夏休みの宿題で後回しにされるもののひとつが「読書感想文」。
本を読んで感想文を書くという二段構えの宿題は、小学生の子どもにとって非常にハードルが高いものです。特に文を書くことに苦手意識があると、原稿用紙を見ただけで拒絶反応が出てしまうことも。
小学生の読書感想文は原稿用紙1~3枚、文字数にすると400~1200字程度です。マス目を見ると「多い……」と尻込みしてしまいますよね。
そんな親も子供も悩ませる読書感想文ですが、実はパターンさえつかめば意外と時間をかけずに完成させられるのです。
目次
本の選び方
読書感想文でまず困るのは「どんな本を読めばいいか」でしょうか。
夏になると多くの本屋には読書感想文にオススメの本が並びます。夏目漱石や芥川龍之介といった文豪の本や、コンクールの課題図書が中心なので、読書感想文が書きやすいです。困ったらこういったところから選ぶと良いでしょう。
もちろん図書館で好きな本を選んでも良いですね。ついでに自由研究に必要な本を一緒に借りてしまう、というのも賢いやり方です。
図書館では「子どもに自分で好きな本を何冊か選ばせる」のがオススメです。図鑑や雑誌はさすがに止める必要がありますが、対象年齢が違う本や読書感想文向きではなさそうな本でも見守ってあげてください。
読書は長く続く集中力が必要なもの。読めと言われて読み始めた本は集中力が続かず、最後まで読み切れないことも少なくありません。読書の習慣がない子どもほど、自分で本を選び興味を持って読み始めることが大切です。
書き始める前にメモ作りを
本を読んだら、いよいよ読書感想文を書き始めます。が、すぐに原稿用紙に向かって書き始められる子どもは少なく、ほとんどは題名を書いて一行目で詰まってしまうことでしょう。
大人でも長文を書くのは大変です。スムーズに書くためには、まずメモを作ります。
メモは本を読んだらすぐに書くのがポイント。時間をあけると内容を忘れてしまったり、書く意欲が途切れてしまったりすることがあります。
読書感想文の構成
書いたメモを元に原稿用紙に分を書き始めます。メモがそのまま構成になるわけですね。
メモに書く構成は以下の4つ。単語でも構いません。
- 本を選んだ理由
- あらすじ
- 印象に残ったシーン
- 本を読んで考えたこと
始めは「本を読んだ理由」です。読書感想文に限らず、ほとんどの作文はきっかけから始めると書きやすいです。
次に「あらすじ」を書きますが、あまり長くならないように木をつけましょう。あくまでも感想文を書くということを忘れずに。
ここからが中心になります。「印象に残ったシーン」とその感想を並べていきます。おもしろかった、怖かった、不思議だったなど、思ったことをそのまま文字にすれば良いのです。
最後は本を読んで「考えたこと」を書いて締めます。ここまで書ければ短くても原稿用紙一枚は軽く超えます。
それぞれの項目について、具体的な書き方をご紹介します。
読書感想文の具体的な書き方
1.選んだ理由
本を選んだ理由はあまり深く考えず正直に書きます。
たとえば以下のような理由が考えられます。
- 題名が面白かったから
- 好きな作者の本だから
- 本屋でオススメと書いてあったから
- 表紙がカッコよかったから
こんな簡単なことで大丈夫です。高学年ならさらに説明を加えてみましょう。
たとえば「私が『注文の多い料理店』を読もうと思ったのは、不思議な題名だと思ったからです。注文するのはお客さんなのにお店が注文するのも変だし、どんな注文をするのかと気になりました。」といった具合です。ちなみにこれで約80字。原稿用紙の1/5が埋まります。
2.あらすじ
あらすじはできるだけ短く、分かりやすく書きましょう。誰が何をしてどうなったか話なのかを、二文程度にまとめます。
たとえば「『桃太郎』は、桃から産まれた桃太郎という男の子の話です。おばあさんからもらったきびだんごを渡して、サル・キジ・イヌを家来にして鬼退治をしました。」
このぐらいでOKです。難しければもっと短くても大丈夫。
文庫本にはときどき巻末にあらすじやあとがきがありますが、読んで参考にしようとすると逆に難しくなります。感想文を書くなら、むしろ読まないほうがいいかもしれません。
3.印象に残ったシーン
印象に残ったシーンならクライマックスでなくても構いません。
『三匹のこぶた』なら「レンガで家を作るシーン」「オオカミが家を飛ばしていくシーン」「オオカミがえんとつから入ってくるシーン」などがありますね。最後まで読んで心に残っているシーンと、その感想を書いていきましょう。
シーンの説明と感想、考えたことを書いていくと文字数はどんどん増えていきます。低学年なら一つ、高学年なら二つぐらい書くのがちょうどよいでしょう。
4.考えたこと
最後のまとめになる部分です。本を読んで、自分の生活や人生にどうつなげていくか。なんてことを書ければ素晴らしいですね。
とはいえ、これが書ける子どもはなかなかいないでしょう。まとめなんて思いつかないのが当然です。
そんなときはこの文を使ってください。
「私も〇〇のように××たいと思いました」
たとえば『北風と太陽』を読んだ感想であれば、「私も何か大変なことが合ったら、太陽のように知恵を使って解決したいです。」というまとめかたです。自分に置きかえて考えるというのは難しく子どもが苦手とする部分ですが、キレイにまとまりますので頑張ってみましょう。
まとめ
本を読みメモを作り原稿用紙に向かう。気の重い宿題ではありますが、中学高校で書くことになる小論文などでも役に立ちます。
読書感想文はパターン通りに書いていると、少しずつオリジナリティが出てきます。毎年宿題として書かされるなら、年を追うごとに上手になっていくはずです。
まずは肩の力を抜いて、おもしろそうな本を探すところから始めましょう!
コメントを残す