東京女学館中学を受験するなら知っておきたい、学費や偏差値、入試の対策

東京女学館中学校の校舎東京女学館中学校は、東京都渋谷区にある私立の女子中高一貫校です。

高校からの募集は行われず、完全中高一貫校となっています。

ここでは、東京女学館中学校の特色や偏差値、気になる倍率、試験対策をご紹介していきます。

東京女学館中学の特色

東京女学館中学校・高等学校は「高い品性を備え、人と社会に貢献する女性の育成」を教育目標とし、「基礎・基本に根ざした個性の伸長」「自ら問題を発見し、解決する力の育成」「他者を思いやる心の育成」を3つの柱に掲げています。

高校からの募集は行われておらず、中学1年・2年は「自己理解」、中学3年・高校1年は「個性の伸長」、高校2年・3年は「自己実現」と位置づけられ、中高一貫6年間の中で「自己実現」に向けたカリキュラムが編成されています。

また、東京女学館中学校・高等学校では国際学級が設置されていることも大きな特徴で、実践的な英語運用能力を身につけるための独自の英語カリキュラムなどが行われます。

国際学級は帰国生も一般生も受験することができ、1学年に1クラスが国際学級となっています。

学校の沿革

1888年に東京女学館が設立され、130年以上の長い歴史を誇ります。

1947年に新学制制度のもとで中学校が開設され、1948年には高等学校が開設され、現在に至っています。

施設

主な施設としては、各教室のほか、特別教室、理科室、作法室、書道室、コンピューター室、図書室、音楽室、被服室、調理室、食堂、記念講堂、体育館、プール、グラウンドなどがあり、充実した施設環境が見られます。

進学先

2023年度の大学合格状況を見ると、慶應義塾大学34名、早稲田大学20名、上智大学29名、東京理科大学14名、立教大学45名など、難関私立大学の合格実績が見られます。

また、東京大学、横浜市立大学といった国公立大学への合格実績もあります。

学校周辺の環境

東京女学館中学校は、渋谷駅と恵比寿駅からバスで通学できます。

渋谷駅からは約10分(学03 日赤医療センター行)、恵比寿駅からは約8分(学06 日赤医療センター行)で、下車駅はいずれも「東京女学館前」になります。

渋谷駅と恵比寿駅はいずれも多くの路線が乗り入れており、特に渋谷駅は多方面からのアクセスに優れています。

東京女学館中学の受験情報

試験日

  • 第1回:202421日(木)午前
  • 第2回:202421日(木)午後
  • 第3回:202422日(金)午後
  • 第4回:2024年2月3日(土)午前

募集人数

  • 第1回:35名
  • 第2回:35名
  • 第3回:35名
  • 第4回:25名

試験科目と試験時間・配点

1回・第4

科目 試験時間 配点
国語 50 100
算数 50 100
社会  30 50
理科  30 50

2回・第3

科目 試験時間 配点
国語 50 100
算数 50 100

東京女学館中学の偏差値と倍率

偏差値

四谷大塚によると、東京女学館中学校の偏差値(80偏差値)は、次の通りとなります。

  • 第1回:50
  • 第2回:54
  • 第3回:51
  • 第4回:51
  • 国際学級(一般):49

2科目受験(第2回、第3回)の方が、4科目受験(第1回、第4回)より偏差値が高いという特徴があります。

倍率

それぞれの日程の実質倍率は次の通りとなります。

  • 第1回:2.1倍
  • 第2回:1.9倍
  • 第3回:1.9倍
  • 第4回:2.0倍
  • 国際学級(一般生):2.0倍
  • 国際学級(帰国生):1.2倍

このうち、第1回の日程の倍率が最も高くなっています。

東京女学館中学の入学後の学費

第1学年の校納金は次の通りとなります。

入学金 290,000円
施設費 160,000円
年間授業料(一般学級) 582,000円
年間授業料(国際学級) 816,000円
教材費(一般学級) 184,000円
教材費(国際学級) 204,000円
施設運営費 96,000円
父母の会会費 6,000円
地震対策費 12,000円
旅行費 70,000円

