中学受験は厳しい戦いと言われますが、だからこそ受験をさせるべきかと悩む親御さんも多いことでしょう。
受験をさせるなら早いうちから情報を集めて塾へ通うなどを考えますが、自分から勉強して受験したいという小学生なんてそうはいません。
受験へと舵を切るのはやはり親の役目です。
「でもうちの子は中学受験に向いていないだろうし……」
そんな風に悩んでいる人に、塾講師から見た「中学受験に向く子」の特徴を5つご紹介します。
1.好奇心旺盛である
中学受験に向く子の特徴としてよく言われていることですね。
好奇心があって、何事も分からなければ自分で調べて納得できる子は強いです。
理科や社会のように資料と向き合う科目はもちろん、算数や国語のような科目でも好奇心に動かされて「なぜ」を突き詰めることで知識がインプットされます。
勉強をしているように見えなくてもテストで点数をとれる子は、このタイプが多いように思います。
逆に言うと、受験に向かないのは「分からないことを放置できる」子です。
分からないことが気持ち悪いと感じないため、分かることにしか向き合いません。
このタイプは問題を解くだけで満足してしまい、丸付けや間違い直しをしません。
自分の知識と正解をすり合わせることがないので、知識が広がることも正しい知識を取り入れることもありません。
好奇心旺盛な子は何か一つ武器を持っていることも多いものです。
自然やITなど、誰よりも詳しいと自負できる分野があると自信につながります。
たとえ直接勉強とかかわりのないものでも、何かをとことん理解しようとしている子は勉強のプロセスが分かっているため、飲み込みも速いです。
好奇心は元々持っている資質です。とはいえ様々な体験をすることで身につくものでもあるため、好奇心がないように見えるから受験に向かない、と決めつけるのは早計です。
2.精神年齢が高い
中学受験は大人が作ったシステムで大人が作った問題を解くため、精神年齢が高い子の方が向いていると言えます。
テストや授業の時間に黙って座り続けていることが出来なかったり、「自分の答えが正しい」と思い込んで採点を受け入れられなかったりと、精神年齢が低いと学力勝負の土俵に上がるまでが大変です。
四年生までは、ただの暗記や元々の知識だけで点数を取ることができます。
しかし五年生、六年生となると実力テストが増えて、今までの積み重ねが点数になります。
精神的に幼い子は、範囲が分からなければ点数なんてとれるわけがないと言います。
教科書にないことがテストに出るのはズルい。そんな考え方をする子もいます。
他にも、国語で出題される文章は大人が書いているため、精神年齢が高い子供でないと読み取りは難しく感じます。
受験ともなると小学生には想像するのも難しい文章を読み、問題に答えなければなりません。
たとえば外国の貧しい村で暮らす子供との交流を記した随筆文や実の父に誘拐された少女の心情を描いた物語など、中学受験で扱う文章は幅が広く奥が深いのです。
3.素直である
スポーツや芸術分野でも同じことが言えるかもしれません。
アドバイスを素直に受け入れて自分のものにできる子は伸びが速いです。
高学年ともなると反抗期に入る子もいるため、親に対してはひねくれた態度をとってしまうことも多いかもしれません。
ですが、元が素直な子なら反発しつつも有用な意見は取り入れます。
頑固で思い込みの激しい子だと、どんなに良いアドバイスも聞かず自分のやり方を貫いて失敗します。
自分のやり方に固執するあまり非効率的な勉強をしていることも。
勉強は質と量が重要です。質の良い勉強には高い意識が必要ですし、量をこなすには効率の良い勉強法の確立が欠かせません。
人の話を聞き、テストの結果を素直に受け止める姿勢は受験を左右するほどの要素だと考えられます。
4.競争が好き
競争というとイメージが良くないかもしれませんが、受験はみんなが合格して喜べるものではありません。
熾烈な競争をくぐり抜けなければ志望校に合格することはできません。
過度に競争意識を持つのは良くないですが、点数や順位などを競うことが苦手な子は受験に向いていないでしょう。
逆に競争をある程度楽しめれば、それがモチベーションとなって受験勉強がはかどります。
良いライバルがいることは長い受験勉強の支えともなります。
その意味では、良い競争ができる環境も大切だと言えますね。
5.体力がある
受験は体力勝負です。
学校から帰ったら塾へ行き、学校の宿題と塾の勉強をこなします。
朝は学校のために6時起き、直前になれば夜は9時まで塾と勉強で寝るのは0時。そんな子どもも少なくありません。
朝から晩まで勉強に追われ、睡眠時間も少ない生活を続けるわけですから、筋力ではなく体力が重要となります。
子供たちは元気ですが、それでも疲れは溜まっていきます。
中学受験には元気で健康、丈夫な体を持つ子が向いていると言えるでしょう。
まとめ
中学受験に向いている子の特徴を5つ挙げましたが、中学受験をする子供は小学生です。
まだまだ成長途中、むしろ成長が始まったばかりなのです。
中学受験に向いていると思ったのに受験勉強をしていくうちに変わってしまったということも往々にしてあります。そして逆もまた然り。
受験に向いていると思って過度に期待するのも考えものです。
子どもの様子を見て良いところは伸ばし、苦手なところは別のアプローチを考えてあげられると良いですね。
また好奇心や競争好きというのは、度が過ぎると問題になります。
旺盛な好奇心が勉強ではなく習い事に偏った結果、受験を諦めた家庭もありました。
競争で勝ちたいと望むあまりテストのための勉強になり、最終的なゴールを見失ってしまう子もいます。
まだまだ不安定な子どもを導くのは大人の役目です。
受験に向く子もつまずきますし、向かない子も成功する可能性があるのです。
向き不向きを理解したうえで、子どもに合わせた受験勉強を考え見守ってあげてくださいね。