ワンオペ育児の問題点と解決のために出来ること

ワンオペ育児をする母

核家族の増加や働き方の変換によって、ワンオペ育児で子供を育ている家庭が増えています。

ワンオペとは「ワンオペレーション」のことを指し、もともと、スタッフや店長1人で運営・管理している店舗のことを指していましたが、インターネット用語として「ワンオペ」育児という言葉に変化したものです。

ここでは、ワンオペ育児が抱える問題、そして解決のために出来ることを考えてみましょう。

ワンオペ育児の背景

主に、シングルマザーやシングルファーザーがイメージしやすいですが、長期出張の父親を持つ母親一人での育児や、旦那の帰りが遅い、同居していても全く育児に参加しない父親のいる家庭などが背景になっています。

ワンオペ育児の問題点

一人で育児をしていると、24時間休みのない育児に対し、物理的に人手が足りないため、自分の時間は皆無で、トイレにさえいけない、お風呂にも入れない、食事すら時間通りに食べることができない日々が続きます。

買い物もままなりませんし、自分が病気になった時に病院に行くことすらままならないのです。

また、ワンオペ育児では、誰かにつらいことや、育児で不安を抱えている場合に相談したり、助けを求めたりすることができず、精神的にも追い詰められて、不安や焦り、苛立ちなどネガティブな感情を持ってしまうこともあるのです。

一人で育児をしていると、不安や疲労から「社会から閉じ込められているような感覚」に陥ることもあります。

そうした不安や苛立ちから子どもに手を挙げてしまったり、自分自身が鬱になってしまったりして、育児はおろか日常生活もまともに送れなくなる場合もあるのです。

ワンオペ育児を解決するための5つの方法

1.身内に頼ってみる

近くに親や義親、兄弟姉妹、親戚などがいる場合は、手を借りてみましょう。

買い物の間だけ、病院に行くときだけという限定的な時間であれば、引き受けてもらいやすいでしょう。

育児の不安を少し話すと楽になる事もありますし、育児の参考になる知恵をもらって、育児が楽になることもあります。

可能であれば、少しだけ自分自身の時間をもらって、美容室に出かける、ちょっとだけお茶を飲みに行くなどリフレッシュの時間をもらえるとベストです。

こうした身内は小さな子どもが成長していく様子を一緒に喜んでくれることも多いため、よきヘルパーとなることでしょう。

2.友達に頼ってみる

子育て経験のある友達に悩みを聞いてもらうと、育児のヒントがもらえることがあるかもしれません。

また、時々一緒に出掛けて、一緒に遊ばせたり、ご飯を食べたりして、友達と一緒に育児をする時間があっても良いと思います。

一緒に育てている同士は心強い仲間です。

ママ友というとおつきあいが難しいと思うこともあるかもしれませんが、育児の悩みは同じように考えていることも多いため、悩みを共有して、一緒に解決策が生まれることもあるでしょう。

3.有料サービスを利用する

買い物は宅配サービスを使ってみるようにしたり、掃除などもプロに任せたりすることも可能でしょう。

また、地方自治体には「ファミリーサポート」があります。

病気になって病院に行きたい時、買い物の時に一時的に子どもを預かってもらう、保育施設などに送迎を依頼するなど、要望に応じてサポート会員(援助する側)に手助けしてもらえる制度です。

事前に会員登録が必要です。詳しくは各市町村窓口に聞いてみると良いでしょう。

4.子育て支援センターを利用する

2017年度からは保育所保育指針が改訂になり、2018年度からは施行されることになりました。

その中で子育て支援センターの役割について、地域の子育て支援事業を次のように改訂しています。

  • 子育て家庭への保育所機能の解放
  • 子育て等に関する相談や援助の実施
  • 子育て家庭の交流の場および、交流の場の促進
  • 地域の子育てに関する情報の提供
  • 一時保育

支援センターは敷居が高いように感じている人も少なくないかもしれません。今後はこのように、身近な存在として子育て支援センターが機能するようになってきます。

昔はおばあちゃんやおじいちゃんが同居している家庭も多く、地域も子育てに加わっていましたが、昨今は核家庭化が進んだため、支援センターが地域子育ての役割を担う形となっています。

5.電話無料相談を利用する

育児をしていると、どうしてもつらい時、すぐにアドバイスが欲しい時が必ずあります。

夜間や休日の子どもの急な発熱や誤飲などの時には、小児救急電話相談事業(♯8000)があります。全国どこでも短縮回線♯8000を押すと、地域の小児科医師や看護師につながり、アドバイスを受けることが可能です。

また各自治体には子育てについての無料相談窓口もあります。

こうした番号は地域の広報などに掲載されています。

ほかにもNPO団体や臨床心理士が運営している電話無料相談窓口も設置されています。子育て中のサポートとしてこうしたサービスも利用してみてはいかがでしょうか。

一人で抱え込まないことが大事

子育て中は、時間が長く、疲れ果てて「こんな日がいつまで続くのか」と考えてしまうこともあるでしょう。

育児は一人で抱え込まず、誰かに手伝ってもらっても良いのです。

周りに頼る人がいない場合は、行政やNPOなどのサービスを利用して、笑顔で育児ができることが、親にとっても子どもにとっても一番幸せなことだと思います。