大宮開成中学校は、埼玉県さいたま市にある私立の中高一貫校です。
中学校だけでなく、高校からの募集も行われています。1942年の創設から長い歴史を誇り、「調和のとれた人間教育」を教育方針としています。
ここでは、大宮開成中学校の気になる入試傾向や合格に必要なことなどをご紹介していきます。
目次
大宮開成中学校の特色
大宮開成中学・高等学校では「愛・知・和」の3つの精神が校訓として掲げられ、「自立性・自律性の涵養」「継続力の高揚」の2つが指導重点目標となっています。
生徒自らの実践・創意工夫を重視した教育方針のもとで、充実したカリキュラムが展開されています。
また、英語・数学に重点を置いたカリキュラムにも特徴があります。
特に2019年度からは「英数特科コース(Tクラス・Sクラス)」制が始まり、より英語・数学を重視したカリキュラムがスタートしています。
学校の沿革
大宮開成中学・高等学校の歴史は、1942年に大宮洋裁女学校が創設されたことが始まりとなります。
1949年には大宮高等洋裁学校に改称、1959年に大宮開成高等学校が設立されています。
2005年に中高一貫部が開設され、現在に至ります。
施設
主な施設には、各教室のほか、新体育館、新図書館、総合体育館、グラウンド、学生ホールなどがあり、充実した施設が整っています。
進学先
2023年度大学入試の合格実績は、国公立大学合計130名(東京大学1名、一橋大学2名など)、私立大学合計3009名(早慶上智など1190名)といった豊富な実績があります。
学校周辺の環境
大宮開成中学・高等学校は、JR大宮駅から徒歩で約19分、バスで約7分でアクセス可能です。
バスを利用する場合、国際興業バス(日大前行き、東新井団地行き、中川循環行きのいずれか)で天沼町(大宮開成中学・高等学校前)下車となります。
また、JR大宮駅は東京をはじめ多方面とのアクセスにも優れています。
大宮開成中学校の受験情報
試験日程
第1回入試:2024年1月10日(水)
特待生選抜入試:2024年1月12日(金)
第2回入試:2024年1月14日(日)
募集定員
第1回入試:男女80名
特待生選抜入試:男女50名
第2回入試:男女20名
試験科目と配点
いずれの日程も国語・算数・社会・理科の4科目で、国語・算数が各50分で各100点満点、社会・理科が各30分で各50点満点となっています。
4科目の合計点の上位者から3年特待合格、T合格、S合格の順に選抜します。1/12特待生選抜入試では、「6年特待合格」の選抜があります。
大宮開成中学校の偏差値と倍率
偏差値
大宮開成中学校の偏差値を80偏差値で見ると次の通りとなります。
男子 | 女子 | |
第1回 | 53 | 55 |
特待生選抜 | 55 | 57 |
第2回 | 54 | 56 |
倍率
2023年度の入試結果より、倍率は次の通りとなります。
受験者数 | 合格者数 | 倍率 | |
第1回 | 2,059名 | 1,165名 | 1.8倍 |
特待生選抜入試 | 813名 | 456名 | 1.8倍 |
第2回 | 868名 | 289名 | 3.0倍 |
大宮開成中学校の入学後の学費
令和6年度予定の学費(年額)は、入学時納付金が36万円、授業料等が48万円、会費が1万6000円、給食費12万7884円(年額)、合計98万3884円となっています。
大宮開成中学校の入試問題と対策
算数
試験時間は50分、配点は100点満点となります。
大問は7問で、大問1と2は計算問題や一行問題、大問3以降は応用問題という構成で出題されています。
全体的に難易度はそこまで高くありませんが、基本・標準レベルの問題をいかに正確に解くかが重要になり、油断はできません。
正答すべき問題は確実に正答し、ケアレスミスはしないようにしましょう。
頻出分野としては、図形、特殊算、速さ、規則性などが挙げられます。
また、それ以外の単元の出題も見られるので、頻出分野を中心としつつ、幅広い分野の基本を正確にしておくことが大切です。
国語
算数と同様に、試験時間は50分で配点は100点満点となっています。
大問は3問となり、漢字などの知識問題、説明文、小説文から出題されています。
読解問題の設問は、記号問題や書き抜き問題が中心となります。
一方、記述問題の出題も見られるので、過去問を中心に問題演習を重ね、しっかり対応できるようにしておきましょう。
読解問題の本文はそこまで難しいわけではありませんが、論理展開や心情・場面の変化などを正確に追っていける読解力は必要です。
また、漢字や文法などの知識問題の配点も比較的高いです。
ここで落としてしまうと他の受験生と差が広がってしまうので、得点するべき問題は確実に得点しましょう。
社会
試験時間は30分、配点は50点満点になります。
大問は7問で、地理・歴史・公民分野(時事問題含む)からまんべんなく出題されており、基本知識を幅広くおさえておくことが必須です。
設問形式は選択肢問題や適語記入問題が中心ですが、大問7は記述問題となっているので、記述にも対応できるようにしておきましょう。
また、試験時間が30分と短いので、最後の記述問題も含めてバランスよく時間配分ができるよう、過去問で十分に練習しておきましょう。
理科
社会と同様に、試験時間は30分で配点は50点満点です。
大問は5問で、各分野からまんべんなく出題されます。
こちらも基本知識を幅広く定着させておかなければなりません。
設問形式には選択肢問題などのほか、記述問題や計算問題の出題も見られます。
特に計算問題は難易度が高い場合もあるので、過去問をはじめ、きちんと対策しておきましょう。
また、こちらも試験時間は30分と短いです。
記述問題や計算問題の出題も考慮したうえで、過去問で時間配分の感覚をしっかり養っておく必要があります。
過去問
合格基準点の特徴
2022年度の合格基準点は次の通りです。
合格基準点 | 合格基準点の割合(300点満点) | |
第1回(T) | 205点 | 68.3% |
第1回(S) | 191点 | 63.6% |
特待生選抜入試(特待T) | 226点 | 75.3% |
特待生選抜入試(T) | 215点 | 71.6% |
特待生選抜入試(S) | 201点 | 67% |
第2回(T) | 200点 | 66.6% |
第2回(S) | 186点 | 62% |
それぞれの合格基準点を見ると、6割を超える得点がボーダーラインです。
また、第1回(T)、特待生選抜(特待T)においては7割に近い得点が必要となってきます。
大宮開成中学校合格のために必要なこと
大宮開成中学校の試験は、4科目とも基本・標準レベルの問題が中心と言えます。
そのため、確実に取るべき問題はきちんと正答し、ケアレスミスを防がなくてはなりません。
基本・標準レベルといっても、時間内に一つ一つ正確に解き進めるには、十分な問題演習の積み重ねが必要です。
特に社会と理科は試験時間が少ないため、時間配分には十分に注意しましょう。
基本知識の確認だけでなく、その知識を活かして時間内に解き終える練習が必要です。
また、算数と国語の試験時間はいずれも50分ですが、油断はできません。
時間配分の感覚を養っておくためにも、過去問を始め問題演習を十分に行っておきましょう。