神奈川エリアの男子校の御三家の1つ「浅野中学校」。
今回は浅野中学校を受験するなら知っておきたい学校の特色や受験情報についてご紹介します。
目次
浅野中学校の特色
浅野中学校・高等学校は、1920年に実業家の浅野總一郎により創立された学校です。
アメリカのゲイリー・システムという勤労主義を導入し、科学技術教育や実用的な語学教育を特色とするなど、当初から幅広い教育を展開しています。
校訓は「九転十起」「愛と和」とされ、学業・部活動・学校行事の三本柱を軸とした、バランス重視の教育に特徴があります。
また、「神奈川男子私立御三家」の1つにも数えられており、東大合格者数ランキングのベスト10にもランクインしています。
学校の沿革
1920年に、実業家の浅野總一郎により浅野綜合中学校が創立されました。
1948年、学制改革によって浅野中学校、浅野高等学校となり、中高一貫体制を確立、現在に至ります。
2020年1月、創立100周年を迎えました。
施設
敷地内には、グラウンド、本館、中学棟、高校棟、講堂、生徒ホール、図書館、体育館、第1広場、多目的コート、部室、テニスコート(2面)、ハンドボールコートがあります。
2014年には開校95周年を記念し様々な施設が建設されました。
なお体育館は県内有数の規模を誇り、アーチェリー場を除くすべての施設は公式試合を行う際の基準を満たしたものとなっています。
進学先
2023年3月卒業生の合格実績は、国公立大学では東京大学43名、東京工業大学9名、一橋大学10名、横浜国立大学22名など、難関私立大学では慶應義塾大学132名、早稲田大学116名、上智大学33名など、名門私立の名に恥じない合格実績を上げています。
学校周辺の環境
浅野中学校へのアクセスは、JR京浜東北線の新子安駅から徒歩8分、京浜急行の京急新子安駅から徒歩8分です。
横浜駅から15分とアクセスしやすい場所にあります。
京浜工業地帯、横浜ベイブリッジを眼下に見渡す高台に位置し、曇天でもよく見えます。
晴れた日には遠くに富士山を望むこともできます。
参考書籍
浅野中学校の受験情報
試験日
2024年2月3日(土)
募集人員
270名
試験科目と配点
受験型は4教科型となっており、科目・時間・配点は次の通りになります。
- 国語:50分で、120点
- 算数:50分で、120点
- 理科:40分で、80点
- 社会:40分で、80点
合計400点満点で判定します。面接試験はありません。
浅野中学校の偏差値と倍率
偏差値
浅野中学校の偏差値は80偏差値でみると64です。
倍率
2023年度は、受験者が1399名、合格者が608名で実質倍率は約2.3倍です。
浅野中学校の学費
入学手続きに必要な費用は次の通りです。
入学金 | 250,000円 |
授業料 | 492,000円 |
その他 | 511,500円 |
初年度合計 | 1,253,500円 |
中学3年間費用 | 3,164,500円 |
浅野中学校の入試問題と対策
算数
試験時間は50分、配点は120点満点となります。大問は5問で、大問1は計算問題や一行問題、大問2以降は応用問題という構成です。
頻出分野には図形、場合の数、特殊算などがありますが、他の分野も含めて幅広く出題されています。
標準的な問題のほか、複雑な問題の出題も見られ、時間配分に注意しつつ解かなくてはなりません。
まず、計算問題・一行問題については、とにかく速く正確に解くことを意識しましょう。
複雑な計算が必要なものもあるので、油断はできません。典型的な問題の解法をしっかり習得することも大切です。
また、大問2以降の応用問題に対応するためにも、似た傾向の問題を日頃から多く解き、頻出分野をはじめ、実力を鍛えておきましょう。
そのほか、式・考え方を書かせる問題もあるので、こちらも注意が必要です。
採点者に式・考え方がしっかり伝わるよう、普段から丁寧に書いて問題に取り組む習慣をつけ、慣れておくことが大切です。
国語
算数と同じく、試験時間は50分、配点は120点満点です。
大問は3問で、漢字が1問、小説文・随筆文、説明文・論説文などの読解問題が2問という構成になります。
読解問題の設問形式としては、記号問題、書き抜き問題、記述問題など、多岐に渡ります。
また、文章量は多い傾向があり、長い文を正確に読んだうえで、様々な設問形式に臨機応変に対応していく力が求められます。
時間配分には十分に注意し、速く正確に解き進めなくてはなりません。
長めの文章を正確に読解するには、とにかく普段からの慣れが必要です。
文が長くても焦らず、解答の根拠、それぞれの要点と全体の要旨を理解する練習を重ねておきましょう。
そのうえで、過去問演習をはじめ、似た傾向の問題に多く触れ、様々な設問形式に対応できる実力を養うことが大切です。
社会
試験時間は40分、配点は80点満点となります。大問は4問で、地理・歴史・公民分野(時事問題含む)からまんべんなく出題されています。
設問形式は選択肢問題、適語記入問題などのほか、記述問題の出題もあります。特に記述問題は考察力が問われる問題もあるので、日頃から対策を重ね、記述力を鍛えておきましょう。
また、総合問題形式の出題もあるため、普段から各分野の知識を関連づけて覚えておく必要があります。
歴史、地理、公民の関係がつながっていないと解きにくい問題も出題されるので、一問一答のような断片化された知識では正答までたどりつけません。
そのほか、各大問のリード文が長いため、時間内に与えられた情報を正確に読み取る力も必要です。
地図や図表・グラフの読み取りも多く出題されるため、日頃の学習から地図帳を活用し、テキストの表やグラフに注目をして学習することが大切です。
理科
社会同様、試験時間は40分、配点は80点満点です。大問は4問で、4分野から幅広く出題されています。
難易度が高い問題もあるので、基本的な知識をしっかりおさえたうえで、応用力を鍛えておく必要があります。
知識問題は断片的な知識では対応できない問題も多く、選択肢から複数答えさせる問いになっているなど、しっかりした知識が必要となります。
また、細かい計算問題や、実験・観察問題も目立ちます。
複雑な情報処理を正確に行えるよう、条件整理や手順の整理をしながら解くことが重要になります。頭の中で解くのではなく、紙の上で問題を整理する練習も大切になるでしょう。
こうした計算問題、実験・観察問題などの量を考えると、試験時間40分は時間的な余裕があるとは言えません。
過去問演習を徹底し、時間配分の感覚もしっかりつかんでおきましょう。
2023年度入試状況
科目 | 国語 | 算数 | 社会 | 理科 | 総合 |
配点 | 120 | 120 | 80 | 80 | 400 |
合格者平均得点率 | 68.3% | 73.4% | 63.0% | 66.1% | 68.3% |
受験者平均得点率 | 61.1% | 61.0% | 57.1% | 57.0% | 59.5% |
過去問
浅野中学校合格のために必要なこと
浅野中学校の試験問題で合格ラインに達するには、複雑な処理を速く正確に進めていく力が重要と言えるでしょう。
例えば算数であれば、計算問題も含めて複雑な出題があるほか、式・考え方を書かせる問題もあります。
国語は文章量が多いほか、設問の形式も様々で、時間的な余裕があるとは言えません。
社会や理科も、短い試験時間の中で複雑な問題も含めて解き進める必要があります。
このように、単純な暗記だけでは対応できないため、知識を活用していく訓練を行い、スピード感のある処理能力や考察力を磨いていく必要があります。
傾向をおさえたうえで、過去問演習をはじめとした日々の問題演習の中で、より実践的な力を磨いていきましょう。