リーダーシップを取れる子の特徴とリーダーシップを取れる子に育てる方法

リーダーシップのある子供クラスの中を見渡すと、かならず1人は“リーダー”が存在します。

リーダーは誰もがなれるわけではありません。リーダーになれるのはその素質を持った子どもです。

その素質は生まれ持ったものばかりではなく、育ってきた環境にも大きく関係しています。

リーダーとなる存在になるために必要なもの、特徴とはどんなことでしょうか。

お子さんが将来大人になった時にリーダーシップの取れる子どもに成長していくために、リーダーシップが取れる子どもになるための方法を見ていきましょう。

リーダーとなる子どもは年齢で変化していく

親御さんは子どもの頃を思い出してみてください。クラスにいた“リーダー”はどんな人でしたか。

筆者が教員経験から見えてくる、“リーダー”と言っても、年齢によってリーダーの特徴は変わってくるように思います。

幼児期から小学校中学年の頃は“なんでもできるスポーツ万能な子”や“ちょっとお調子者のクラスのムードメーカー”のようなタイプの子がリーダーとして集団を引っ張っていくケースが多いように見受けられます。

みんなの憧れの存在であり、目に見える“すごさ”が彼らをリーダーに押し上げています。

しかし、小学校高学年頃になると、リーダーが変わっていきます。

“目に見えるすごさ”ではなく“目に見えないすごさ”に魅了されていくからです。

例えば“ケンカの仲裁に入ってくれるような子”や“話をよく聞いてくれる子”、“曲がったことが嫌いな子”などです。

このように年齢によって“リーダー”は違うわけですが、将来大人になった時に、“リーダーシップ”を発揮できるのは後者のような子どもたちです。

リーダーシップを取れる子どもの特徴

では、将来大人になった時に“リーダーシップ”の要素を持つ子どもたちはどのような特徴があるか、もう少し詳しく見ていきたいと思います。

信頼されている

当たり前かもしれませんが、信頼されていなければリーダーとはなれません。

リーダーとなるような子は決して誰かが損になるようなことはしません。

何か“おかしい”と感じたことには“おかしい”と異を唱えることができます。

きちんと周りの話を聞き、吸い上げて、解決してくれるので非常に信頼されている子が多いです。

誠実である

私利私欲の為ではなく、相手の立場に立って、相手の気持ちを考えて行動することができる特徴が見受けられます。

まじめで気遣いのできる人は人間関係も上手くいき、信頼されることにつながっていきます。

決断力がある

失敗は年齢を重ねれば重ねるほど怖くなっていくものです。

しかし、正しいかどうかわからなくても自分の考えをきちんと持ち、決断を下すことができる特徴があります。

そうした姿はやはり“ついていきたい”という気持ちを高めてくれるものです。

あきらめない、逃げない

たとえ失敗してしまったとしても、最後までやり通すことができる力を持つ特徴があります。

責任を持って最後までやる姿は周囲の目には非常に魅力的な人に映ります。

気分の浮き沈みがない

小学校高学年からは思春期でもあり難しい年頃です。様々な悩みも出てくる時期です。

そんな不安定な中でも大きな浮き沈みを持たず、自分の気分に左右されない強さがあります。

リーダーに対して誰もが快く思うわけではありません。批判されたり反論されたりしても折れない心を持ち対処できる特徴があります。

競争をする子供たち

リーダーシップを取れる子どもになるための方法

リーダーシップが取れる子供

信頼される子になるために

すぐには信頼される人になることはできません。信頼してもらうためには、長い時間をかける必要があります。

まずはどんな小さな約束でもきちんと守ることができるようにしてあげましょう。

子どもは自分の都合で動こうとしてしまうことも多いです。約束は大切なことで、「ちょっとぐらいいいや」ということはダメだと伝えます。

時間などにもルーズにならないように、しっかりと自分でスケジュールを立てられるように手助けをして、スケジュール管理を身に付けさせましょう。

また、困っている人には勇気をもって声をかけることの大切さを伝えましょう。この“声をかける”ということは大人でも非常に難しいものです。

