中学受験をする・受験塾に行くという意識を持たせることの重要性
進学塾がなぜ、存在し、行く必要があるのかについては、簡単に言うと、公立の小学校の学習・勉強だけでは(特に首都圏の)進学実績のある中学校、あるいは一定のレベル以上の大学の付属校に進学することが難しいからです。
中学受験の難易度は文科省のカリキュラムをはるかに凌駕しています。
そのため、付属校に入学した場合であれば、付属の小学校からの学生とは、学力の差が歴然としていることも少なくありません(もちろん、一部例外的に付属の小学校からでも非常に優秀な学生は存在します)。
そのため、学習塾ではなく、サピックスのような進学塾に子供を通わせる場合には、子どもにもその意識づけをさせる必要性が非常に強いといえます。
通わせ始める年度にもよりますし、一概にいうこともできませんが、「中学受験をするんだ(=ほかの学校の友達とは少し違うんだ)」という意識をお子さんに持たせないと、中学受験は成功しません。
最初から「中学受験」という言葉を意識させる必要はないのかもしれませんが、他の子どもとは違う、という意識を持たせることは必要です。
ここでは、サピックスに合う子・合わない子の特徴など、サピックスでの塾講師経験がある筆者がお伝えしていきます。
サピックスにはいつから通わせるべき?
ここにもご家庭の事情等により、様々な考え方があるところではあります。
サピックスの場合3年生から4年生に上がるタイミングでプログラムが大きく受験指導に切り替わります。
このタイミング、あるいは5年生からという生徒が多いのが実情です。
もっとも、サピックスに入室するには入室テストを受験する必要があります。
3年生までであれば形式的に試験を受ければほぼ合格することができるといえますが、4年生以降だと、年次が上がるごとにそのボーダーはあがっていきます。
単純に入室だけでいいのであれば、早めの方がいいのかもしれません。
但し、単に入室しただけで中学受験の合格の確率が上がる、と考えることは危険です。
上記したように、あくまで生徒、ご家庭が中学受験をするんだ、という意識を持っていないと意味がありません。
だらだらと下位クラスで友達を作って楽しむ・・・というのではわざわざ高い月謝を払って塾に通わせる意味はないでしょう。
個人的には4年生からの通塾がベスト
カリキュラム的には4年生は週2回(70分×3コマ)の授業で、国語・社会の日、算数・理科の日に分かれます。
国語2コマは漢字などの知識のコマと読解のコマ、社会は4年生では基本的に日本地理を扱います。
都道府県の位置や県庁所在地といった基本的な知識はもちろん、農業の特徴、産業の特徴、工業地帯等、受験本番まで必須の知識をインプットしていきます。
5年生の夏休み前でも同じ作業を繰り返すことになりますが、半年で大量の知識を入れることになるため、この時期に一度インプットをしてしまっておくのは効率的な学習方法といえるでしょう。
理科についても同様です。
算数は麻布中学に代表されるような思考力を必要とする問題と、基本的な計算問題、公式を使って解くことのできる問題を別コマで扱うことになります。
週2回というペースやサピックスが徹底した復習主義であることを踏まえれば、しっかり復習してインプットをすることができる4年生から通うというのがおすすめといえます。
サピックスに向いている子・そうでない子
サピックスでは月に1回マンスリーテストと呼ばれるクラス昇降テストが行われます。
それによって生徒間の競争を煽り、向上心を持たせることを狙います。
なので、そもそも競争心のない子ども、というのはサピックスには向きません。
みんなと仲良くなりたい、友達を増やしたい、という子であれば、サピックスではなく学習塾に通うべきでしょう。
サピックスでは低いほうから順番にABC・・・αというクラス分けがなされています。
4年生・6年生は3クラスずつのブロック、5年生は2クラスずつのブロックで構成されており、ブロックごとに担当する先生が変わります。
上のクラスにいれば経験豊富な社員の先生に当たることになりますし、下のクラスでは校舎によっては大学生のアルバイト(アルバイトにも良し悪しはありますが、あまり授業を面白くしようという意欲のない先生が多いと見受けられます)にあたってしまいます。
また、ブロック内で前週の復習テストでのクラス昇降もありますので、できるだけ上のブロックで高いレベルの生徒・先生の中でもまれることが合格への近道です。
そういった意味で、しっかりと競争に臨める子、優しすぎない子がサピックスには向いているといえるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
これから中学受験塾を検討される際の参考にしてみてください。