最近、過干渉な親が増えてきています。
ニートや引きこもりの子どもを作る環境のひとつとして、過干渉な親の存在が挙げられます。
ここでは、過干渉な親はどのような特徴があるのか、なぜ過干渉がいけないのか、子供たちはどう成長していくのか、について考えてみていきましょう。
目次
過干渉な親ってどんな親?
子どもをほったらかしにすると、時間を守らない、約束は守らないなど、親にとっては困ることが多いです。
例えば、朝時間が来ても起きない、片付けない、自分のものを用意しない、4~5歳になっても自分の服を着ない・・・など、こうした場面では親はついついイライラしてしまいがちです。
過干渉な親はこうした場面において、「早く起きなさい」と高校生や社会人になっても声をかけて起こす、部屋を片付けない場合は親が片付ける、時間割を親がする、服をいつまでも親がきがえさせるなど、手をかけすぎてしまいます。
そして「◯◯はいつも片付けないんだから」などと言いながら、結局親が全部、子どもの部屋を片付けるなどという結果になってしまいがちです。
過干渉な親が子供への気持ちが行き過ぎている
親はいつも子どもが無事に育っていってくれることを願っています。
子どもが他所道に逸れないように、失敗して後悔させないようにと考えているのです。
でも、過干渉の親はそうした気持ちが行き過ぎてしまい、結局親が子どものできることもすべてやってしまうという結果になっているのです。
過干渉はどうしていけないの?
子どもは体験したり、経験したりして成長していきます。
例えば、ボタンのついた服を着る時に、小さなボタンを上手につまみ、ボタンホールの入れるようになるのは3歳前後からです。
この時期に手先の神経や筋肉を自分の意志で動かすことができるようになるからです。
「ボタンを留める」という経験をたくさん積んだ子はいつの間にか、自分でボタンを留められるようになります。
過干渉な親は子供の経験を奪っている
過干渉に親が関わってしまうと、いつまでもボタンを自分で留めるという経験を積む事がなくなり、小学校に上がってもボタンを留められるけど、時間がかかるなどということになっていくのです。
食事面でも1歳前後の子どもは食べこぼしが多く、部屋が汚れることが嫌だと感じる親も少なくないでしょう。
手づかみの経験や自分でスプーンを使って食べる経験は子ども自身が自分のタイミングで食べる、自分の食べたい分を考える良い機会になります。
いつまでも口に運んで食べさせていると、子どもはこうした経験を積む回数が減ってしまいます。
子どもが自分で自発的にすると時間がかかる行為であっても、それは子どもにとっては経験を積もうとする良いチャンスなのです。
失敗は成功の元!
こうした経験を積むためには、失敗もたくさん積む必要があります。
例えば、ボタンをはめようとしてできなかったり、ボタンがひとつずつずれてはめてしまったりすることもあるでしょう。
その時に、親が少しだけ手伝って「(手伝ってもらったけど)自分でボタンをかけられた!」という成功体験が子どもの自信につながっていきます。
また、ボタンをずれてはめていると、他人に指摘されたり、だらしなく見えたりすることがあります。
そうした失敗に気が付くことも大切で「次から、どうしたら上手にボタンがかけられるか」と考える機会にもなります。
もちろん「一番上から留めるといいよ」など、助言をすることは過干渉にはなりません。適切なアドバイスや手助けはどのようなシーンでも必要だと思うのです。
親は子どもの人生の伴走者!子供の肯定感を高めていこう
子どもは私たちの大切な家族ですが、親は子どもが独り立ちするまでしっかり育て上げ、社会にお返しするという役割を担っています。
まだ小さなわが子ですが、どのような親であっても「こんな大人になってほしい」という願いがあると思います。
そのような願いの中に、いつまでも手がかかるわが子でいて欲しいという親はほとんどいないのではないでしょうか?
自分で起きられないなら目覚まし時計を使う、遅刻したらどんなことになるか身を持って経験することで、私たち大人も時間を守ろうとする大人に成長してきたわけです。
実は子どもが自分でできることが増えると信頼関係も築くことができ、「この子なら大丈夫」とわが子への信用へもつながっていきます。
できることを増やすことで子ども自身も自己肯定感が高まり、自分を大切にする子どもへと成長していきます。
まとめ
ニートや引きこもりの子ども(大人)の中には、ちょっとしたつまずきや失敗に自信を喪失してしまい、社会に出ることに不安を抱えている場合があります。
子ども時代にたくさんの小さな成功体験を繰り返していると、自己肯定が高い子どもになりますし、それに伴って失敗を繰り返して成功する経験を積んだ子どもは小さな失敗ではめげない「心が丈夫な子ども」に成長することでしょう。
植物に水をやりすぎると枯れてしまうように、子どもにとっての「水」は親からの愛情です。
ただ、食事を与えるだけでなく、適度な言葉掛けや体験をすることですくすく心身ともに健康的な子どもに育っていくのです。