和歌山・開智中学校の受験予定者必見!学校の特色や受験情報と入試対策

開智中学校和歌山県では智弁和歌山・近大付属和歌山が競り合う中で人気が出てきた和歌山・開智中学校。

中学から入学したお子さんへの独自教育が注目されています。ここでは、偏差値や倍率などの受験情報について紹介していきます。

和歌山・開智中学校の特色

男女共学の教育の中で豊かな発想と創造性を発揮できるような「智慧」を開きたいという考え方から、学校名を「開智」(智慧を開く)とつけています。

学校の沿革

1993年に和歌山県・直川に開校。開校当時より男女共学制を実施。浄土宗の学校として創設。

高校からの入学も可能ですが中学からの6年間一貫教育に力を入れています。

学校内施設

周りが田園地帯ということもあり、校舎の広さやグラウンド・テニスコートはかなり充実しています。

時代のニーズなどから、順次改修や増築を行って好評を得ています。

「サイエンスラボ」は理科系の実験専門教室として別棟に建てられており、生徒が気軽に先生に質問ができて指導を受けられる、「質問コーナー」、ネイティブスピーカーを迎えての授業の専用ルームを設けるなど、きめ細やかな授業が受けられる環境を用意しています。

カリキュラム

2コース制を採っており、「スーパー文理コース」「特進コース」でコースわけをしています。

「スーパー文理コース」は文系・理系を問わず、超難関国公立大学や医学部進学を目指しての授業を行います。

「特進コース」は国公立大学への進学をメインとしていますが、「スーパー文理コース」よりやや緩めの授業構成ではあります。

進学先

中学生のほとんどは全てそのまま開智高校へ進学となりますが、高校からの入学者と分けての授業体制になります。

令和5年度の卒業生の実績としては、国公立大学へは155名の合格者を出しています。

私立大学への進学としては、関西圏の大学が多く、関西では有名校とされる関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学の合格者と最近「近大マグロ」で有名になった近畿大に合格している生徒が多数います。

学校周辺の環境とアクセス

JR阪和線「六十谷」駅から徒歩5分という環境で、紀州路快速停車駅ですので、大阪市内から通学されている生徒も多いです。

周囲は田園地帯で、大きな道路が一つしかなく、コンビニが1店舗あるのみです。

正門はひとつのみで、夜間は正面およびプロムードがライトアップされます。

行事と部活動

クラブ活動については週3回と決められていますが、忙しい中でも生徒の約8割が部活動に参加しています。

26のクラブと研究会があり、体育系は特にバレーボール部は近畿大会で非常に強いということで有名です。

文化系では、音楽部(吹奏楽部)、箏曲部、書道部、将棋部、囲碁部などがあります。体育系クラブはバレーボール部を含めると8部です。

行事は、新入生に対しての研修会はありますが、遠足や体験学習、芸術鑑賞会、体育祭、文化祭、講演会などありますが、浄土宗の学校という特色もあり、花祭りと正道会(お釈迦様の入滅した日)の行事が入ります。

なぜ開智中学校が注目されはじめたか?特殊な授業プログラム

筆者の子どもの受験時に学校説明会と見学会に参加した際、独特な授業に驚かされるばかりでした。

「思考力」を養うために、「チームルーテイング」という授業が行われます。

ある商品について、チームに分かれて分析して意見討論し、自分たちが最善と思うものを発表した上で、開発者の方などを招き、その商品などを開発した理由や理論を解説し、思考力を養う授業を行います。

さらに、英語教育について2020年の大学入試改革を先読みし、外部の英語試験に十分通用するよう、大手英会話教室である「ベルリッツ」との提携プログラムを結んでいます。

