これから中学受験を控えているご家庭で、「ベネッセ学力推移調査」というテストを聞いたことはありますでしょうか。
中学受験時に「中堅校」と呼ばれる中高一貫校が2016年以降、「ベネッセ学力推移調査」を続々と導入して来ています。
導入の目的としては、生徒ひとりひとりの学力推移と、学年・コース別の学力推移をチェックするためです。
ベネッセでデータ分析や管理が行われるということや、ひとりひとりの弱点がはっきり見えるということから、年に数回行っている学校もあれば、年に一度のみの学校もあります。
ここでは、なぜ「ベネッセ学力推移調査」が注目され私立中学校に導入されているのかご紹介していきます。
目次
1.学校毎にカスタマイズされたテスト内容で学習の定着度が分かる
「ベネッセ学力推移調査」は中学受験時に中堅校という位置づけになった中高一貫校に人気のあるテストです。
超難関校の灘や開成などは、ベネッセのテストには参加はせず、別の難易度が高い外部学力テストを導入しています。
ベネッセとテスト内容などを打ち合わせした上で、カスタマイズし、生徒に対して問題をなげかけ「学習の定着度と学年内の成績分布」を見ていくというものです。
このテストについては、2016年から開始したテストで、大学入試改革を意識したテスト内容で4教科行いますが、「え?これってどうすればいいの?」という難解の教科が登場します。
4教科テストでは頭の切り替えが見られている
具体的な4教科とは、国語・数学・英語・総合融和のテストが行われます。
「総合融和って何?」とびっくりされる親御さんもいらっしゃるでしょう。
まさしく名前の通り、基本3教科を混ぜた出題形式で、よく問題を読み、理解しないと解くことが難しく、3教科がバランスよくできているか、頭の切り替えができるのかということを試す形式になっています。
基本3教科について、途中からAとB問題に分かれますが、試験監督の担当者の指示に従って問題を解いていきます。
一番生徒たちを悩ませるのが「総合融和」です。どのような形式で出題されるかというデモンストレーションなしで実施されます。
2.一人一人の評価と改善点のアドバイスがもらえる
テスト時期は年1回実施の学校なら9月頃に行われて、テスト結果は11月頃返却されてきます。
学校で3者面談が実施される時期でもあるので、普段の成績の話やこの学力テストの結果を渡されて、ベネッセが実施したテストということで成績面が気になる親御さんも多いのではないでしょうか。
「ベネッセ学力推移調査」のテスト結果については3種類の書類が渡されます。
- 実際の子供が書いた解答の複写版(丸つけ済み)
- 科目ごとの成績(S〜Cと1〜3の組み合わせ評価)
- 単元での評価のグラフと改善点が打ち出された用紙
科目ごとの評価でよくできる「S」クラスの中で「1〜3」と分類されます。
例えば、数学の成績がよくて、学年総合で分析した結果、「A1」という評価で表されます。
改善点などには「どの単元が悪くて、どうすればいいか」というアドバイスが書かれています。
以前は偏差値が印字されていたという話ですが、今はアルファベットと数字での組み合わせで評価をされます。
3.大学入試に向けての指導方針を導くことができる
「総合融和」の科目テストは、2020年の大学入試改革に向けて「思考力」や「すぐに問題について頭を切り替える力」「推理力」gが取り入れられています。
この科目によってそれぞれの生徒に対し、今後どのような指導をするべきか、学校としてどういう指導方針をとればいいかという材料になります。
このテストが、学校側にとって預かっているお子さんの学力向上に役立ててもらうことは非常に大切なことでしょう。
「ベネッセ学力推移調査」結果とアドバイスをしっかりと読み、学校が実施する実力テスト、また行われるかもしれないこの「ベネッセ学力推移調査」で満足のいく結果を出せるように、日頃からの勉強の積み重ねが大切になってきます。
まとめ
我が子が通っている中学校が対象校であり、勉強の仕方についてはアドバイス通りに実践をし、成績向上に繋がりました。
しかし、良い方向につながるお子さんもいれば、成績向上にうまく反映されていないお子さんもいるというのが事実です。
中学生の間は「まだ伸び代があるのでは」という考えの親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、私立中学校の指導速度は速く、中学1年生の3学期終わり頃から、2年生の授業内容が始まります。
1年生のうちにお子さんの勉強の癖や弱点をこのようなテストで知っておくと良いでしょう。
そして、「思考力」「推理力」も見抜けるテストを体験できるというのは非常に興味深いテストでもありますね。