最近、学習指導の現場でとても気になることがあります。
それは、「子ども達が考えない」ということ。
今回は、この考えない子ども達が増えている現象について、具体的な体験談を含めて皆さんと一緒に考察してみたいと思います。
目次
増えている考えない子どもたち
日々指導していて感じることは、今の子は暗記や計算問題などがとても得意です。
単純なルールに乗っ取ってゴールにたどり着く、そうです、言わばゲームの様な問題はとても積極的に取り組み、サッサと素早く終わらせます。
しかし、ちょっと難しい問題になるとどうでしょう。
あまたの中で粘り強く考えなくてはいけない問題となると、途端に「分かりません」とすぐに匙を投げます。
白紙のまま宿題を提出するのも平気な顔でやってのけますし、「分かりません」と諦めるまでの時間も数秒でこちらが驚いてしまうほどです。
本当に考えたの?と問いただしたくなる位、実にあっさりとしています。
子どもたちはなぜ考えないのか
これはどうしたことでしょうか。
普通は、問題が分からないとなると、少し気恥ずかしく感じたり悔しく感じるもの。
その恥ずかしさや悔しさが、成長へのモチベーションとなると思うのですが、それが最近の子からは感じられません。
分からなくても平気、白紙で出しても平気。
プライドなんてものはなく、ギブアップが早い。
あがかない、粘らない、泥臭くないのが、今の青少年の特徴に感じます。
考えない理由は何だろう?
この現象は私が感じているだけなのかとも思いましたが、他の先生に相談してみたところ、その先生も同じことを感じていました。
現代の何が、子ども達のこんな状況を生み出したのでしょうか。
「情報化社会」の影響?
やはりそれは、この便利な世の中。
情報社会のある意味、弊害なのだと考えます。ググればすぐに答えが出てくる時代。
インターネットで検索すれば、すぐに何でも答えが出てくる。
わざわざ悩む必要もなければ、悩む時間も無駄なのかもしれません。
「ゆとり教育」の影響?
白紙で提出したとしても今は怒られない時代。
昔は、「何を白紙で出してるんだ」とゲンコツの一発くらい貰ったかも知れません。
しかし、今はそんなことをしては子どもがただビックリするだけで、そのゲンコツのメッセージは何ら子どもに伝わることはありません。
誰かがどうにかしてくれるから?
数秒で諦めるというのは、「誰かがどうにかしてくれる」という思いの表れではないでしょうか。
少子化で子どもの一挙手一投足まで大人の目が行き届く時代。
今までは子どもの力で解決していたことまで、現代では大人がすぐに解決してしまっています。
思考力をつけるため親にできることは?
子どもたちには、出来ないこと、難しいことにチャレンジして、出来なかった昨日までの自分を乗り越えていく力を身に付けて欲しい、そう思います。
またそういう力こそが、大変な人生を生き抜いていく力そのものになってくれる筈です。
数学の問題が、実際の世の中で何の役に立つのかと言われたら、具体的にはNOでしょう。
でも、粘り強く考える力、問題を乗り越える力が、その子の知性や知能をその子の生き抜いていく力にしてくれるのだと思います。
親にも子どもを見届ける勇気が必要
その力を身に付ける為には、親は子の先回りをしないこと。
例え、我が子がこれから失敗することが分かっていたとしても、それをそのまま見届ける勇気が必要です。
子どもが失敗から何を学ぶか。泣いて傷ついたりもするでしょう。
でも失敗したのは自分。そこから、自分の力で立ち直らなければいけません。
親としては、その時のフォローの仕方で、その後の子どもの成長が変わってくると大事な場面であると思いますし、親の力量が最も問われるところなんだろうと思います。
考えないままではいけない!思考するからこそ「人」
果たしてこのままで良いのでしょうか。
将来的にはロボットが全ての仕事をするであろうと言われている時代です。
人間は働くロボットを管理していれば良いだけの時代になるそうですね。
そうなれば、全ての計算や問題処理はロボットが行ってくれますね。人間は昼寝をしているだけで良さそうです。
でもそれで、本当の幸福は得られるのでしょうか。
「出来ることだけやってればいい」「辛ければやらなくていい」では、人として何も成長しませんし、何かにチャレンジして達成した時に得られるあの素晴らしい幸福感や充実感を得ることもありません。
ただ食べて寝るだけが人間ではなく、頭で考えて色々な感情を持つからこその人間だと思うのです。
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