「勉強ができない子」、その「勉強できない理由」は何でしょうか。
「勉強をすればできるのにやらないから」でしょうか。それとも「勉強してもできない」のでしょうか。悩まれている親御さんも少なくないはずです。
今回は「勉強すればできるのにやらない子」に注目して、「なぜ勉強ができないのか」ということを、たくさんの子どもを見てきた教諭経験から考えていきたいと思います。
目次
勉強が出来なかったある子どもの事例
教員をしていると様々な子と出会います。
筆者が高校で教員をしていて出会った子の1人もまったく勉強ができませんでした。
一生懸命さがないわけではありませんでしたが、テストになるとまったく歯が立たず赤点ばかり。
高校1年の頃は、どうしてこんなこともわからないのか?と内心、小学校、中学校との勉強についてどのようにしていたのか、と疑問に思いました。
公立の学校は勉強が得意な子もいれば苦手な子もいます。
しかし、学校の授業を勉強ができない子に合わせるわけにはいかないことも多々あります。
ですが、高校ともなれば義務教育が終了し、ある程度の学力を持っていないと授業にはついていけません。
勉強できる子へと変えた方法
その子にはまず小学校などで身に付けるべきであった勉強の仕方や生活習慣の改善を求めました。
そして高校3年生になる頃にはテストでは赤点を取ることなく、成績も上げることに成功したのです。
つまり、今からお話するその子の改善点を小学校のうちからきちんと身に付けておけば、「勉強ができない子」も変えることができるはずです。
勉強が嫌いな子・苦手な子に身につけてほしい3つの事
赤点ばかりで、勉強が出来なかった生徒に3つの改善点を伝えました。
これらは小学校のうちに身につけておくことで、進学する上でとても大きなポイントとなります。
小学生のうちにぜひ、身につけておいてほしい3つのことをご紹介していきます。
1.「考える」ことの習慣化
勉強ができない子に多い特徴の一つに「考えない」という点があります。
「なぜ?」「どうして?」など疑問に思うことは皆無に等しいのです。
勉強には2つの種類がある
ひとつは「暗記」しなければいけないものです。
漢字や英単語、歴史など覚えていなければはじまりません。
そしてもうひとつは「応用力」です。
算数などは覚えた知識を活かして答えを導きださなければいけません。
勉強ができない子には、後者の「応用力」を苦手とする子が多いように感じます。
そして考えることが面倒であったり、考えても間違っていたら嫌だからと、「考えること」自体に拒否反応を示します。
考えることを習慣化させるには「成功体験」が必要
つまり考え導き出した答えが正解だった経験をすることで、「考える=正解できる=楽しい」という経験をさせてあげる必要があります。
しかしいくら「考えなさい」と言っても、その習慣がない子にとってはその「考える」ことさえ難しいのです。
幼児や小学生の場合には周囲の大人が「なんでだろうね」「どうしてだろうね」と声掛けしてあげると、考えることが段々と習慣化されていきますので、積極的な関わりと声掛けが大切になります。
2.「だって…」を口癖にさせない
テストを返却する際、一声子どもに声をかけることがあります。
「どうしたの、点数取れてないじゃん。」と。すると、勉強ができない子は「だって…」という言葉から必ずと言っていいほど話始めます。
部活が忙しくて、家の手伝いをしていて、時間がなくて、などその後に続く言い訳は様々ですが、言い訳をしているようでは、その子は成績の面を伸ばすことはできないでしょう。
皆それぞれ忙しいのは同じです。
約束事を決めよう
子どもたちだってそれぞれの中にやりたいことがあるはずです。
その中で、いかに効率よく勉強できるか、いかに時間を見つけることができるか、が大切です。
小学生の低学年のうちはまだまだ時間配分なども難しいでしょうから、周囲の大人が時間の管理を手伝ってあげることが大切です。
どうしても観たいアニメがあるなら、それが終わったら必ず夕飯まで机に向かう約束をしたり、遊びに行く前に必ずこれだけはやるなどの約束事をしましょう。
大事なのは質
気を付けたいのはただ時間を決めればよい、という訳ではないところです。
ただダラダラと勉強しても意味がありません。
勉強で大切なのはその「質」です。
勉強したことがきちんと頭に入っているか、身に付いているか、応用できるか、なども確認してみましょう。
3.生活習慣の乱れを直す
生活習慣が乱れていると、1日をダラダラとしてしまいがちです。
1日ダラダラとしてしまうと、やるべきことも後回しにしたり、勉強する時間が少なくなってしまいがちです。
「休みだから」という理由でダラダラさせるのは意志の弱さを生み、怠け癖も付きやすくなってしまいます。
起床時間、就寝時間などを平日と同じにし、勉強に向かう時間をきちんと確保できるように整えましょう。
なぜ勉強できないのか、の見極めを大切に
どうでしたでしょうか。
我が子が「勉強ができない」と感じていたら、ぜひ上記の3つのポイントを見直してみてください。
もし、心当たりがあったならば、1つひとつ改善のサポートをしてあげましょう。
「勉強ができない理由」をまずは保護者がきちんと理解し、適切なサポートを選んであげてください。