広尾学園小石川中学校に合格するために!知っておきたい入試傾向と対策

広尾学園小石川中学校の校舎

広尾学園小石川中学校は、東京都文京区にある私立の中高一貫校です。

この記事では、広尾学園小石川中学校の受験予定者なら知っておきたい、学校の特色や受験情報、倍率、入試問題の傾向・対策などをご紹介していきます。

広尾学園小石川中学校の特色

広尾学園小石川中学校・高等学校は、110年の歴史がある村田学園が広尾学園中学校・高等学校と教育連携を行い、2021年4月に誕生した新しい学校です。

「自律と共生」を教育理念に掲げ、広尾学園中学校・高等学校の教育プログラム等も導入し、難関大学合格を目指す中高一貫教育が行われています。

本科コースとインターナショナルコースがあり、本科コースは理系・文系の難関大学進学を、インターナショナルコースは海外・国内の難関大学進学を目指すコースとなります。

インターナショナルコースはスタンダードグループ(SG)とアドバンストグループ(AG)があり、学年が上がる際にSGからAGへ移動するテストを受験することもできます。

また、一定の要件を満たせば、本科コースからインターナショナルコースへ、またはインターナショナルコースから本科コースへ移動することも可能であり、生徒の希望に沿った柔軟な指導・サポート体制にも特徴があります。

学校の沿革

1909年に学校法人村田学園が設立され、1931年に村田簿記学校内に村田女子計理学校が併設、1943年に村田女子商業学校に改称されました。

2001年に普通科が設立され、2018年に広尾学園と教育連携が行われたのち、2021年に共学化されて中学校が開設、広尾学園小石川中学校・高等学校に改称され、現在に至ります。

学校周辺の環境・交通アクセス

電車

  • 都営三田線「千石駅」A1出口から徒歩2分
  • 東京メトロ南北線「駒込駅」出口2から徒歩12分
  • JR山手線「巣鴨駅」「駒込駅」から徒歩13分

バス

  • 駒込駅から文京区コミュニティバス「千石駅」まで約5分、バス停から徒歩3分
  • 千駄木駅から文京区コミュニティバス「昭和小学校(上富士前)」まで約6分、バス停から徒歩5分
  • 江戸川橋駅から都営バス(上58・上野松坂屋前行)「文京グリーンコート前」まで約15分、バス停から徒歩2分
  • 御茶ノ水駅から都営バス(茶51・駒込駅南口行)「上富士前」まで約15分、バス停から徒歩5分

都心でありながら、比較的落ち着いたエリアに位置し、都営三田線の千石駅が最も近い最寄り駅となります。

また、JR山手線や東京メトロ南北線、さらにはバスも含め、多方面からスムーズな通学が可能です。

広尾学園小石川中学校の受験情報

試験日程

第1回本科・SG:2024年2月1日(木)午前

第2回本科・SG:2024年2月1日(木)午後

国際生AG回:2024年2月2日(金)午後

第4回本科・SG:2024年2月3日(土)午後

第5回本科・SG:2024年2月6日(火)午後

募集人員

第1回本科・SG:30名

第2回本科・SG:20名

国際生AG回:15名

第3回本科・SG:20名

第4回本科・SG:10名

試験科目と試験時間・配点

第1回

科目試験時間配点
国語50分100点
算数50分100点
理科30分50点
社会30分  50点

第2回〜第5回

科目 試験時間配点
国語50分   100点
算数50分   100点

国際生AG回

科目試験時間配点
English(英語による出題)50分100点
Mathematics (英語による出題)50分50点
Japanese (日本語による出題)30分50点
Interview(英語/日本語)10分(受験生との個人面接 ※再受験生は免除)

※TOEFL iBTスコア90以上ならEnglishの試験免除

広尾学園小石川中学校の偏差値と倍率

偏差値

広尾学園小石川中学校の偏差値(80偏差値)は、以下のようになります。

男子女子
2月1日(第1回)5658
2月1日(第2回)5860
2月2日(第3回)5961
2月3日(第4回)5961
2月4日(第5回)5961

倍率

2023年の入試結果を見ると、実質倍率は以下のようになっています。

2月1日(第1回)3.8
2月1日(第2回)3.6
2月2日(第3回)6.0
2月3日(第4回)7.0
2月4日(第5回)10.4
2月4日(インターAG回)8.8

各日程とも高い倍率が特徴で、特に第5回は10倍を上回っています。

広尾学園小石川中学校の入学金・学費

入学金や学費は次のようになっています。

入学金は300,000円となります。

本科コースの学費等(月額)

授業料40,000円
預かり金9,300円
積立金14,000円
合計63,300円

インターナショナルコースSGの学費等(月額)

授業料 40,000円
預かり金21,300円
積立金      14,000円
合計 75,300円     

インターナショナルコースAGの学費等(月額)

