小学校受験の試験に含まれることがある行動観察ですが、お教室以外ではどう対策すれば良いのでしょうか?
お子さんの性格などからも悩まれたり心配されることが多い行動観察では、模試、入試本番ではどのようなことに気をつけておくべきか、また普段の生活で心がけておくと良いことを、我が子2人の小学校受験の経験からお伝えしていきます。
目次
行動観察では何をみられているの?
小学校受験の試験でしかない「行動観察」。
筆者は小学校受験を意識するまで知りもしませんでしたが、これは文字通り受験生の行動を観察するものです。
受験生をグループに分けて、グループで絵画工作を課すものや、チーム対抗のゲームをするもの、何もルールは設けず自由に遊ばせるもの、など小学校により様々です。
どれもペーパー試験などに比べると楽しい雰囲気を醸し出し(中には音楽をかける学校もあり)リラックスした状態でお子様方を見るので素の状態が出やすい、つまり付け焼き刃では難しい要注意な試験です。
小学校側は集団生活をする中で、お子様がどの様に考え行動し、お友達や先生方と学校生活を送るのかをみるためのとても重きを置いた分野なのです。
そのため、行動観察の試験がある学校では試験時間以外でも、行動観察が無い学校では特に小学校の校門をくぐり抜けたら行動観察が始まっていると思って行動していきましょう。
特に行動観察が試験科目の無い幼稚舎では親御さんと離れた後、教室移動時にお約束を三つ先生から言われます。
その約束を守って移動しないと大きな減点になってしまうそうです。
またある学校は校門の所で清掃員の方に挨拶をしなかった親子が残念な結果になってしまったということもあります。
何故ならそれは清掃員に扮した先生だったのです。学校敷地内外に関わらず、いつでも気持ちの良い挨拶を心がけましょう。
常識やマナーが親子共に試されています。
どんな子が得点アップするのか
では、行動観察ではどの様にしたら得点することが出来るのでしょうか?
- 先生のお話をしっかりと最後まで聞ける
- お約束を守る事が出来る
- お友達と喧嘩しない
- 積極的に行動できる
- 積極的に発言出来なくても一生懸命考え行動できる
- お友達と仲良く出来る=周りが見ることが出来る
- 何事も楽しんで前向きに取り組むことができる
これら全てを網羅してなければならないかというとそうではありませんが、是非一つずつ今のお子様はどうなのか確認しながら足りないと思う所少しずつ補っていきましょう。
しかし、お子様の性格を無理やり変えようというわけではありません。
お子様の良い面・出来ている面を見つけそこを伸ばしつつ、弱点を克服していけるといいですね。
模試・入試本番!行動観察で力を発揮できる声かけとは?
力が発揮できる直前に伝えておきたい声掛け
今まで一生懸命準備をしてきたのですから自信を持って、模試や本番ではいつも通りのお子様の良さを思う存分発揮できるような声掛けをしてあげてください。
色々言いたくなることはあると思います。
しかし、本番前の最後の注意喚起は一つか二つ最大でも三つまでにしてください。
小さなお子様はそれ以上覚えて、さらに気をつけながら行動することは難しいです。
我が子たちは、話を最後まで聞かず「分かった!」と思ったらもう手を動かしてしまう子だったので、最後の方に言われるルールやスタートの合図を聞き逃す事が多く、また我先に列に並んでしまう癖がありました。
模試や本番前の約束は「先生のお話を最後まで聞く、お友達とは譲り合う、どんな事も全力で楽しんで」の三つを話しておりました。
また先ほども述べましたが、楽しい音楽を掛けて明るい雰囲気を作り、自由に遊べるというタイプの行動観察もあります。
その場合でもルールや常識的な事は守ろうね、という事を伝えておくと、楽しくて盛り上がってしまった時でも悪目立ちする前に「あっ」とお子様が気付けると思います。
事前に伝えておいてあげるか、全く知らされていないかでもお子様の本番の行動は変わってくる可能性があります。
もし受験される小学校の過去問を見て、そのようなタイプの試験が出るのであれば事前にしっかりと話しておくことをおススメします。
行動観察の対策と普段の生活で心掛けておくと良い4つのこと
受験本番まで行動観察の対策としてぜひ心がけてほしいことは、親子で沢山の人々と交流することです。
具体的には、、、
1.近所の方に会ったら必ず挨拶をする
外出時に近所の方と顔を合わせたらまずは、ご両親様からしっかりご挨拶をしてその背中を見せてあげてください。
もしお子様から挨拶が出来たらすかさず「気持ちの良い挨拶が出来たね」等褒めてあげてくださいね。
2.公園や児童館に行ってお友達と遊ぶ
公園や児童館などで小さな頃から沢山のお友達と遊ぶ経験を積んでおきましょう。
初対面の子とも仲良く遊ぶということが行動観察の対策につながります。
これは消極的なお子様や、お子様がまだ小さい時は挨拶を親御さんからしてみてください。
他のお子様が遊んでいたら「お友達」と呼んで、親御さんもオープンな心で接してみてください。
その時に順番を守る、譲る事が出来る、遊んでいる時に万が一口論になってしまったらどう話して伝えたら良いのかなどを学ぶ良い機会になります。