1番は“声をかける姿”を見せることかもしれません。お父さんやお母さんのそういった姿は子どもたちにはすごい影響を与えます。

もし、困っている方がいたら声をかける姿を大人が積極的に見せてあげるといいかもしれません。

誠実な子になるために

誠実であるためには、相手や物への感謝の気持ちを持つことが大切です。

喜怒哀楽などの感情は表情で表現することもできますが、感謝の気持ちというのは言葉でしか表現することができません。

小さなことにも「ありがとう」と素直に伝えることや、きれいなものを「きれいだね」と素直に表現できるように教えてあげましょう。

また悪口や嘘をつくことがあったら、いけないことだと教えてあげることも大切です。

悪口を聞いたら一緒になって言うのではなく、「でもこんないいところもあるよ」と意見を受け入れた上で、見方を変えることや、嘘をつかれたら悲しいことを伝えましょう。

その他、ルールやマナーを教えて守らせることも“誠実さ”に結びついていくでしょう。

決断力がある子になるために

小さな頃から自分で何でも決めることができる環境づくりが大切になります。

子どもに選ばせたり、決断させたりすると、どうしても口を出したくなってしまうこともあるかと思います。

「それはやめておいたら」「それじゃダメ」など、ついつい言いたくなってしまう気持ちはわかりますが、いつも否定されていては子どもも嫌になってしまいます。

それがなぜダメなのか、順に説明しきちんと伝えましょう。そして子どもが自分で理解し、納得することが大切です。

自分で消化しきれなかった誤った決断は、いずれまた繰り返してしまう可能性があります。

まずは、「今日はどのお洋服着ようか」、「きょうのおやつは何にしようか」など、簡単に決められそうなものから自分で決断する体験をさせましょう。

もし、難しい場合は二択や三択にして選ばせるところからはじめてみましょう。

あきらめない、逃げない子になるために

子どもは2歳ぐらいになってくると何でも自分でやりたがるようになってきます。

やりたがるわりには上手くいかないことも多く、また非常に時間がかかるため、親としてはあまりやらせたくないというのが本音かもしれません。

つい心の余裕がない時に失敗されると「だからダメって言ったでしょ」と言ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、その時期の失敗というのは非常に大切なものです。

失敗しても、上手くいかなくても、練習を積み重ねてできるようになった経験は子どもを成長させてくれます。

もしやりたいことをやらせてもらえない環境だった場合、無気力や指示待ちになってしまう危険性があります。

上手くいったときは「やったね」「よかったね」と一緒に喜び、失敗してしまったときは「悲しいね」「次は気を付けようね」と言葉をかけて挑戦する心に自信を持たせてあげましょう。

気分の浮き沈みがない子になるために

感情の起伏が激しい子は、何か悪いことをした時に“感情的に叱られた”ことが原因だと言われています。

怒りのピークは長くても6秒と言われています。6秒経つと衝動的な行動をすることがなくなるそうです。

怒りに任せて叱るのではなく、冷静になってから「何がダメだったか」をきちんと伝えてあげることにしましょう。

幼児期は感情のコントロールが上手くいかず、子ども自身もどうしていいかわからなくなっていることもしばしばあります。

上手くコントロールが出来る様になるまで、辛抱強く見守ってあげましょう。

子供の考える力

リーダーシップは誰にとっても必要!小さい頃から意識して身につけよう

親としては出来ればリーダーシップを発揮して、活躍してくれることを望むことも多いかもしれませんが、現代においてはリーダーになりたくない若者の割合が増えているそうです。

しかし、社会に出て仕事をすれば、大小はあるにせよ、リーダーシップを発揮しチームを引っ張っていくことがあるかと思います。

生まれながらに持つ素質だけでなく、どんな環境に育ったかによってもリーダーシップは身に付きます。

小さな頃から意識してリーダーシップを身に付けていけると、社会に出てからお子さんの自信に繋がると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。