山手学院中学校は、神奈川県横浜市にある男女共学の私立中高一貫校です。
併設型の中高一貫校で、高校からの募集も行われています。
ここでは、山手学院中学の特色、気になる試験対策をご紹介しています。
目次
山手学院中学校の特色
「国際交流教育」、「誠人教育」、「教科教育進路指導」の3つを三本の柱とし、中高一貫の教育が行われています。
中学1年・2年を前期、中学3年・高校1年を中期、高校2年・高校3年を後期として分類し、6年間で効率の良い学習と、豊かな感性と健全な身体の育成を目指す教育課程となっています。
また、三本の柱の一つの「国際交流教育」として、中学3年生が全員参加するオーストラリア・ホームステイ、高校生が全員参加する北米研修プログラムなど、積極的な国際交流が行われています。
学校の沿革
1966年に山手学院中学校が開校され、1969年に山手学院高等学校が開校されています。
また、山手学院高等学校の開校で男女共学となっています。
施設
主な施設には本校舎、特別教室棟、体育館、グラウンド、テニスコート、屋外プール、工房、中央棟などがあり、充実した施設が見られます。
進学先
2023年度の大学合格実績を見ると、横浜国立大学17名、横浜市立大学9名、東北大学6名、東京工業大学5名といった国公立大学への合格実績のほか、早稲田大学30名、慶應義塾大学32名、東京理科大学26名といった私立大学への合格実績も豊富です。
学校周辺の環境
山手学院中学校は、JR京浜東北線・根岸線の港南台駅から徒歩12分で通学できます。
JR京浜東北線は多方面からアクセスできる路線で、都心や横浜からのアクセスに優れています。
山手学院中学校の受験情報
2024年度の試験日程は以下の4つの日程に分かれます。
A日程 | 特待選抜 | B日程 | 後期日程 | |
日程 | 2月1日(木) | 2月1日(木) | 2月3日(土) | 2月6日(火) |
募集人数 | 男女80名 | 男女60名 | 男女40名 | 男女20名 |
試験科目 | 出願時に2科受験(国語・算数)または4科受験(国語・算数・社会・理科)の選択可 | 2科:国語・算数 | 出願時に2科受験(国語・算数)または4科受験(国語・算数・社会・理科)の選択可 | 出願時に2科受験(国語・算数)または4科受験(国語・算数・社会・理科)の選択可 |
試験時間と配点は、国語と算数がそれぞれ50分で100点満点ずつ(2科目受験と4科目受験のいずれも同じ)、社会と理科がそれぞれ40分で80点満点ずつになります。
山手学院中学校の偏差値と倍率
男子の偏差値と倍率
山手学院中学校の偏差値は、受験日程と男女で違いが見られます。男子の偏差値を80偏差値で見ると、以下の通りです。
日程 | 偏差値 |
A日程 | 51 |
特待選抜 | 58 |
B日程 | 52 |
後期日程 | 53 |
女子の偏差値
女子の偏差値を80偏差値で見ると以下の通りです。
日程 | 偏差値 |
A日程 | 53 |
特待選抜 | 60 |
B日程 | 54 |
後期日程 | 55 |
いずれの日程も、男子より偏差値が高くなっています。
倍率
2023年の中学入試結果より、各日程の合格者数、倍率は以下の通りとなります。
受験者数 | 合格者数 | 倍率 | |
A日程 | 328名 | 122名 | 2.7倍 |
特待選抜 | 561名 | 66名 | 8.5倍 |
特待選抜(一般) | 561名 | 264名 | 2.1倍 |
B日程 | 284名 | 109名 | 2.6倍 |
後期日程 | 341名 | 60名 | 5.7倍 |
山手学院中学校の入学後の学費
授業料(月額) | 40,000円 |
維持費(月額) | 13,500円 |
グローバル教育費(月額) | 2,500円 |
タブレット費用(月額) | 2,400円 |
父母の会費(月額) | 1,000円 |
入学後の学費は、上記の他に施設設備費が24万円、年1回保健衛生費、図書館運営費等合計121,400円とされています。
また、入学金は20万円となっています。
月額分を年額として計算し、これらの金額を合計すると127万4200円となり、初年度にかかる費用(入学金を含む)の目安として考えることができます。
山手学院中学校の入試問題と対策
算数
試験時間は50分、配点は100点満点で、1問5点、全部で20問という出題形式です。
全体としては基本・標準レベルの問題が多い傾向があります。
