渋谷教育学園幕張中学校は、千葉県千葉市にある私立の中高一貫校です。
中学校での募集のほか、高等学校からの募集も行われています。
この記事では、渋谷教育学園幕張中学校の特色や、気になる入試傾向、合格に必要なことをご紹介していきます。
目次
渋谷教育学園幕張中学校の特色
渋谷教育学園幕張中学校・高等学校では「自調自考」を教育目標とし、「自らの体で調べ、自らの心で考える」という「調と考」を建学の精神としています。
自発性を尊重した教育方針のもとで、中高一貫の6年間のカリキュラムが編成されています。
具体的には「自調自考の力を伸ばす」「倫理感を正しく育てる」「国際人としての資質を養う」が教育目標として掲げられ、高度な人材を育成する環境が整っています。
学校の沿革
1983年、男女共学の私立学校として幕張高等学校が開校されました。
1986年には中高一貫校として幕張高等学校の附属中学校が開校されています。
施設
主な施設としては、図書室、技術室、コンピュータ室、マルチメディア教室、ICTセミナー室、音楽室、講堂があります。
そのほかに第1体育館、第2体育館、テニスコート、第1グラウンド、第2グラウンド、理科棟、カフェテリア、プール棟、剣道場、柔道場、卓球場などがあり、充実した施設・環境が整っています。
進学先
2023年度の合格状況(現役生)は東京大学59名、東京工業大学9名、一橋大学16名といった国公立大学の合格実績のほか、早稲田大学176名、慶應義塾大学100名といった難関私立大学の合格実績も豊富です。
学校周辺の環境
渋谷教育学園幕張中学校・高等学校へのアクセスはいずれの路線も、千葉県だけでなく東京都からのアクセスにも優れています。
- JR総武線幕張駅から徒歩16分
- 京成線幕張駅から徒歩14分
- JR京葉線海浜幕張駅から徒歩10分
また、これらの駅から路線バスでアクセスすることもできます。(「総合教育センター」下車)
渋谷教育学園幕張中学校の受験情報
試験日
一次入学試験:2024年1月22日(月)
二次入学試験:2024年2月2日(金)
募集定員
一次入学試験:約215名
二次入学試験:約45名
試験科目
両日程とも試験科目は国語・算数・社会・理科の4科目です。
国語と算数がそれぞれ50分で100点満点ずつ、社会と理科がそれぞれ45分で75点満点ずつとなっています。
また、帰国生入学試験については1月20日に行われ、募集定員は約20名、試験内容は英語(筆記・リスニング50分、エッセイ30分)と面接(英語・日本語)となります。
渋谷教育学園幕張中学校の偏差値と倍率
偏差値
渋谷教育学園幕張中学校の偏差値を80偏差値で見ると次の通りです。
男子 | 女子 | |
1次入試 | 70 | 72 |
2次入試 | 69 | 71 |
倍率
2023年入試結果より、倍率は次の通りとなります。特に二次入試の倍率が高く、9倍を超えています。
受験者数合計 | 合格者数合計 | 倍率 | |
1次入試 | 1898名 | 704名 | 2.7倍 |
2次入試 | 488名 | 67名 | 7.3倍 |
帰国入試 | 137名 | 34名 | 4.0倍 |
渋谷教育学園幕張中学校の入学後の学費
入学納入金は入学金が28万円、施設拡充費が7万円となります。
また、毎月の納入金は合計5万9500円となっています。
*2024年度の入学試験要項
渋谷教育学園幕張中学校の入試問題と対策
算数
試験時間は50分、配点は100点満点となっています。
大問は5問程度出題されますが、計算問題や小問集合ではなく、全て応用問題で構成される傾向があります.
