小学校で子どもが問題を起こしてしまった、巻き込まれた!となったら、焦ってしまう親御さんや、こんな時、どうしたらいいの?と、頭を抱えている親御さんは多いはずです。
大切なお子さんのためにできることは、親としてしっかり把握しておきたいですよね。
小学校教諭の経験から子供が問題を起こしてしまった、巻き込まれた場合に親がすべきことをご紹介していきます。
まずは次のことを、落ち着いて対応していきましょう。
目次
問題が起こった時の基本!状況をしっかりつかむこと
まず、子どもが何か問題を起こしたり、巻き込まれたりしたときの基本です。
できるだけ詳しく、その時の状況や言動、気持ちなどをしっかりと聞き出しておきましょう。
「そんなところまで?」ということも、解決につながる糸口になることだってあるのです。
ただ一つ気を付けてほしいのは、子どもが言っていることだけで判断しないこと。
子ども一人ひとり、見えている世界は違います。
学校の先生には、できるだけ目撃者やその問題に関わった子たちに詳しく話をきいておいてもらいましょう。
感情的にならず、客観的に考えることが大切
また、子どもが先生に話したことと、家で言っていることが違う、ということはよくあることです。
子どもですから、親の前ではいい子でいたかったり、自分がしたことを言えなかったりするのが当たり前です。
言っていることに食い違いなどが起こったときは、自分の子どもの話を聞いてあげるのと同様に、周りの子や先生の話にもきちんと耳を傾けるようにしましょう。
そしてできるだけ感情を入れず、客観的に考えることも大切です。
事実を曲げず、ありのままを受けとめてあげることも、親の大切な役割です。
子供が問題を起こしたら!何かした時には必ず理由がある
状況をつかむことと少しかぶるところもあるかもしれませんが、これは私が1番重要だと思っていることです。
子どもが何かをしたときには、必ずどんなことにも理由があります。
どんなに悪いことをしても、頭ごなしに叱るのではなく、どうしてそのような行動をしたのかを必ず聞いてください。
「たたかれたから」「馬鹿にされたから」という理由の子もいれば、予想もつかなかった理由を口に出す子もいます。
子どもの心の内が分かり、解決につなげられるチャンスですから、必ず聞いてほしいのです。
「なんとなく」でも立派な理由の一つ
もしかしたら「なんとなく」なんて言う子どももいるかもしれません。
でも、それも立派な理由の一つです。
「なんとなく」何かをしたくなること、大人でもありますよね。
一つ目にあげた状況把握をしっかりすることで、その子どもが「なんとなく」そんな気持ちになってしまうのはどんな時なのか(嫌いな勉強がある日だったり、家庭的な事情だったり、ただかまってほしかったり)が分かります。
起こっている問題に焦点を置いて考えるのではなく、幅広い視野で子どもを見てあげることが大切です。
しかし子どもですから、理由を言葉にして伝えるのはとても難しいことです。
うまく言えなくても責めないようにし、一言ずつでも、ポロポロと出てくる言葉を拾い上げて、その子の考えや感情をくみ取ってあげましょう。
全く話さないときは、こちらから質問をして、頷かせるだけでも立派な自己表現です。
過去に起こったことが解消されていない理由には注意しよう
問題を起こしたときに、一番多い理由が「前に〇〇されたから」。この理由はかなり多いです。
厄介な子ですと、ずいぶん昔のことを言ってきたりするので、「おいおい…」となってしまうかもしれませんが、それだけその子の心には昔のことが刻まれているということです。
ただ、解決済みの問題を理由として言うのはよくありません。
それはその子の中でまだ納得・解決していなかったり、何と言ったらいいか分からずとりあえず昔のことを言ってみたりしているのです。
一度解決している問題を掘り返していると、いつまでたっても新しい問題が起こり続けます。
一つの問題を解決したら、もうその問題には触れない、同じことはしない、という約束をしておかないと、後々大変なことになります。
親の背中を見て子供は育つ!良いこと悪いことの区別をつけよう
子どもは親の背中を見て育ちます。多かれ少なかれ、親の影響はあるものです。
もし相手の子にとって悪いことをしてしまっていたのなら、謝ることを教えるのも親の役目です。
悪いのに謝らずに、次々と言い訳をしていく親を見ていては、子どももそういう風に育っていきます。
悪いことは悪いと教え、良いこと悪いことが区別できる子どもに育てなければ、周りが離れて行ったり、将来とんでもない目に合ってしまったりします。
問題を起こした側も巻き込まれた側も相手の気持ちを尊重しよう
ご自身のお子さんが加害者である場合、相手の子が、これからどうしてほしいと思っているのか、何を反省してほしいと思っているのかを理解しましょう。
反省し、これからのことを約束するだけでも、被害者の子どもは安心できます。
ただし、被害者である子も、仕返しなどをしている場合は、そのことについて謝るのが当然です。
また、加害者である子どもも大切にしましょう。
学校と連携して方向性を共通理解した上で、家庭でも改めてお話しすることが大切です。
学校で話し合って終わりではなく、学校でも家でも起こった問題についてしっかりと話すことで、子どもは「自分を見守ってくれている人はみんなそう思っている」「直していかなければならない」と感じ、変わっていくのです。
最後に
問題を起こしたり、悪いことをしたりすると叱る、というのが間違いではありませんが、まずは子どもの気持ちを知り、寄り添ってあげることが大切です。
それからしっかり、じっくり、時間をかけて子どもや問題と向き合っていきましょう。