大問1は計算問題2題、大問2は小問集合3題、大問3~7はそれぞれ小問3題で構成される文章題となります。
また、いずれの問題も答えのみを解答欄に書く形式となり、途中式などの部分点は見られません。
大問3~7の配点は、全体の約7割です。きちんと取り組めるように時間配分を考えておきましょう。
また、文章題は各分野からまんべんなく出題されており、特に「速さ」、「数の規則性」、「場合の数」、「図形」が例年よく出題されています。これらの分野は特に対策をしておきましょう。
国語
算数同様、試験時間は50分、配点は100点満点です。
大問数は3問で、大問1は論説文、大問2は小説または随想などの文学的文章、大問3は漢字の読み書きという構成になります。
読解問題は2問ですが、論説文と文学的文章でそれぞれ1問ずつ出題されます。
選択肢問題や記述問題など、論理展開や心情・場面の変化を読み取って解答する力が求められます。
過去問をはじめ、読解問題の演習はきちんと重ねておきましょう。
また、読解問題の中でも言葉の意味や使い方、文法問題が出題されます。
こちらもきちんと対策をしておきましょう。
社会
試験時間は40分、配点は80点となります。
地理・歴史・公民からまんべんなく出題され、漢字指定の問題も多く見られます。
基礎知識を中心に、正確に用語を書けるようにしておきましょう。
地理では、表やグラフ、統計をもとに情報を読み取る問題が出題されます。
また、歴史は資料問題や正誤問題の出題があり、公民では時事問題も見られます。
それぞれの分野で出題形式をおさえ、問題演習を重ねて対策をしておきましょう。
理科
社会同様に、試験時間は40分、配点は80点となっています。
大問数は4問で、4分野からそれぞれ出題されます。
知識問題や計算問題、図や表の読み取りのほか、考察力が問われる応用問題も見られます。
基本的な知識をもとに考察を進めることが重要になるので、知識の定着とともに応用力も意識しておきましょう。
実験や観察に関する問題は、過去問を中心に多く触れておくことが重要です。
設問形式に慣れるためにも、問題演習を重ねておきましょう。
過去問
受験者平均点の特徴
2科合計の受験者平均点
2023年度、2科合計(200点満点)の受験者平均点は以下の通りとなります。
A日程の平均点は7割近くの点数となります。
合格最低点は特待選別日程やB日程が最も高く、7割以上となっています。また、いずれの日程も6割に近い点数です。
A日程 | 特待選抜(特待) | 特待選抜(一般) | B日程 | 後期日程 | |
受験者平均点 | 115.4点 | 115.5点 | – | 100.8点 | 102.8点 |
受験者平均点割合 | 57.7% | 57.7% | – | 50.4% | 51.4% |
合格最低点 | 127点 | 146点 | 112点 | 110点 | 128点 |
合格最低点割合 | 70% | 73% | 56% | 55% | 64% |
4科合計の受験生平均点
2023年度、4科合計(360点満点)の受験生平均点は、以下の通りとなります。
A日程、後期日程の平均点は6割を超えています。4科目受験と2科目受験のいずれも、A日程の受験生平均点が高い傾向があります。
A日程 | B日程 | 後期日程 | |
受験者平均点 | 208.8点 | 192.2点 | 195.6点 |
受験者平均点割合 | 58% | 53.3% | 54.3% |
合格最低点 | 228点 | 209点 | 242点 |
合格最低点割合 | 63.3% | 58% | 67.2% |
また、4科目受験の合格最低点は6割後半以上と、2科目受験の合格最低点と同様に高い割合です。
山手学院中学校合格のために必要なこと
山手学院中学校の試験問題は、比較的傾向がつかみやすいと言えます。
学校から出題傾向が発表されているので、過去問と合わせて対策の方向性を決め、演習を重ねることが重要です。
一方で、後期日程の倍率が高い傾向があること、4科目受験の方が2科目受験より合格最低点の割合が高いなど、日程や科目選択によってさまざまな傾向が見られます。
これらの情報も把握したうえで、受験日程を検討しましょう。
2科目・4科目選択ができる日程と、2科目受験しかできない日程に分かれているなど、それぞれの試験日程で特徴があります。
得意科目とのバランスも考え、受験科目を検討することが重要です。