全体的に難易度が高く、頻出分野をはじめ重点的な対策が必要です。
主な出題範囲としては、図形、規則性、場合の数、速さなどがあります。
また、複数の分野を組み合わせた問題も見られます。そのため、それぞれの単元の知識をもとにした総合的な対応力が求められます。
試験本番で焦らず、各単元の知識・式や考え方を頭の中で整理し、解き進めることが大切です。
過去問をはじめ、同じく難易度の高い問題をピックアップし、演習を積み重ねておきましょう。
また、時間がかかる問題のほか、素早く解答できる問題もあります。
そのため、一問に時間をかけすぎず、全体のバランスを考える必要があります。過去問から時間配分の感覚をつかんでおきましょう。
国語
算数同様、こちらも試験時間は50分、配点は100点満点になります。
大問は2問で、小説文と説明文から出題されます。また、漢字や知識問題も、読解問題の中に含まれています。
読解問題の内容はかなり高度で、文章量も比較的多い傾向があります。
複雑な文章から心情・場面の変化や論理展開を読み取らなくてはなりません。
そのため、文章量の多い問題やテーマが難しい問題など、数多く演習を重ねておくことが大切です。
設問形式としては、記述問題、選択肢問題、抜き出しなど、比較的オーソドックスな形式が見られます。
一方で、字数制限のない記述問題も出題されているので、自分の言葉でまとめる力が必要です。
この記述形式は慣れが重要になるので、早い段階から対策をしておきましょう。
過去問をはじめ、同じような記述問題の演習を重ねておく必要があります。
社会
試験時間は45分で、配点は75点満点となります。大問は3問で、各分野からまんべんなく出題されています。
設問形式としては選択肢問題や適語記入問題が中心となりますが、近年は記述問題が増加しています。
そのため、時間的な余裕は少ないと言えます。過去問をはじめ、時間配分の感覚をつかみ、速く正確に解く力を養っておく必要があります。
また、総合問題形式の出題も見られるので、各分野の知識を横断的に整理しておくことも大切です。
似た形式の問題の演習を重ね、早い段階から慣れておきましょう。
理科
社会と同様に、試験時間は45分、配点は75点満点です。大問は3問程度で、4分野を融合した問題が多く見られます。
全体的に資料問題が多い傾向があり、知識に加えて思考力が求められます。
そのため、普段から数値やグラフなどの資料に多く触れ、情報を読み取る練習をしておきましょう。
知識だけではなく、その知識を使ってどのように考えるかが大切になるので、問題演習を通して思考力を養う必要があります。
また、出題分野も幅広く見られます。各単元の基本知識をはじめ、幅広い分野に対応できる実力が求められます。
過去問
受験者平均点の特徴
2023年度の入試結果より、受験者平均点は350点満点で割合を考えると、一次入試は5割程度、二次入試は4割後半の平均点です。
また、合格最低点も350点満点で割合を考えると、一次入試では5割、二次入試は6割に近い得点がボーダーラインです。
受験者平均点 | 受験者平均点割合(350点満点) | 合格最低点 | 合格最低点割合(350点満点) | |
一次入試 | 176.7点 | 50.4% | 187点 | 53.4% |
二次入試 | 166.2点 | 47.4% | 196点 | 56% |
渋谷教育学園幕張中学校合格のために必要なこと
渋谷教育学園幕張中学校の試験は各科目の難易度が高いため、それぞれの科目に沿った重点的な対策が必要です。
科目ごとの特徴をおさえ、効率的に対策を進めなくてはなりません。
例えば算数であれば、難易度の高い問題と時間配分のバランスに注意すること、国語は複雑で長い文章の読解を重点的に対策しておくことが必要です。
また、社会は記述問題も含めて速く正確に解くこと、理科は思考力をもとに解き進めることなど、それぞれに重要なポイントがあります。
また、ボーダーラインは一次試験と二次試験で差が目立ちます。
二次試験の倍率は7倍を超えていることもあり、特にボーダーラインは高くなります。
確実に得点できる部分は必ず得点し、その他の部分も実力や思考力によって対応する力が求められます。