授業料40,000円
預かり金31,300円
積立金14,000円
合計85,300円

広尾学園小石川中学校の入試問題と対策

算数

試験時間は50分、配点は100点満点となっています。大問は6問程度で、大問1・2は計算問題・小問集合、大問3以降は大型問題で構成されます。

基本レベルの問題が多いですが、幅広い分野から出題されるので注意が必要です。図形などの頻出分野を中心に、様々な分野の基本を正確におさえ、実力を磨いていきましょう。

基本レベルの問題が中心とはいえ、高得点勝負になる可能性があり、油断はできません。倍率も高いので、少しのミスが大きな差につながるおそれもあるのです。ケアレスミスは絶対に避け、とにかく正確さを意識してください。

また、試験時間の余裕が多いわけではないので、スピードも意識する必要があります。問題演習や過去問演習を通じ、スピーディーかつ正確に解き進めるトレーニングを重ねましょう。

国語

算数と同様、試験時間は50分、配点は100点満点です。小説文・物語文、説明文・論説文、漢字や知識問題などから出題されています。

読解問題の設問形式は選択肢問題や記述問題などがあり、選択肢問題が比較的多く見られます。本文を正確に読解する力はもちろん、各選択肢を正確に判断する力も鍛えなくてはなりません。本文と選択肢の内容を照らし合わせ、素早く正確に正誤判断できるよう、日頃からトレーニングを重ねましょう。

また、試験時間の余裕が多いとは言えないので、本文の論理展開や場面・心情の変化など、素早く読み取る練習も必要です。過去問演習はもちろん、普段の問題演習でも時間を意識し、読解のスピードと精度を上げていきましょう。

さらに、漢字や言語などの知識問題にも注意する必要があります。ケアレスミス・誤字脱字に注意し、得点できるものは確実に得点源にすることが大事です。

社会

試験時間は30分、配点は50点満点となります。大問は4問で、地理・歴史・公民分野(時事問題含む)からまんべんなく出題されています。

設問形式は選択肢問題、適語記入問題、記述問題などがあり、自分の考えを論述する問題も見られます。長めの記述・論述問題も含め、幅広い設問に対応できるよう、対策を進めることが大事です。

また、全体的に基本レベルの問題が多いですが、地図、史料、グラフ、表など、様々な資料が登場するので注意しなくてはなりません。与えられた情報を素早く読み取る情報処理能力が求められるので、日頃の問題演習で資料に多く触れ、慣れを作っておきましょう。

さらに、試験時間は30分で短いため、注意が必要です。過去問演習を重ね、時間配分の感覚をしっかり養っておきましょう。

理科

社会と同じく、試験時間は30分、配点は50点満点です。大問は5問で、4分野から幅広く出題されます。

設問形式は選択肢問題、適語記入問題、計算問題、記述問題など幅広く、自分の考えを論述する問題もあります。

長めの記述・論述問題には特に注意し、早めから対策を進めなくてはなりません。

また、他の設問形式にも幅広く対応できるよう、苦手な設問形式はなるべく減らし、実戦的な力を鍛えることが大事です。

基本的な問題が多いですが、特に実験や観察に関する問題など、思考力・考察力が求められる設問もあります。

幅広い分野・単元の基本を正確にすることはもちろん、理科に関する事柄に興味・関心を持ち、思考する習慣をつけておくと良いでしょう。

また、資料などの情報を素早く読み取る力も必要ですので、問題演習や過去問演習を徹底し、実力を磨いておくことが大事です。

試験時間も短いので、時間配分にも十分注意するようにしてください。

過去問

受験者平均点・合格者最低点の特徴

2023年の入試結果を見ると、受験者平均点・合格者最低点は以下のようになります。

(第1回:300点満点、第2回〜第5回:200点満点)

受験者平均点

本科インターナショナルSG
第1回147.9点150.7点
第2回103.7点104.5点
第3回128.1点131.3点
第4回93.2点94.3点
第5回109.1点112.8点

合格者最低点

本科 インターナショナルSG
第1回 160点167点
第2回 115点122点
第3回 150点156点
第4回 108点121点
第5回 135点139点

いずれの回も、合格者最低点が比較的高く、高得点勝負になる傾向があります。

第3回の合格ラインは7割以上となったほか、各回ともに6割を超える合格ラインとなっています。また、インターナショナルSGの合格ラインは本科よりさらに数点上がります。

広尾学園小石川中学校合格のために必要なこと

広尾学園小石川中学校の試験問題は基本レベルの問題が比較的多いですが、科目ごとにそれぞれ特徴があり、傾向に沿った対策を徹底する必要があります。

算数と国語は基本を正確にしつつ、スピードもしっかり意識すること、社会と理科は長めの記述問題も含めて様々な設問形式に対応することなど、それぞれの特徴に沿って対策を進め、問題演習等を通じて実力を鍛えなくてはなりません。

また、倍率や合格ラインが高く、高得点勝負になる傾向は強いです。

基本レベルの問題が多いからといって決して油断はせず、とにかくケアレスミスを避け、得点できるものから確実に得点源にしなくてはなりません。

わずかなミスが大きな差につながるケースもあるので、解答のスピードとともに、とにかく正確さを意識してください。

こうした点を踏まえ、基本を幅広くおさえつつ、より実戦的な力を磨くことが重要になります。