親にとって、子どもの成績は関心ごとの中心だといえます。
しかし、あまりにも子どもの成績にとらわれすぎて心が乱されるのは、自分にとってはもちろん、子どもにとっても良いことではありません。
親がイライラしているのに、子どもがスクスク育つということは、まずありませんから。
ここでは、子どもの成績で心が乱される人へのアドバイスを4つ紹介します。
目次
子どもに良い成績をとってほしいのは何のため?
例えば受験勉強など、子どものためと言いながら、ママ友との競争に勝つため、自分のプライドを守るためにやっていないでしょうか。
子育てが生活の中心になってくると、子どもの成績が母親としての自分の成績のように思えてくるものです。
もちろん、子どもにはたっぷりの愛情をかけてあげる必要がありますが、あまりにも子育てに生活を縛られてしまうと、子どものためと言いながら、いつのまにか自分のプライドのために子育てをするようになってしまいます。
本当に子どものために愛情を持っているなら、心はそんなにかき乱されません。
しかし、自分のプライドのためになるとイライラすることが多くなります。
自分では一所懸命に子育てをしているつもりでも、イライラすることが多いようなら子どもにとって逆効果にさえなってしまいます。
子育て以外の時間も大切に
母親の生活が子育てのみになってしまているなら要注意です。
子育てを成功させるには、落ち着いた心が必要です。
逆説的になりますが、子育てを成功させるために、子育て意外の自分の時間を持つことが大切だと言えます。
それは、友人関係であったり、趣味であったり仕事であったり、内容はなんでもいいと思います。
外国のことわざに「一本足のイスには座れない」というものがあります。
子育てのため、心の平静をたもつために複数の関心事があることが大切です。
親は自分の子どものころの成績を美化するもの
子どもを見ていると「こんな簡単なこともできないのか」と思うことがあるかもしれません。
塾で保護者面談をしていると「私はこのくらいのことはできた」という言葉を聞くことがよくあります。
その言葉は本当でしょうか。もちろん親が嘘を言っているとは思っていません。
多くの子どもたちと接することがある学校や塾の先生は、子どもの平均的な能力というものを知っています。
「この年齢であれば普通はこの程度」という基準を持っています。その基準と比べると、ほとんどの親が「自分の子どものころを美化」しているようです。
本当はできていなかったことを「自分はできた」と錯覚してしまうのです。
親の方も悪意があってしているわけではありませんが、親の美化された記憶を基準に叱られている子どもはたまったものではありません。
新人の先生にするアドバイスに「2〜3学年下に教えるつもりでやりなさい」というものがあります。
例えば、小学校6年生に授業をするときには、小学校4年生〜3年生向けぐらいのつもりで授業をしてちょうどよかったりします。
大人になると「普通の子ども」がどの程度だかわからなくなってしまうからです。
「自分はできたのに子どもは簡単なことができない」とイライラしてしまう方は、自分の記憶を美化していないか、立ち止まって考えてみて下さい。
親のアドバイスは時代遅れ
子どもが親の意見に対して反発することもあります。
「お母さんのころはね・・・」と自分の体験をもとにアドバイスをしても「今は違うもん」と、言うことを聞いてくれません。
では親が子どもだったころ、自分の親のアドバイスは的確だったでしょうか?「自分の親も時代遅れだったな」と思えるのではないでしょうか?
教育事情というのは、時代の流れとともに変わっていきます。
大学入試の制度変更も数年後に控え、学校教育も試行錯誤を繰り返しながら変わっていっています。
ですから、自分の体験をもとに子どもにアドバイスをしても、ずれていることは珍しいことではありません。
子どもの話を聞きながら、親も現在の教育事情について情報収集する必要があるのです。
成績の悪い部分ではなく良い部分に注目しよう
子どもの成績を見て良い部分に注目するのは難しいことです。
模試の結果や成績表を見ると、ついつい悪いところばかり目がいってしまい、イライラしながら子どもを叱ってしまうのではないでしょうか。
この時に子どもに「勉強ができていない」というメッセージを送るのは逆効果です。
悪い部分に注目することで発生する悪循環
勉強ができていないというメッセージは、子どもに暗示のようにすりこまれ、勉強に苦手意識をもってしまいます。誰でも苦手なもの、不得意なものを一生懸命やりたいとは思わないでしょう。
- 「勉強ができないという暗示」
- 「できないからやらない」
- 「やらないから成績が下がる」
- 「成績がさがるので勉強ができない暗示がつよまる」
と悪循環にはまってしまいます。
良い部分に注目することで生まれる好循環
模試の結果や成績表を見たら少しでも良いとこを探し、良いところを言葉に出してあげてください。
そうすれば、
- 「勉強で褒められた」
- 「もっと褒められたいから勉強する」
- 「勉強するから成績が上がる」
- 「成績があがるから、やればできると思える」
と良い循環がはじまります。
なかには、「子どもの成績で褒めるとこなんてない」とおっしゃる方もいらっしゃると思います。そんな貴方は次の言葉を知って下さい。
「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」
アランというフランスの哲学者の言葉です。言い換えるならば
「子どもの欠点がみえるのは気分よるものであり、子どもの長所がみえるのは意志によるものである」
子どもに意志の力で勉強することを求めるなら、親の側も意志の力で子どもの長所を見てあげなければならないのではないでしょうか。
子どもの成績で悩むことは誰にでもあること
子どもの成績のことで悩んだり、イライラすることは誰でもあると思います。
もしまた悩んだり、イライラすることがあったら、ここに書いてあることを思い出してください。
子どもが悪いのか、親が悪いのか、それは私にはわかりません。
でも、ちょっとした心がけで悩みやイライラがなくてすみ、子どもの成績があがるなら、その方が良いと思いませんか?