また、学校指定用品が約23万円(令和5年度の額)となっています。

東京女学館中学の入試問題と対策

算数

試験時間は50分、配点は100点満点です。

大問は7問程度で構成され、大問1が計算問題、大問2が小問集合、大問3からは応用問題という出題傾向が見られます。

最初の計算問題と小問集合は基本的な問題が多いですが、小問集合で出題される分野は幅広く、十分注意する必要があります。

各分野の基本をしっかりおさえ、まんべんなく対応できるようにしましょう。

また、後半の応用問題を解く時間をきちんと確保するためにも、計算・小問ともにスピーディーかつ正確に解く必要があります。

時間的な余裕も少ないため、過去問演習を重ねて時間配分の感覚をしっかりつかみ、常に時間を意識して解く習慣をつけましょう。

頻出分野としては図形、場合の数、特殊算など幅広く、特に図形分野などは重点的に対策しておきたいところです。

過去問で頻出分野を確認したうえで、過去問や似たような傾向の問題を多く解き、トレーニングを重ねましょう。

国語

算数と同様に、試験時間は50分で100点満点となっています。

大問は3問で、小説文・物語文、説明文・論説文、漢字の書き取りから出題されます。

読解問題の設問形式は選択肢問題のほか、記述問題や書き抜きなども多く、時間的な余裕は少ないといえます。

本文から心情・場面の変化や論理展開をきちんと読み取ったうえで、各形式の設問を時間内にテキパキ解かなくてはなりません。

苦手な設問形式は重点的に対策し、幅広く対応できるようにしておきましょう。記述問題も普段から数多く解き、スピーディーかつ正確に記述できる力を養う必要があります。

もちろん漢字の対策もしっかり進め、ケアレスミスは絶対に避けることが大切です。

社会

試験時間は30分で、配点は50点満点となります。

大問は2問程度で、地理、歴史、公民分野(時事問題含む)からバランスよく出題されています。また、各分野を横断した総合問題での出題も見られます。

設問形式は適語記入問題や選択肢問題のほか、記述問題も比較的多く出題されます。

特に記述問題は知識の暗記だけでは対応できないので、記述形式の問題を日頃から多く解いて慣れを作り、記述力・表現力を磨くようにしましょう。

もちろん各分野の基本知識をおさえることは大前提ですが、知識の背景までしっかり理解し、それを自分の言葉で説明できるよう、実戦的なトレーニングを重ねる必要があります。

また、総合問題も慣れが重要になるので、過去問に加え、総合問題形式の問題演習をきちんと重ね、各分野の知識を横断的に整理できるようにしましょう。

さらに、時間的な余裕も少ないので、過去問演習で時間配分の練習を行い、本番に備えることが大切です。

理科

社会と同様に、試験時間は30分、配点は50点満点です。

大問は4問程度で、4分野からまんべんなく出題されます。

設問形式は選択肢問題、適語記入問題、計算問題、作図問題、記述問題など幅広く、様々な形式に慣れておく必要があります。

試験時間も30分で短いので、各形式の設問をテキパキ進め、時間配分にも常に注意しなくてはなりません。

また、資料や実験結果から考察する問題もあり、知識だけでなく考える力もきちんと磨く必要があります。

それぞれの分野の基本をおさえたうえで、その知識から考察を進める習慣をつけましょう。

過去問はもちろん、日頃の問題演習でも思考力・考察力が問われる問題を多く解き、実戦的な力を伸ばすことが重要です。

過去問

合格最低点の特徴

令和5年度の入試結果を見ると、合格者最低点は以下のようになります。

合計点 合格最低点の割合
第1回 185点(300点満点) 61.7%
第2回 131点(200点満点) 65.5%
第3回 122点(200点満点) 61.0%
第4回 182点(300点満点) 60.7%

合格ラインはいずれも5割を超えており、特に第2回が高くなっています。

東京女学館中学合格のために必要なこと

東京女学館中学校は、2科目受験と4科目受験の両方があります。

いずれも時間的な余裕が比較的少なく、様々な形式の設問をテキパキ処理する力が重要です。過去問から時間配分をおさえ、普段から速く正確に解くことを意識しておきましょう。

基本レベルの問題が中心ですが、時間に注意しながら幅広い形式の設問を解く必要があり、きちんと慣れを作っておかなければなりません。

単なる知識の暗記では対応できないので、過去問や、似た傾向の問題に多く触れ、実戦的な力を磨くようにしましょう。

また、算数の図形問題や国語の記述・書き抜き問題、社会の総合問題、理科の幅広い設問形式など、科目ごとの特徴をきちんとおさえておくことが重要です。

いずれも傾向は比較的把握しやすいので、過去問演習をはじめ、傾向に沿った対策を進め、本番に備えましょう。