いきなりですが、「頭の良し悪し」とは、何に左右されるのでしょうか?
同じことを同じように勉強していても、身になる量は人それぞれ。
そして不思議なことに、ペーパーテストの点数上、ほぼ同点の二人でも、どちらかがズバ抜けて頭のキレがいいということもあります。
つまり頭の良さには、学習で得た能力や学習時間とは関係ないところで何か違う力が働いているのです。
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「頭の良さ」は学校の成績だけを指してはいない!?
私たちがこう言う話をしている時の「頭の良さ」は、きっと学校の成績だけのことを指してはいませんよね?
その他、考える力の早さ、会話力、新しい物事への応用力などの能力を含めて、「あ〜この子、この人は頭が良いな」と思うわけです。
本当に頭の良い人は、未知のことでも自分なりに工夫をして、うまくこなすことができます。
つまり、これまでの知識を手掛かりにして、新しいことの課題を乗り越えているのです。いうなれば、「活用する能力」が高いと言えるでしょうか。「応用力」の言葉を当てはめられるかもしれません。
「応用力」がないと、、、
学校の成績はとてもよかったのに、どうも知恵が足りないというか、ステレオタイプでなかなか新しい発想や工夫に至らない人がいます。
そう言った人は、この活用する能力、つまり応用力が低いのです。
学校で習ってきたいろいろな知識が日常と結びつかないから、必要な時に応用できないのです。
「応用力」は難しく考えなければならない能力ではない
たとえば算数では、足し算や引き算などの計算方法を基礎として、そういう基本的な事項ができるようになれば、次は応用として文章問題に取り組みます。
2+5が7だと習ったら、次のステップでは、おそらく「りんごが3つありました。今日お隣さんから4つもらいました。全部でりんごはいくつになるでしょう。」などという問題を解くことになるでしょう。
たとえば数学では、受験に必要な複合問題は、一次関数や相似、合同、三角比など様々な解法を身につけて初めて解くことができます。
受験問題は、まさに、基礎を活用した問題ですよね。お子さんたちは、日々、コツコツと「活用する能力」「応用力」を積み上げていっているのです。
でもこれは、教科の中、あくまで「鉛筆でカリカリする」テキスト上での応用力。これだけでは、本当の頭の良さには繋がらないのです。
本当に必要なのは、机の上のお勉強の枠を出て「応用する力」
親御さん方は、お子さんの学習に、ぜひ、この外へ「応用する力」の観点も意識するようにしてみましょう。理科や算数ならば、日常生活に役立つシーンがたくさんあります。
「こういう時に、あそこで習ったことを使えばいいんだよ」
そう助言する癖をつければ、自然とお子さんも活用する能力を育んでいけるでしょう。
小学校で習うことも十分に活かせる
たとえば、小学校理科から簡単な例をあげてみましょう。空気の温度の単元では、温まった空気は上に行くことを習います。寒い日に暖房をつけて寝ていたとしても、なぜか寒い。
この原理に当てはめて考えてみると、床に近いところで布団を敷いて寝るよりも、高さが天井に近くなるベッドで寝た方が暖かいというわけです。
そして、部屋全体を効率良く温めたいと思うなら、サーキュレーターなどで部屋の空気を循環させれば良い。こういう工夫をできると、一見何も役に立たないような内容でも、学習内容一つ一つが生きてくるのです。
学校では本当に様々なことを学習します。
学校で学ぶことは役に立たない?
「学校で学ぶことはほとんど役に立たない」とか言いますが、本当にそうでしょうか?
もちろん、日常生活で使わないことがらはたくさんあります。日常の生活の中で、習慣的に微分・積分を使うことはありません。
しかし、意外と使えるネタはたくさんあるのです。そうしたものは、そっと引き出しに入れておいて、いつでも引き出せるようにしておくべきです。
この「応用する能力」は、決してペーパーテストでは測れない能力ではあります。すなわち、学校の勉強だけではなかなか培っていくことの難しい能力とも言えるかもしれません。
しかし、それを超えたところに人間の真の賢さや頭の良さがあるとしたら、私たち親が是非意識して行ってあげたいものです。
人間の賢さは、もともと持っている能力や才能にもよりますが、こう言った環境面での影響が多分に関わっているのです。