くなっています。また、徒歩の場合は、京王線西調布駅から約18分となります。
明治大学付属明治中学校の受験情報
試験日
第1回:2024年2月2日(金)
第2回:2024年2月3日(土)
募集人数
第1回:男女約90名(帰国生含む)
第2回:男女約60名(帰国生含む)
試験科目と配点
科目 | 試験時間 | 配点 |
国語 | 8:30〜9:20(50分) | 100点 |
算数 | 9:40〜10:30(50分) | 100点 |
理科 | 10:50〜11:30(40分) | 75点 |
社会 | 11:50〜12:30(40分) | 75点 |
試験科目は、第1回・第2回のいずれも4科目となります。
明治大学付属明治中学校の偏差値と倍率
偏差値
明治大学付属明治中学校の偏差値を80偏差値でみると次の通りです。
男子 | 女子 | |
第1回 | 60 | 63 |
第2回 | 60 | 63 |
倍率
2023年度の受験者数、合格者数より倍率は次のようになります。
第1回入試 | 受験者 | 合格者 | 受験倍率 |
男子 | 252名 | 119名 | 2.1倍 |
女子 | 256名 | 84名 | 3.0倍 |
合計 | 508名 | 203名 | 2.5倍 |
第2回入試 | 受験者 | 合格者 | 受験倍率 |
男子 | 142名 | 40名 | 3.5倍 |
女子 | 169名 | 46名 | 3.7倍 |
合計 | 311名 | 86名 | 3.6倍 |
明治大学付属明治中学校の入学後の学費
入学手続きおよび入学後の学費(2024年度)は次のようになります。
入学金 | 300,000円 |
授業料 | 632,400円 |
教育充実料 | 282,000円 |
生徒会費 | 5,000円 |
PTA入会金 | 10,000円 |
PTA会費 | 22,000円 |
合計 | 1,251,400円 |
上記のほか、制服や林間学校等に関する費用が別途発生します。
明治大学付属明治中学校の入試問題と対策
算数
試験時間は50分、配点は100点満点です。大問は5問で、大問1が計算・小問集合、大問2以降が応用問題となっています。
難問・奇問というより、オーソドックスな問題構成が目立ち、問題数もそこまで多いわけではありません。
一方、各設問の配点が比較的高く、一問ミスをしただけで大きく差がついてしまう可能性があります。
大問1の計算・小問の配点も高いので、ケアレスミスは絶対に避けなくてはなりません。時間配分をしっかり意識し、一問に時間をかけ過ぎず、得点できるものから確実に得点源とすることが重要です。
また、大問2からの応用問題は、途中式や考え方を記入させる形式となります。日頃の問題演習から式・考え方をまとめる習慣をつけ、採点者にしっかり伝わるよう、過不足なく記述する練習を行いましょう。
頻出分野としては、図形、割合、速さ、特殊算など多岐に渡り、思考力が要求される問題も目立ちます。
問題演習・過去問演習を通じて頻出分野の実力を養い、難易度の高い問題も含めてテキパキ対応できるよう、トレーニングを重ねましょう。
国語
算数と同じく、試験時間は50分で配点は100点満点となります。大問は2問で、大問1が論説文・説明文、大問2が漢字という出題構成です。
読解問題は記述問題が多い傾向があります。また、本文の文章量も多いため、時間的な余裕があるとは言えません。
本文を速く正確に読解したうえで、時間のかかる記述問題も含め、テキパキ進める必要があります。日頃から読解問題に多く触れ、早い段階から記述問題にも慣れておき、スピーディーかつ正確に解き進める習慣をつけましょう。
特に文章量の多い読解問題は、演習量が大きく関係します。長い文章が登場しても焦らず、冷静に内容把握や論理展開を追っていけるよう、十分にトレーニングを重ねることが大切です。
また、読解問題の設問は記述問題のほか、選択肢問題、書き抜き問題、さらには知識問題も含め、多岐に渡ります。時間配分に十分注意し、各設問に素早く対応できるよう、総合力を鍛えておきましょう。
さらに、漢字も比較的配点が高くなっています(例年10問で1問2点)。誤字脱字などのケアレスミスは絶対に避け、しっかり得点源にしましょう。
社会
試験時間は40分、配点は75点満点となっています。大問は3問で、地理・歴史・公民分野(時事問題含む)からまんべんなく出題されます。
設問形式は選択肢問題、適語記入問題、記述問題など幅広く、基礎知識を問う問題のほか、思考力が要求される問題も目立ちます。
難問・奇問というわけではありませんが、基礎知識を幅広く正確にしたうえで、そこから思考を進めていかなければならず、一筋縄ではいかない出題構成になっています。
日頃から知識の精度を高め、思考する習慣をつけ、本番に備えなくてはなりません。
また、各問題のリード文や資料なども多く、それぞれの情報を素早く読み取る力が必要です。単
なる知識だけでは対応できないので、日頃の問題演習から資料に多く触れ、情報処理能力を鍛えておかなければなりません。
幅広い基礎知識を正確にすることは大前提ですが、それだけではなく、与えられた情報を読み取って知識と結びつける、実戦的な力が求められます。
さらに、試験時間にもそこまで余裕はないので、過去問演習に触れ、時間配分の感覚もしっかり養うことが大切です。
理科
社会同様、試験時間は40分、配点は75点満点となります。大問は7問で、4分野から幅広く出題されています。
設問形式としては、選択肢問題、適語記入問題、計算問題のほか、作図問題や記述問題の出題もあります。
また、幅広い基礎知識を問う問題はもちろん、思考力が必要な問題も多く、注意しなくてはなりません。
知識だけでは対応できない構成のため、問題演習・過去問演習を通じ、実戦的な力を磨く必要があります。
また、実験・観察の問題では考察力や表現力も重視されるので、しっかり対策しなくてはなりません。
与えられた情報を速く正確に把握する情報処理能力も必要ですので、実験・観察を多く扱った問題の演習を重ね、実力を鍛えておきましょう。
さらに、大問数が多いこと、計算問題や作図問題、記述問題といった手間のかかる問題があることを踏まえると、時間的な余裕は少なくなります。
常に時間を意識し、スピーディーかつ正確に解き進めるよう、過去問演習を通じてしっかりトレーニングしましょう。
過去問
受験生平均点の特徴
2023年度の受験者平均点と合格最低点は以下の通りです。
受験者平均点
平均点合計(350点満点) | |
第1回 | 212.25点 |
第2回 | 200.06点 |
合格最低点
平均点合計(350点満点) | |
第1回 | 221点 |
第2回 | 212点 |
第1回・第2回のいずれも6割を下回る平均点ですが、合格ラインは6割を超えています(350点満点)。
明治大学付属明治中学校合格のために必要なこと
明治大学付属明治中学校の試験問題は、4科目とも比較的オーソドックスな出題構成になっています。
ただし、幅広い分野から出題されること、そして思考力が問われる問題が多いことを踏まえると、決して油断はできません。
どの分野が出題されてもある程度対応できるよう、基礎知識をまんべんなくおさえたうえで、出題傾向に沿った対策を進める必要があります。
例えば算数であれば、途中式・考え方の記述に注意すること、国語は文章量の多い読解問題に慣れておくこと、社会と理科は幅広い基礎知識と思考力を身につけておくことなど、各傾向に合わせて実力を磨くことが大切です。
また、学校のホームページ上に出題方針が記載されているので、まずそちらを確認し、傾向や出題意図をしっかり把握する必要があります。
そのうえで、各科目の対策を進め、実戦的な力を鍛えていきましょう。