このプログラムについては、特別ルームにて1クラス3グループに分かれ、日本語の使用は禁止となります。

普段の日本人教師による英語授業についても、日本語はなるべく使わずに、英語をふんだんに使って授業を行います。

和歌山・開智中学校の受験情報

試験日

前期日程:2024年1月13日

後期日程:2024年1月15日

和歌山県の私立中学を受験する際は、大阪府内の私立中学校との併願受験も考えるご家庭が多く、毎年若干の日程のズレも期待するのですが、ここ近年は大阪府の私立中学との併願がしにくい状況になっています。

その代わりに前期・後期で受験コースを変えられる家庭が多いです。

試験科目と配点

前期・後期では後期において難易度があがります。

試験科目はコース共通の国語・算数・理科の3教科で、国語と算数はそれぞれ60分で150点満点、理科は45分で100点満点です。

偏差値

和歌山・開智中学校の偏差値は、男女関係なしです。

スーパー文理コースで68、特進で61です。

倍率

スーパー文理コース

前期
受験者数 153名
合格者数 44名
倍率 約3.5倍
後期
受験者数 92名
合格者数 20名
倍率 4.6倍

特進コース

前期
受験者数 30名
合格者数
(移行合格者含めず)
17名
倍率 1.7倍
後期
受験者数 14名
合格者数
(移行合格者、繰り上げ合格者含めず)
5名
倍率 2.8倍

学費

入学手続きの際に20万円を入学金として収めます。授業料などは、年2回均等分割納入となっております。

入学金 20万円
授業料(年額) 42万円
教育充実費(年額) 9万円
育友会費(年額) 1万8千円
生徒会費(年額) 3千6百円
体育文化活動費(年額) 1万2千円

最低限必要な費用として、入学金を含め74万3千600円となります。

これらの費用に、制服などの制定品や独自の教材などの費用がかかりますが、授業料低いことから大阪府からの入学希望者が多いです。

和歌山・開智中学校の入試対策

国語

知識問題から1題、論説・説明文から1題、小説・物語文から1題とオーソドックスな問題構成です。

知識問題の数が多く、漢字の読み書き、部首、2字熟語など幅広く出題され、毎年10問出題です。

長文読解は内容・容姿の読み取り、登場人物の心情把握をメインに、空欄の穴埋め、指示語の抜き取りなどはもちろん出題されますが、記述問題が25~50文字の記述問題が出題されます。

「読解力」の力を試す傾向が強く、論説・説明文は「指示語」「接続詞」「段落の意味」「要旨」に注意です。

小説・物語文は、論説・説明文に求められる要素に「場面の変わり目」を見抜く力を日頃から勉強しておきましょう。

算数

スーパー文理を目指すお子さんは特に算数の点数が重視される傾向があります。入試問題については、6割以上が計算と1行問題で「基礎学力」が問われます。

構成としては、大問1は四則計算(小数と分数が絡んだものばかり)大問2は規則性・特殊算・図形関連など幅広く出題されます。

大問2については、どの単元が出されてもいいようにバランスよく勉強しておく必要はありますが、出題比率から分析すると、特殊算の比率が多く、傾向としては、「旅人算」についての出題が必ず出てきます。

四則計算については大量に出題されるので、毎朝5分の計算トレーニングで鍛えていきましょう。

理科

難しさは中堅校級ですが、公表されている問題を分析した限りでは、生物から物理系の問題などバランスよく出ています。

前半部分は必ず生物や植物に関する問題が出題されますし、必ず毎年出題の形は変えても出てくるのは、てこの原理関連と、振り子の問題は必ず出てきています。

満遍なく記憶していて応用ができるということもポイントになります。

過去問

和歌山・開智中学校合格のために必要なこと

学校側としては、中高一貫校生から「東大合格者を多く出したい」という考えがあり、特に医学部や薬学部系への大量排出を目指していると入試説明会で話がありました。

和歌山県では、「智弁和歌山」「近大付属和歌山」が有名で、開智中学校としては、この2校の学力越えを視野にいれているので、算数での合否判定を重視していています。

過去問を解くより、まずは基礎学力の定着と応用力は必須で、どんな問題を出されても解答できる能力を日頃から重ねておく必要があります。