塾に友達は必要か?5つの視点で考える「塾友」という存在

塾に友達は必要か?

学校の友達がたくさんいる塾に行く子もいれば、あえて遠くの塾に行く子もいます。

また、塾の中ですぐに友達を作る子もいれば、反対に、勉強の場だと割り切って一人でひっそりと過ごす子もいます。

思春期真っ只中の小学校高学年から中学生の子どもたちにとって、友人は塾通いの大きなファクターと言っても過言ではありませんよね。

塾の友達って、必要なのでしょうか?そして、どんな存在なのでしょうか?

1.同志・ライバルになる

「一緒にあの学校目指そうぜ!」

そんな関係だったら文句なしですよね。

そこまでのドラマチックな関係性はなくても、学力や偏差値が同じくらいの人には、自然と対抗心や遅れを取りたくない気持ちが働くものです。

2017年冬、「下剋上受験」というドラマが放送されましたが、ドラマ中の主人公と同じ志望校を目指していた友人は、本当にいいライバル関係にありました。

きっと同志やライバルは、子どものプライド面から考えても、そんなに近しい距離感を取る存在ではないでしょう。

一緒に勉強したり、教えあったりというのはあまりないように思います。

でも、そういう子が塾に一人いるだけで、勉強や試験にハリがでるのはまず間違いないでしょう。

2.馴れ合い仲間にならないように注意が必要

反対に、馴れ合いの関係になってしまうこともあります。

集団の原理と言いますか、塾にも集団の雰囲気というものがあって、本人はそういうつもりがなくても、流されてしまう場合もあります。

対人関係が不安定なこの時期だから、その傾向はなおさら。

「宿題の答え、答え丸写ししよう」

「写させて」「いいよ〜」

「塾の帰りは遊んでから帰ろうよ!」

ある程度は仕方ない部分もあります。しかし、度が過ぎる時には親として様子をチェックしなければなりません。

塾で勉強する小学生

3.学校の延長

例えば地域密着の塾に通っていると、同じ学校の生徒がわんさか通塾しているという状況もよくあります。

同じ顔ぶれが揃っていると安心感はありますが、キャラは崩しにくくなります。

学校ではいつも弾けているキャラだったとして、「塾だけは懸命に勉強するキャラ」なんて、子どもにとってはなかなか難易度の高いことです。

結局そういう子が学校の延長で振舞ってしまうのなら、それはデメリットですよね。

点数やレベルなども学校の友人間の中で明らかになるので、あまりおおっぴらにしたくない子にはストレスにもなります。

4.優越感・劣等感を生む存在

個別塾ではそうでもないかもしれませんが、集団塾だと当然順序が明確になります。塾は学校よりもそういう点でシビアですよね。

順位づけが、子どもたちの心に「優越感」や「劣等感」を生みます。

もちろん、その気持ちがモチベーションに繋がればそれはメリットです。逆に、優越感のせいで勉強がおろそかになったり、劣等感で塾通いが苦痛になったりするなら、それはデメリットと感じるでしょう。

どう感じるかはその子の置かれている状況や性格にもよりますので、親としては見守りつつも状況を把握しておきたいところです。

中学受験塾で勉強する子

5.情報をキャッチしやすくなる

走る子供たち

一人で勉強するよりは、格段に情報が入って来やすい環境であるのは間違いありません。

学校説明会や模試のこと、「志望校の様子を先輩に聞いたら〇〇だった」など、大きな話から些細な話まで、その場にいるだけで友人から耳にする話は多くなります。

これは、友人関係関わらず、塾に通う一つの利点ともいえるでしょう。

まとめ:塾の友達関係は運次第

では、どうすれば塾の友達と良い関係を築けるのでしょうか?

どんな集団になるのか、友達とどんな関係になるのかは、ある意味親の手の届かない場所にあると思った方が良いかもしれません。

なぜなら、その環境によって友人関係は良い風にも悪い風にも転がるからです。

集団の力学が働いている以上、仕方ないことでもあります。ある意味、運次第の部分も大きいもの。

また、本人の性格や塾へのスタンスにも関わりがあります。

冒頭で述べたように、塾では一人でいたい、塾では勉強に集中したい子も中にはいます。

ワイワイ仲間を作る方が塾友達という存在からメリットをもらえるのか、一人でいる方がメリットは大きいのか。塾へのスタンスは本人次第です。

親が出来るのは、子どもの特性や置かれている環境を総合して、見守ったりアドバイスしたりすることくらい。

でも、こういうことを知っておくだけで、お子さんへの関わりや塾選びの視点が変わりますよね。