順番を譲れたり良い場面を目にしたら、後で二人きりになった時に「あの時こうしてあげていたのとっても優しいね」など、良かった点について伝えてあげるとお子様も嬉しくなってまた違う時にもその様な行動が出来ると思います。
3.大人の話を聞く機会を設けてあげよう
動物園や水族館、博物館などでは、ワークショップなどがあったら参加してみたり、普段お話し出来ない飼育員さんや、館内の方に話しかけたり、お話を聞く機会を設けてみてください。
お子様から話しかける事が難しいようでしたら、親御さんが先に見せてあげるのも良いですよ。
先ず「今お話聞いても良いですか?」と飼育員さん達に話しかけ、大丈夫でしたら大人が質問してみましょう。
「○○の餌は何ですか?」など、親御さんも気になる事を是非質問して、「なるほど。ありがとうございました。」と会話するとお子様も大人との会話の仕方、質問の仕方を見て覚える事が出来ます。
親の姿を見て子どもは育っていきます。
いつの間にかお子様が自ら質問しに行けるようになり、大人の方との話し方もいつのまにかしっかり受け答え出来るようになっていくと思います。
4.お約束や、やってほしいことを3つずつ伝える
我が子は話は聞くのだけれどお約束を忘れてしまうことが度々あり、悩んでいた時にお教室の先生から、普段から次の行動としてやるべきことを3つずつ伝えてみて、と言われました。
それからは「家に帰ったら手洗いをして、お弁当を出して着替えてね」など少し多めに言うことにより、覚えるようになっていったと感じます。
それでも忘れる時には「今から三つのことをお願いします」と先に注意を引き付けてから話すと子ども自身もしっかり聞かなくちゃ!と思って聞いてくれるようになりました。
タイプ別でみる!行動観察の取り組み方と対策
積極的なお子様の場合
何にでも積極的に取り組める子の良さをそのまま伸ばしてあげつつ、ルールやマナーを守れるかどうかの確認をしておくといいでしょう。
積極的なお子様は開放的になり過ぎてしまい、ストップがかけられなくなってしまうことも多いのではないでしょうか。
せっかくの積極性での得点で減点されないよう、基本的な「お話を最後まで聞く、お約束事を守る、お友達に優しく」などの点を注意してみてあげてください。
その点が出来ていれば、もう心配することはありません。
自信を持って臨めるような声掛けで送り出してあげてください。
消極的なお子様の場合
無理に、発言しなさい!積極的になりなさい!!と性格を変える必要は決してありません。
きっと積極的にいけない分、熟考タイプや周りがちゃんと見えるお子様なのだと思います。
小学校側は積極的なお子様だけを集めたいのかというと、そうではありません。
先ほど述べた熟考し行動するタイプのお子様や、周りをしっかり見てから行動するお子様も勿論必要だとお考えです。
たとえ他の子がルールを破っていても、きっと自分はちゃんと守る。と考え、一緒になってルールを破ってしまうことは少ないのではないでしょうか。
その子にはその子の良さがきちんとあります。
そこを伸ばしてあげられる声掛けが出来ると良いですね。
積極性も無く、ルールも何も守れない!いい所は見つかるの?という親御さん
いざ教室に通い、我が子が授業を受けている所を見るとそう思ってしまっていませんか?
つい積極性もない、ルールも何も守れていない・・・と考えてしまいがちです。
しかし必ず良い所があります。
ご両親ではなかなか分からない場合はぜひ先生に聞いてみてください。
そしてその良い所を褒め伸ばしつつ、授業の度に目標を一つ立てて、授業や模試に臨んでみましょう。
教室にお通いでない場合は保育園や幼稚園に行く時でも大丈夫です。
何か一つ「今日は先生がお話をしている時は、先生の目を見て聞く」ですとか「お友達に優しくする」「大きな声で挨拶(や返事)をする」「手を挙げる時は肘をピンと伸ばす」「(何かルール)を一つ必ず守る」など目標を作ってみてください。
たとえ達成出来なかったとしても、毎回目標を立てて振り返って褒める事が大切です。
褒める所が見つからない、と思ってもよ〜く探してみてください。
褒めるポイントを探していくうちに、お子様の良い所がたくさん見えるようになっていきますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今からでも出来そうな事や取り入れられそうな事はありましたか?
今でもお母様とお父様が小さなお子様とお教室に通われる姿を見る度に心の中でエールを送っています。
そしてお子様の笑顔を絶やさないでほしいと祈ってしまいます。
小学校受験に一生懸命になってしまうがあまり、熱くなり過ぎて時にお子様に強く当たってしまいがちになります。
それが蓄積するとお子様から笑顔が消えてしまう事も起こってしまいます
行動観察においてお子様の笑顔は何にも代えがたい重要なポイントになります。
心の底から笑ってお友達と作業をしている子、運動考査で試験項目が出来た時のやった!という笑顔、試験の前後に保護者の方と会っている時の笑顔、キラリと光るその子の笑顔は考査を行っている先生方にとっても印象に残るものになっているのだと思います。
是非、親子関係は良好に、お子様の笑顔を沢山引き出す事を考えながら受験期間を過ごしてください。